うちのブログは Google の Adsense を使ってサイトに広告を掲載しています。ある程度まとまった収入があると、それを震災の復興基金などに寄付する流れを、東日本大震災のころからずっと続けています。先月の中旬にサイトの表示スピードをあげるため、全面的な模様替えをしたんですけど、その際に AMP 形式にも対応しました。AMP 化は、以前から Google に勧められていたことでもありました。アクセス上昇が望めて、そこから広告収入も増えるという算段だったみたいです。

AMP は Google が推し進めている新しい Web サイトのフレームワークです。“Accelerated Mobile Pages”の頭文字をとった名前で、そのまんま表示スピードに特化しています。その代わり、かなりの軽量化が必要なので、利用できる機能に制限が設けられていたりします。どちらかというと、サイトを作る側よりも、見る側、とくにスマートフォンなどのスペックに制限がある環境で見る側に配慮した仕様になっています。今うちのサイトでは、モバイル端末からアクセスすると自動的にこの AMP 版が表示されるようになっています。AMP 版で一番下までスクロールして、“Exit mobile version”と書かれたボタンをタップすると、モバイル向けの通常サイトにも切り替えられます。

Google が率先して推し進めているこの AMP 形式なんですけど、おそらく Google もちゃんと管理できていないと思います。AMP は通常のサイトのコードと仕様が違うので、アクセス解析も、広告の挿入も、基本的に専用のコードを専用の作法で入れないと機能しないようになっています。基本的にうちみたいな WordPress でできているブログは、Google 公式のプラグイン、Site Kit by Google があるので、設定さえあらかじめ済ませておけば、あとはプラグインが自動でやってくれるという触れ込みだったんですけど、実際やってみるとどうやら自動機能が現段階ではほとんどまともに機能していないようです。じゃあ手動でやろうと考えて、ずっと HTML やら PHP をイジっていたんですが、なにをどうやってもうまくいきません。インターネットで情報を探してみると、似たような症状に悩まされたらしい相談内容が未解決のまま放置されていたり、いろいろ裏技のような解決策を見つけて紹介してくださっていたブログさんも、時期尚早だったと判断されて AMP から通常の仕様に戻されていたりしました。昔は Google のやることはかゆいところに勝手に手が届く気が利いた仕様が多かった記憶があるんですけど、最近は強引さやなし崩し的な部分が目立ちます。うちでも実際に導入してみて、AMP はちょっとまだ無理があるんじゃないかなと思いました。なんだろ、コロナ禍のせいで、想定していた計画でも頓挫したのかな?

そして、とりあえず自分でヘタにサイトをイジらず、公式プラグインの自動機能がそのうちちゃんと動作してくれることを想定して、うちのブログを AMP 化をして様子を見続けること、1か月。Google のアナリティクスでアクセス数を確認すると、AMP 化してからこの1か月のアクセスは6割ぐらいに減りました。うちの記事をよく読んでくださっているかたのクチコミによると、今まで特定の検索ワードで上位に出てきていたうちの記事が AMP 化の直後に軒並み姿を消したらしいです。広告については、通常のサイトと違って、自動広告挿入の機能が AMP 版のモバイルサイトでは機能していません。これによってうちの2月の収益が36%減少したというレポートを Adsense が送ってきました。AMP 化は2月中旬のことだったので、実際はもっと減っています。今のところ月の利益は数円といった感じなので、以前のように定期的に寄付できるようになるのはいつのことやらといった感じです。

うちはインターネットの端っこに引きこもっていたい趣味のブログだから、アクセス減や収入減はべつにいいんです。でも世の中にはいいコンテンツを作って、広告の収益で生活している人もいるので、これだけアクセスが増える、収益が増えると言い切って AMP を推し進めている Google の姿勢に違和感を覚えます。普通に考えて顧客が6割に減って、給料が三分の二になるって、死活問題じゃないですか?

改善しましょう

うちの2月の収益が36%減少したという Adsense のレポートを読み進めると、最後に「改善しましょう」と大きく記載された項目がありました。この1か月懇願していた具体的な解決策がついに手に入ると思ったんですよ。「おう、頼むから解決策をワシに教えてくれ!」って、ずっと思ってましたもん。

AMP のゴリ押し

ね、期待した私がバカだったって思いましたね。AMP のゴリ押しでしかありませんでした。サイトの AMP 化を進めていたときに、あれだけ悩みながらインターネットをさまよったんですよ。なんで答えがなかったのかというと、公式ですらその解決策をきちんと提供できないからですよ。そんな仕様を急いで導入する意味、ありますかね……?

そもそも天下の Google が、この公式の AMP プラグインを使ってアクセス減、収益減を起こしているサイトに改善案として AMP プラグインを使って AMP を実装しようという提案をすること自体が失態じゃないですか? プラグインをすでに使っているかどうかぐらい、自動判別できるコード埋め込むなりして判断することはできないんですかね? なにかプライバシー関係の法律がジャマしているの……? どうせこんな大胆なうたい文句にして強引に推し進めなきゃいけないなら、AMP のプラグインも Site Kit by Google に組み込んでしまえばいいのに。

追記 追記
この記事を書いた数日後に、日間アクセス数が30程度にとどまる最低記録が出ました。どうも Google 検索からの流入がほぼ断絶されているに等しい状態のようです。理由はわかりませんが、こんな低い数字はサイトの立ち上げ当初以来、見たことがありません。こんな趣味のサイトでも、桁違いの異様な数字です。最近とくに SEO 対策を変更したわけでもないので、AMP 化による変更が絡んでいるのは間違いないと思います。いいかげん付き合っていられないので、モバイル端末で AMP 表示する公式のリダイレクト機能をオフにして、AMP で読みたい人だけ表示を切り替えられるようなサイトの構造に移行しようと思います。

いいね! 匿名メッセージへのお返事
匿名希望さん、大丈夫です! そんな嫌味な取りかたはしないので、いつもどおりボタンを活用してください(笑)。AMP 化は私が自分で決断したことなので、自業自得です。けっきょく、うちもろくな結果になりませんでしたね。正直、ここまでグダグダだとは思っていませんでした。そのせいか逆にネタ感も出てきて、もうちょっと実験したいような気にもなっています。ただいま日間アクセス数の最低記録をドンドコ更新しております。AMP に対応して1か月ちょっとで、一日のアクセス数30を記録しました。30って!(笑)ほぼ無人なので、今はとっても快適です。

追記 さらに追記
この記事を書いてから時間がさらに過ぎまして、AMP でも画像の表示方法にある程度は融通が利くようになったりと、仕様の改善が試みられたようなんですが、うちのサイトではまったくもってそれがいいように作用せず、逆に直しようのないデザインの崩壊を招くようになりました。AMP 対応サイトを検索表示で優遇するという話もすでになくなって久しいことですし、うちのサイトも潔く AMP とはおさらばしようと思います。アデュー!