まともにプレイできないほかのゲームの話から相変わらず逸れ続けてるんですけど、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』をいちおうクリアできたので、先日あった公式イベントの配信を見返していました。ネタバレ全開で製作スタッフのみなさんがお話ししてくれるイベントだったらしいです。自分はこのときまだギリギリ最終戦突入前の諸々を片付けている真っ最中だったので、リアルタイムでは観ませんでした。

以下、記事の内容がネタバレ前提で進みます。読んでも最後までクリアしてないとまず伝わらないと思いますけど、ネタバレを回避されたいかたはご注意ください。

ネタバレイトショー

配信後の動画が消えてしまったので、ファミ通さんの記事から画像を拝借しました。

いくつか作品の解釈に影響がでるような設定も明かされていて、堀井さんとしては、時のオーブを割って過去に戻ることは世界の時間を巻き戻すことであって、パラレルワールドが発生しているという認識ではないみたいです。もちろん明確な否定はされてませんでしたが、堀井さんがそういう前提で物語を書かれているなら、とりあえずそこは準拠してほかの解釈をまず一通り進めるべきだと私は思ったんですよね。

「こういうことがかつてあった気がする。」

仲間が「こんなことあった気がする」系の発言をちょこちょこするのは、時間を巻き戻す前の記憶が残っているからで、堀井さんの話しぶりからすると、おそらく例に挙げられていたカミュのこのセリフも主人公を送り出したときの記憶がなんとなくあるからだという話になるみたいです。

いや、私、ここらへんの解釈がかなり迷走していた時期があって、このセリフ、もしかしたら主人公たちが延々セニカを過去に送り出すループに陥っているのかなと頭をよぎったことがあったんですよね。主人公が過去に戻ってからマルティナに「背が伸びた?」と聞かれることがあったので、時をさかのぼった本人は年をとっているわけで、ループにしてもそのうち破綻するのが目に見えているからダメだなと思って没にしたんですけど、ここは素直に主人公のときの経験をセニカの姿に重ねているからという解釈でいいんでしょうね。

私が今作おもしろいなと感じたのは、みんなキャラが立ってたってところが大きいと思うんですよね。戦闘にしたって、過去作の職業固定型パーティーはなかなかはっきり使えるキャラと使えないキャラが二分化する傾向があったけど、今作は各キャラに味があって、敵や状況に合わせてそれぞれの強みをいかに活かすかが重要になっています。とくに終盤はすぐにレベルが頭打ちしてしまうので、安易な“レベルを上げて物理で殴る”ができなくなっていて、こういうバランスがよくできてるなって思うんですよね。本当に好きです。

種集めとか、いろいろあるけど、私は短所も含めてそのキャラ自身を表しているような気がして、あんまりそこまで強化しようとは思いませんでした。できることと、できないことがあるからこそ、そのキャラの輪郭ができて、ほかのキャラとの相性が生まれ、ひいては RPG の群像劇ができていくわけじゃないですか。ストーリーのなかにも、それぞれが象徴するものがあって、人間関係のなかで成長していくっていう部分が見えるので、メダル女学園で過去のムービーを見直すと、示唆されているであろうところとか、プレイヤーの勝手な妄想だとか、いろいろ考えられておもしろいんですよね。なんでこのときこの言葉を選んだんだろう、なんでこのときコイツこっちを見てるんだろう、なんでこのキャラがこのイベントでやたらと前に出てくるんだろう、なんでこのキャラはこういう戦い方を選んだんだろう、なんでこのときこのキャラがこのとくぎを覚えるんだろう、とかとか。

仲間を増やせるなら誰にしたいかという質問で、10位に今の8人のままがいいという意見があったんですけど、ものすごく同意します。今回の勇者の物語は、先代が親友の裏切りにあって志半ばで倒れていることもあって、失った仲間との絆を修復しながら自分の使命を果たすことが根底にあると私はとらえていて、仲間との関係がすごく重要になってくると思うんですよね。きっとあの4人とこの8人だから完成される物語だと思うんです。というのも、もともと私、『ドラゴンクエストIV』でもリメイクでピサロが仲間になるようになったのもちょっと抵抗ある人間なんですよね。いろんな考え方があるし、公式のやることに文句を言う気はないので、あくまで個人の意見なんですけども、もとからこういうスタンスで遊んでるところがあります。この作品で仲間を新たに加えると、物語の軸がブレる危険性がある気がするんです。

でも、ファーリスの必殺技「土下座」とか、ネタれんけい技はちょっと見てみたい気もするかなぁ……。

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