前回から、ソフィア・ダゲール司令官を C. A. M. P. にお迎えして、彼女のクエストを重点的に進めてきました。不審な行動をするようになった U. S. S. A. のプロテクトロンが、荒れた境域の「新アパラチア中央操車場」にいるらしいので、ソフィアさんのためにちょっくら狩ってきます。

今回76のワイが、暴走した U. S. S. A. のプロテクトロンをタコ殴りにしたことで、これまでスクラップにされてきた暴走ロボットが、いずれも同じ信号を送信していたことがあらためて確認できました。ひとつはロボブレインらしき個体に、もうひとつは完ぺきに正体不明ななにかに送信されていました。また、襲ってこないロボットたちを見て、ソフィアさんが、自分の命を狙っているわけじゃなく、別の狙いがあるのかもと考え始めました。

同時にこの異様な状況で二人の絆ができてきたので、ソフィアさんがファーストネーム呼び捨てで呼んでくれと距離を縮めてきました。頼れる人間が目の前の76のワイ一人だけなので、気持ちはわからんでもないんですが、相手は女装オッサンなのにいいのか? 目を覚まして、ソフィア!

現在の76のワイ

ちなみにこのときはこんな格好でアパラチアをウロついていました。ファスナハトの気分が今でも抜けません。

プロテクトロン狩りをしているあいだに、ソフィアが自分に投与されていた「血清 Z」の場所をサクッと突き止めたようです。「回収するのも楽だといいんだけど」と言った彼女が指定したロケーションは、残念なことに、荒れた境域の「ウエストテック研究センター」でした。楽もクソも、伝説級のロケーションですやん! レベルも上がる勢いやわ~。

しかし、頭痛がひどくて満足に眠ることもできない彼女に行かせるわけにはいかないので、ここは76のワイがウエストテックで修行してきます。おとなしく修行しようと思って、いつもより準備して向かったんですが、どうやらほかの剛の者の狩り場とバッティングしてしまったらしく、たぶん血塗れステルス装備だと思うんですけど、気が付いたらどんどん目の前の緑の巨人が倒れて、あんまり苦労しませんでした。いいのか、悪いのか……。

「血清 Z」はアークトス・ファーマ主導で開発されていたもののはずですが、ウエストテック研究センターに隠されているってことは、この会社も開発に噛んでいたのかな? 前回の契約書の内容から、ロブコも関与していたことはわかっていたんですが、たまたま大戦の混乱でウエストテックが血清を手に入れて隠していただけかな? シリーズおなじみのスーパーミュータントをはじめ、今作の代表的な怪物であるスナリーギャスターやグラフトンモンスターもここで生まれているので、もしウエストテックが今回のプロジェクトに協賛していたら、ソフィアが今でも頭痛に悩まされているだけの普通の女性でいられるほうが奇跡なのかもしれません。

血清を持ち帰ると、C. A. M. P. にエマソン・ヘイル博士だかハル博士だかがまた来ていました。また頭痛を和らげる覚醒キットを手土産に持ってきましたが、いずれも使用期限を過ぎているようです。「こんな時代じゃ、全部期限切れだから問題ないよね!」

相変わらず過去のことは覚えてない、気にするなの一点張りですが、質問を投げかけると博士はいちおう律儀に答えてくれます。血清が頭痛の原因じゃないかと尋ねると、昔の研究ではロボブレインに投与したところ、一部凶暴になる個体が出ていたそうです。そういったロボブレインは基本的に処分されているようですが、念のためにスキャナーでロボブレインの動きも捉えられるようにしておいたほうがいいと忠告してきます。

このロボブレインの反応も、ものすごく「フォーミュラ P」の非投与者に見せる強力な敵対性と似ているんですよね。やっぱりフォーミュラと名の付くアークトス・ファーマの薬品は、類似する目標を掲げて開発が進んでいたもので、スコーチの習性を研究対象にしていたんじゃないでしょうか? というか、戦前から開発されていたので、研究結果からスコーチが生まれてしまった逆パターンなのかもしれません。そう考えると、元アークトス・ファーマ重役のデビッド・ソープがスコーチになって死んだのはますます皮肉ですね。この世紀末でいまだにヘイル博士が過去のプロジェクトの情報収集に努めているのも、スコーチの被害がすぐ目の前にあるから、罪悪感から逃れられないとか、そんな理由だと説明がつきます。

償いをしたいエマソン・ヘイル博士

一通り質問し終えて、どうせ彼の言うことも信用できるかどうかわからないし、もう帰っていいよとヘイル博士に伝えると、なにかがプッツンしたのか「今のオレは昔と違う」といった言葉から、「オレだってこんなに元カノを助けようと努力してんだぜ!」というふうなアピールが始まりました。曰く、U. S. S. A. のロボットは自力では倒せないので、できるだけソフィアとの接触を避けさせたり、宇宙船が燃料切れになったとわかれば、不時着が予想されるアパラチアに飛んできたりしたそうです。ロボットが挙動不審なのは、お前の仕業だったのか?

でも、彼にはまだ自分の尻拭いが残っていると言います。そのために、まだこちらに情報をすべて明かすわけにはいかないそうです。けっきょくあやしいままやないかい!

博士はけっきょく、覚醒キットをもっと持ってくると約束し、これ以上この件に首を突っ込まないよう、そして接近しているロボブレインに気をつけるように言い残して去っていきました。これまでは博士が去ったあともソフィアとの会話が続いていたんですが、今回は会話モードがサクッと終了したので、C. A. M. P. から去って行く博士を追いかけることができました。しかし、ちょっと離れたところでいつもの棒立ちが始まり、あんまり追いかける意味はなかったようです。

C. A. M. P. に戻ってソフィアに話しかけると、スキャナーを調整してさっそくロボブレインの居場所を割り出すことに成功していました。ロボブレインには人間の脳が使われているので、スキャナーの検出対象に有機部品を含むロボットも追加すると簡単に設定できたみたいです。また、博士が帰っていく経路もちゃっかり調べていたようです。彼の動きは不自然で、尾行でもされているかのようだったと言います。彼が立ち寄った場所のひとつに、また U. S. S. A. の機密ホロテープがいくつかあるようです。今はまだザックリとしたエリアしかわからないようで、76のワイがロボブレインを倒してくるまでに、具体的なロケーションを特定しておくと言われてしまいます。まさかのお使いに次ぐお使い予約!

オーダー・オブ・ミステリー

ソフィアがミストレス・オブ・ミステリーをかなり好きなようなので、ここらへんから、またベケットと同じように箪笥の肥やしになっていた装備を引っ張り出して着せてみることにしました。本人も本望なんじゃないでしょうか? 引き続きイチャつけるので、お前がミストレス・オブ・ミステリーならオレはなんだと聞いてみました。その答えは「インスペクター」だそうです。てっきりベタなシルバー・シュラウドとかがくると思ってたんですけど、それはショーンの両親だからダメなのか。しかし女性ヒーローを挙げてくるあたり、じつは女装オッサンのことをよくわかっているな!

インスペクターは正しくは冠詞も含めての名称らしいので、またジだかザだかアイみたいな意見のぶつかり合いが生まれる危険性もありましたが、今度はジもザもない訳出で平和的解決を望もうとしたみたいですね。その翻訳は……ありなのか?

というか、たぶんここの回答はランダムで変わるみたいです。いや、やっぱり女装しているところに着眼しての回答だったのかもしれません。ソフィア、意外と賢い娘……!

拠点に降り立つモスマン

さて、ソフィアとイチャイチャしたあとに、ロボブレインがいるらしい沼地地帯の「モス・ホーム」までやってきました。昔 PS4版でプレイしていたときに、どうせいつかまた来ることになるからと探索を後回しにしていたロケーションです。U. S. S. A. のロボット連中はカルト教団と仲がいいのか?

外から見ると大きく見えたんですが、内部は丸い岩場を壁で囲っただけの簡単な構造で、全然広くありませんでした。狂信者も数えられるぐらいしかいなくて、一瞬で片が付いてしまいました。これなら後回しにしなくてもよかったですね。

しかし、物をあさっている最中に高台にモスマンが降臨していることに気付いてビックリ! 今回の WASTELANDERS でモスマン教信者の拠点になったロケーションがいくつかあるんですが、たしかに長く前に突き出した見晴台みたいな場所がどこもあるんですよね。ここって、モスマンが降り立つ場所だったのかぁ~。

ちなみにこのモスマンは近づいても敵対しないタイプでした。攻撃しても即座に回復してしまいます。どういう条件で出現するのか、よくわかっていません。

復習モスマン

わりとよく見る復讐モスマンとかは、この目の色なので、ちょっとデザインが違いますね。拠点に降臨したモスマンは緑の発光しているタイプなので、高レベルだったんでしょう。

って、すっかりモスマンに話題が移ってしまいましたが、今回の目的はロボブレインでした。C. A. M. P. に戻ってソフィアと話すと、76のワイがロボブレインをタコ殴りにしたときに、スキャナーが辺り一帯から複数の高度セキュリティ信号を拾ったそうです。ソフィアはこのロボットがなんらかの方法でこちらのスキャナーに干渉していたんじゃないかと推測しています。ロボブレインが放った信号のシグネチャをまたよく見ていくと、深層睡眠に関するものもあれば、ソフィアもよく知らないほかのプロジェクトに関するものもあります。ただ、そのなかのひとつは、深層睡眠ミッションに関わっていた幹部が開いた極秘会議に関連付けられているようです。

ロボブレインを倒しに行く前に、機密ホロテープを拾ってくるお使いの予約はすでに入っていましたが、今回ロボブレインを倒して、機密性の高い信号のやりとりを観察したことで、優先的に回収に向かうべき情報が確定したようです。クランベリー湿原の「水没した操車場」までひとっ走り行ってきます。ここのロケーション、何度かマイアラークキングにボコボコにされたイヤな記憶があります。っていうか、マイアラークキングって、強さのわりにドロップ品に美味しさがないんですよね。ソフィア曰く、彼女がかつて所属していた組織は、普段からあまり記録を残す体質ではなく、必然的に残された記録は必要とされる重要なものが多いんだとか。しかも、今回のロケーションはもとから機密情報があったとは思えない場所なので、利害関係者に隠されたんだろういう指摘です。なので、回収する労力に見合う価値があると思いましょう。

76のワイがタコ殴りにしたロボブレインは、壊れる前に「レッドサンセット」という信号をどこかのソースコンソールに送っていたようです。ソフィアはこれを破損コマンドだろうと推測していました。また、ロボブレイン破壊時に、ほかの破壊されたはずのロボブレインの反応もたくさん出てきたそうです。彼らは U. S. S. A. のデータ施設の周りに集まっていました。

裏切られたソフィア

ワトガ郊外にある操車場で拾えたホロテープは「深層睡眠プログラム第2フェーズ」という名前の音声テープでした。ソフィアが深層睡眠ポッドに入ったあとに、深層睡眠ミッションに関わっていた幹部らが、宇宙船の残りのクルーと地上から交信して極秘会議を開いており、ホロテープにはこの会議の音声が記録されていました。

ソフィアと同じ宇宙船に乗ったクルーは、地上のお偉方の指示を受けて、ポッドで眠るソフィアと「アテナユニット」と呼ばれるシステムをリンクさせていました。ソフィアは船が軌道に乗ってから1時間ぐらいですぐポッドに入ったと言っていたので、打ち上げから録音時まで、けっこう忙しない展開だったことがわかります。

ソフィアとリンクした「アテナユニット」とは、クジラの歌声にビープ音が混じっていた A. T. H. E. N. A. のことのようです。ソフィアと A. T. H. E. N. A. の接続を確認し、船が安定した軌道に乗ったことも確認できたら、地上のお偉方は U. S. S. A. のアサルトロン PANDRA を起動させ、「レッドサンライズ」というコードを口にして、クルー三人を武力で脅して各々の深層睡眠ポッドのなかに入れてしまいました。三人の慌てようからすると、もともとポッドに入る被検体はソフィアだけで、本当は眠りについた彼女の観察を続けるのが自分たちの仕事だと説明されていたのでしょう。アサルトロンの PANDRA は、どうやらこのために幹部の一人、ロブと呼ばれる男性のチームが開発した特殊な U. S. S. A. ボットだったようです。だからロブコの社名が契約書にあったのかな? というか、ロブってロブコからとった安直な名前だったりして。

PANDRA にポッドに入るよう脅されたノワク博士は、ソフィアの睡眠ポッドを脱出用カプセルから引きずり出して、代わりに自分たちが脱出しようと試みていました。いっぽう、バーナード博士は契約違反を訴えて叫びますが、キャロルと親しげにファーストネームで呼ぶヘイル博士に、「U. S. S. A. は現状をよく理解している(わかったうえでやっている)」と冷徹に告げられてしまいます。けっきょく脱出用カプセルで離脱しようとしていたノワク博士も、PANDRA の武力行使までのカウントダウンを聞いて、ほかのクルーとそろってポッドに入ることになりました。三人はそのまま眠りについて、宇宙船が墜落して死ぬまで、ソフィアと同じようにアテナユニットとリンクされていたのだと思われます。ノワク博士が逃げ出そうと叫んでいた脱出用カプセルに関する情報を考慮すると、四人のポッドのうち、ちゃんとした脱出用カプセルに設置されていたのはソフィアのポッドだけだったんでしょう。

このホロテープには、同僚だった現場の博士を無慈悲に追い込むエマソン・ヘイル博士の声がきちんと録音されていました。三人がおとなしくポッドに入ったことで、博士はプログラムがフェーズ3に入ったことを宣言し、アテナユニットの三人に対する反応を確かめなければと事務的に話していることもわかります。

ちなみに、ホロテープを再生すると、いきなり「委員会メンバー」なる人物が登場して話し出すので、「どの委員会だよ?」とちょっと混乱するんですが、原語では“Board Member”だったので、このプロジェクト Z に関わる組織の幹部が集まった極秘会議の参加者というか、のちのソフィアが言うには役員会議の面々で、ザックリ言うとこのプロジェクトに加担していたお偉い方連中と考えていいはずです。深層睡眠プロジェクト委員会とか血清 Z 作ろうぜ委員会なるものが存在していても不思議じゃありませんが、これもただ“Board”の訳語を統一できなかっただけの話だと思います。でもこのホロテープの内容は、原語のほうも、明らかにこのお偉方が拍手しているはずのところで、PANDRA が拍手しているように表示したりして、翻訳だけじゃなくて、スクリプト自体がものすごく適当な印象を受けるんですよね。

ホロテープを確認したソフィアは「自分が知る人すべてが、自分をモルモットのように利用していた」と涙ながらに話して、ショックを隠しきれずにいます。気持ちの整理には時間が必要とのことですが、前向きな彼女は、ここで重要なのは A. T. H. E. N. A. と「アラクネー」だというふうに情報を整理して前へ進もうとしていました。ロボブレインの一件から、わからないなりに彼女が目星を付けて追跡していた機密性の高い信号のシグネチャのひとつが、この「アラクネー」でした。

じつはアテナユニットなるものの名前も以前に耳にしたことがあるそうです。もともと U. S. S. A. の他部門で研究されていたもので、ノワク博士はその部門からやってきたんだそうな。ロボブレインの信号のシグネチャが、ソフィアも知らないプロジェクトに関連付けられていたのは、このせいだったのかもしれませんね。

アテナとアラクネーはギリシャ神話に登場する女神と女性で、機織りの技術をめぐって争い合ったことがあります。その腕は互角で、機織りの勝負自体はどちらも勝った説が存在していますが、神を嘲る奢った姿勢が女神アテナの逆鱗に触れ、けっきょくアラクネーはクモにされてしまいます。神話から命名したと考えれば、アテナユニットの対抗策として作られていたものなんでしょう。ソフィアのコンソールは、そのアラクネーというプログラムだかロボットだかわからないものからの信号も受信しているようです。ちなみにこのアラクネー、ソフィアの会話だと長音記号付きなんですが、クエストや76のワイの発言だと長音記号なしになる表記揺れがあります。

ソフィア「アラクネーを探してきて」
76のワイ「アラクネを探してくればいいんだな?」

ソフィア、本当にそんな息の合わない女装オッサンを信用しても大丈夫か? いろいろ不安な二人ですが、とりあえず76のワイは荒れた境域の「アンキャニー洞窟」までアラクネを拾いに行ってきます。ここもおおよそプログラムだかロボットだかわからないテクノロジーの塊みたいなものが保管されていそうな場所じゃないんですが、まただれかに隠されていたりするんでしょうか? ふたたびマイアラークキングをタコ殴りにしたりされたりしながら洞窟の奥まで進むと、戦後に人が逃げ込んで生活していたらしき空間のスチーマートランクにアラクネのホロテープが入っていました。ということはプログラムなのかな?

白状しだしたエマソン・ヘイル博士

アラクネを持って C. A. M. P. に舞い戻ると、ヘイル博士がまた来ていました。A. T. H. E. N. A. のことを突き止めたとソフィアが明かすと、彼女たちはまだつながっていて、ソフィアの目を通じて A. T. H. E. N. A. が私たちを見ていると話し出します。知覚が同化しているので、アラクネで A. T. H. E. N. A. を破壊すると、ソフィアも同等のダメージを負い、治癒できない慢性的な後遺症が残る危険性があるそうです。深層睡眠ポッドで寝ていたときは、リンクの負担も、負担による頭痛も制御できていましたが、気を張り詰めている世紀末生活ではそれもかなわず、いずれにせよ、この状況ではソフィアはいずれ死ぬことになると言います。

宇宙船を墜落させたのはお前だろうと問い詰められるんですが、さすがにそこまでの技術はなかったようです。緊急着陸の操縦をしたのは船に乗っていた PANDRA で、その行動には“Blue Sunset”とコードネームが付けられていたようです。ちなみにこのコード、今まで「レッドサンライズ」とか「レッドサンセット」とか、類似のコードはすべてカタカナで訳出されてきたのに、この博士のセリフになって突然、原文のまま残すスタイルに切り替わりました。アメリカンを気取りたい系男子なのかもしれませんね。緊急着陸の際は、本来船のエンジニアリングを担当していたリー博士の判断が優先される設定だったようですが、リー博士は残念ながら極秘会議のホロテープどおり手が離せない状態だったので、PANDRA が自動操縦で、一番強力なビーコンの信号を放っている A. T. H. E. N. A. のそばに着陸できるように対応したようです。つまりは、この墜落事故で三人が無抵抗に亡くなったのも、ヘイル博士のせいじゃんね? というか、彼がせっせとビーコンを充電していたのも、墜落し始めた船を誘き寄せようとしていた可能性はないかな?

ソフィアと一緒に船に乗っていた科学者らを、深層睡眠ポッドに入れた理由を尋ねることもできるんですが、日本語版だとよくわからなかったんですよね。原語に目を通したらちょっと博士が言いたかったことがわかってきました。船が軌道に乗ったあと、期待どおりの結果が出せなかったとかで、深層睡眠、もといプロジェクト Z の計画は全面的に打ち切られそうになっていました。日本語だと過去形で「完全に削除された」と書かれているので、打ち上げしておいて、軌道に乗るまでのわずかな時間にプログラムの放棄がいきなり完了するよくわからない時系列の説明になっていたんですよね。原語を確認すると過去進行形だったので、まさに計画中止の危機、真っ只中だったという感じだと思います。

日本語だとこれまた時系列がわかりにくいんですけど、ソフィアと一緒の船に乗っていた科学者たち三人は、宇宙に旅立つ前からプログラムの非人道的な内容に疑問を持っていたようで、監視機関に情報を漏らしていたようです。彼らもそれなりに良心がある人たちだったっぽいですね。アークトス・ファーマやロブコとも提携して一大プロジェクトになっていたので、彼らの密告で関係者は痛い目をみるハメになりました。ローズのお使いクエストで、デビッド・ソープのもとにテッサという女性の密偵が送られていたことがわかるホロテープを拾うんですが、こういうこともあってのことだったのかな?

なぜ科学者も睡眠ポッドに入れたのかという質問に対する博士の答えは、第一声「そのほうが安くついたから」でした。おそらく彼らが情報を漏らすことで、なんらかの賠償金や違約金などが発生していたんでしょう。なので口封じのために彼らも深層睡眠ポッドに放り込むことにしたという話みたいです。少なくとも彼らと交代で任に就く予定だった次の科学者が2080年に到着するまでは時間稼ぎができる予定でしたが、大戦があって宇宙船はソフィアごと忘れ去られ、すべてがうやむやになりました。

元凶の口封じに成功した彼らは、エマソン・ヘイル博士がスケープゴートとして責任をとって辞職し、倫理規定違反の罰金を支払うという形で表向きのみそぎを成功させ、自分が責任を被ることで組織に恩を売った博士はその後、ちゃっかりその見返りに内輪のロブコに3倍の給料で引き取られていました。

ゴミを漁りながら大戦後も生き延びていた博士は、関連施設がすべて吹き飛んで、関係者も全員死んだと思っていましたが、アパラチアにまた人が流入し始めたことで、自分も現地に入って自分の目ですべてが終わったことをきちんと確かめなければいけないと思ったようです。ところが、そんな矢先に船が墜落してソフィアが地球に舞い戻ってきました。博士は今度こそ A. T. H. E. N. A. を破壊しなければいけないと考えましたが、ソフィアを人質に取られているので事情は複雑だと言います。ソフィアは今人質に取られている状態なのか? ほかにも、A. T. H. E. N. A. のもとに行くなら、なにかを爆発させたりできないように、施設内部の電気配線を切断するつもりだとまで話します。そんなに攻撃的なの……?

白状しだしたエマソン・ヘイル博士

ソフィアがバーナード博士と同じように「こんなの契約違反だ!」と声を上げると、彼女の契約書はプロジェクト Z の実験内容に合わせるために徹底して複雑かつ非常に曖昧に書かれていたので、じつは彼女がすべてに合意した形になっているそうです。さすがだな! 思わず感心してしまうわ!

博士はプロジェクト Z のあらゆる権限を与えられていた最高責任者ですが、当時は政府に逆らうことはできなかったそうで、今ではそのことについて自責の念に駆られているらしいです。ソフィアを通じて A. T. H. E. N. A. に情報が筒抜けになるので下手なことは言えないし、76のワイも信用できるか不安だったので、これまで真実を言えなかったと言い張っています。ほんまかいな。A. T. H. E. N. A. は政府が「平和のために」開発しようとしていた代物で、相変わらず博士は詳しいことまでわからないとも言い張っています。どうやら「オレも被害者」路線で攻めることにしたようです。ちなみに、政府が今後のために研究しようとしていた危険なコウモリの変異体の話がエンクレイブの施設で確認できるんですけど、なんか似てませんか?

この会話の最中に、博士が「わかったんだ……あいつが苦しみ始めると、助けになることを何でもやっていた。あの時まで……Dr. ノワクのラボを調査するまでは、そこにキルスイッチがあったんだ」と話すくだりがあるんですが、この文も読みにくいし、理解しにくいし、かなりあやしい訳じゃないかなと思うんですよね。原文だと“I figured… if she started to suffer, I would do anything I could to help. Until then…. I searched for Dr. Nowak’s lab. Thought the kill switch would be there.”になります。過去形で訳されていますけど、文法的には仮定法過去なので、実際は起こらなかったことを仮定して話しています。加えて、主語の“she”を A. T. H. E. N. A. として解釈しているようですけど、このときの博士は76のワイと会話しているので、ソフィアのことなんじゃないかなと思うんですよね。それに彼は前後の文で A. T. H. E. N. A. のことを“it”呼びしています。「ソフィアが苦しむようなことがあれば、オレが全力で助けてやろうと腹をくくっていた」みたいな意味合いだと思います。だって、ヘイル博士はそもそも自分の過去に区切りを付けるために、A. T. H. E. N. A. を破壊しようとアパラチアに戻ってきたと前の会話で言っているんです。苦しむ A. T. H. E. N. A. をできることならなんでもして助けてやるって、おかしくないですか?

日本語訳は「あの時までは」と、前の文を過去形で訳出した関係で、過去を振り返るように話してますが、原語で言う“Until then(それまでは)”は「ソフィアがオレの全力の助けを必要とするまでは」みたいに解釈しています。次の「Dr. ノワクのラボを調査するまでは、そこにキルスイッチがあったんだ」なんて、日本語としてもめちゃくちゃです。ヘイル博士が調査するまでキルスイッチがそこにあったということは、調査したときにはなくなっていたという解釈になります。博士がパチったからなくなったってこと? それに日本語で「あったんだ」とすると、キルスイッチがノワク博士のラボにあったことが事実になってしまいます。その後のやりとりからもわかりますが、ノワク製キルスイッチはけっきょく見つかっていません。あくまでヘイル博士があると思っただけの、ラボを調べた理由に過ぎません。私が原語を読んだ限りだと、「ソフィアがオレの全力の助けを必要とするまでは、ノワク博士のラボをしらみつぶしに調べることにした。ヤツのキルスイッチがそこにあるだろうと思ったんだ」みたいに解釈するのが自然かなと思います。

ちなみにここで言及されているキルスイッチとは、先ほど76のワイがマイアラークキングをタコ殴りにして奪ってきたアラクネのことです。ソフィアはノワク博士が書いたものではなく、地元アパラチアのだれかが書いたものだろうと言っていました。日本語訳がいう「この場所の誰か」がヘイル博士を指しているなら、彼にもかなりのプログラミングの知識があることになります。政府が開発したプログラムのキルスイッチを自力で用意できるぐらいなら、たぶん遠隔操作で PANDRA のプログラムを書き替えて、アパラチアにソフィアの船を不時着させることもできたと思いませんか? 逆に彼以外のアパラチアのだれかがアラクネを書いたのなら、だれがという大きな疑問が残ります。スコーチと違って A. T. H. E. N. A. は大多数に害を及ぼしていないので、プロジェクトのことを知っている利害関係者のはずですが、ほかに候補が見当たりません。

彼が言うには、A. T. H. E. N. A. がいるシュガーグローブに入るための U. S. S. A. キーカードをはるか昔に紛失してしまったらしく、今となっては自力で入れないそうです。よし、そういったお使いは76のワイに任せてください! ということで、荒れた境域にある「US-13Cビバーク」まで行ってきます。ここは軍の野営地っぽいところなんですけど、ウエストテック研究センターが近いので、科学者っぽい白衣の白骨死体とかも転がっているんですよね。そこにこの U. S. S. A. のアクセスカードがあるってことは、やっぱりウエストテック研究センターも最初から今回のプロジェクトに関与していたのかもしれませんね。

A. T. H. E. N. A.

ということで、やってきました。最終決戦の地、シュガーグローブです。シュガーグローブ、いろんなクエストで来すぎちゃうの? しかも、ベケット以上の難所を想像していたので、てっきり宇宙に飛び出しちゃうのかとか、いろいろ期待していましたが、こっちのクエストは使い回しロケーションのえらく地味な感じでラストイベントが始まってしまいました。

ヘイル博士が爆発がどうとか、ソフィアを人質に取ってどうのとか言うので、えらく強気に出てくるんじゃないかと思っていましたが、A. T. H. E. N. A. は話してみると無害に見えます。自分はあくまでも被験者の知覚データの導管に過ぎないと語り、実験の詳細を記したファイルへのアクセス権すら与えられていないようです。

Dr. ハル

数年後、科学者は戻ることをやめました。全員がです……Dr. ハルを除いて
Years after the scientists stopped returning. All of them… except Dr. Hale.

A. T. H. E. N. A.

ここで、私が「あ、こりゃダメだな」と日本語訳の問題にあらためて気付いた「Dr. ハル」がラストイベントで満を持して初登場します。ちなみにゲーム音声を確認すると、原語ではちゃんと「ドクター・ヘイル」と発音されていました。ここに来て新人物がいきなり登場したわけでも、ジェントルマン・ジョニーの親友が出張で飛んできたわけでもありません。

次の「彼は実験の終了に必要なすべての部分を入手できませんでした」の日本語も読んでいて不安になる文章ですよね。「実験の終了」って言ってるんですけど、実際は A. T. H. E. N. A. を破壊する準備を整えられなかったってことだと思います。

A. T. H. E. N. A. が言っていることで気になるのは、自分はあくまでも導管であり、自分の任務は被験者の知覚データの経路を確保して流出させることだと述べているところです。つまり、彼女が終着点じゃないっぽいんですよね。となれば、彼女からさらに知覚データを受け取って、蓄積して、データベースを作るなり、活用するなりする者が別にいる、あるいはいた可能性があります。

A. T. H. E. N. A. はリンクが確立された知覚データを定期的にスキャンするように設定されていて、それに抗うことができません。ソフィアの頭痛はこのスキャン時に生じるようです。そしてその痛みを、アテナも感じます。

A. T. H. E. N. A. が言うにはヘイル博士はすでに被験者と A. T. H. E. N. A. の接続を切る試みをしていたようです。具体的にだれかはわかりませんが、その試みによって2人以上の被験者の反応がなくなったと言われています。その結果、被験者はソフィア一人だけになりましたが、彼は同じことをソフィアにはしませんでした。もしかしたら宇宙船のクルーは墜落前から博士による強制的なアテナからの接続遮断で死んでいたのかもしれませんね。この失敗の原因を示唆するように、A. T. H. E. N. A. が「彼はエンジニアではありません」と言っているので、やっぱりアラクネを用意したのも博士じゃないのかな? それとも、この失敗で学んでからアラクネを用意しようと本格的に動き出したのかな? っていうか、博士が意図的に宇宙船の墜落事故を起こしたのなら、この自分が殺した証拠となる遺体を隠す目的でやってる可能性はないですかね?

あと、A. T. H. E. N. A. がヘイル博士はほかの科学者と違って戻ってきたというようなことを言ってたり、こうやって被験者との接続を切る踏み込んだ試みをしていたり、本当に博士、ここに入れなかったのかなっていう疑問もありますよね。先に入って、アテナを破壊して、都合の悪いことを末梢しようと画策してたけど、できなかったとかいう可能性もあるかな?

A. T. H. E. N. A. は実験の継続を望んでいないので、自分を止めてくれる存在を待っていたようです。倫理に反した実験だし、必要なデータは十分そろったそうです。そのために76のワイたち一行をここに導いたと言っています。なんかもっと爆発タレットで豪勢に抵抗されると思ったら、逆にアラクネの使用を懇願されてしまいました。ちなみに A. T. H. E. N. A. も長音記号付き「アラクネー」派でした。クソッ! もっと気概のある76のワイの仲間はここにいないのか!?

ヘイル博士とソフィアが到着

すんなり A. T. H. E. N. A. に殺してくださいと言われたところで、ソフィアと疑惑のヘイル博士も追いついてきました。ソフィアはあまりの潔さに A. T. H. E. N. A. をシャットダウンさせていいものか迷い始めました。

ヘイル博士は「コイツの言うことに耳を貸すな」と言っていますが、こんな無害なのになに言ってんだ状態で、いまいち話が噛み合いません。A. T. H. E. N. A. でさえ、観測した感情と実際に表現された感情が違うと戸惑っています。つまり、アレでしょ? 博士の言動は矛盾してるし、彼にとって都合が悪いことを A. T. H. E. N. A. がこのあと漏らす可能性があるってことでしょ?

ヘイル博士を見た A. T. H. E. N. A. の反応は「お久しぶりです」でもなんでもなく「また会いましたね(Hello, again)」なんですよね。なんか数十年ぶりに会ったにしてはサッパリしすぎている感じがしますが、ソフィアを通じて見ていたからかな? でも、ソフィアにはあらてめて歓迎する言葉を投げかけていて、知覚のリンクで見ているものと、実際に目の前に現れたものの区別がついている感じがするんですよね。ほんまに博士、最近ここに入ってない……?

グリーンサンライズ

ソフィアが A. T. H. E. N. A. の対処に悩み始めたことで、76のワイも悩み始めたようです。ここで唐突に現れる運任せ野郎専用の至高の選択肢、魔法の言葉「グリーンサンライズ」! Luck が15も必要だぞ! 76のワイはけっこうな運任せ野郎なんですが、さすがに15 MAX までは振っていません。あとから考えると不可能ではなかったので、ドーピングアイテムをかき集めてチャレンジすればよかったんですが、1や2どころの簡単なドーピングではなかったので、諦めてほかの選択肢で進めてしまいました。今になってすごく気になって、後悔しています。

とりあえず、ほかの方法を模索してみることにしました。アラクネを使うとどうなるのか確認してみたら、やっぱり A. T. H. E. N. A. は死ぬとのこと。しかしそれがソフィアを救える唯一の方法です。アラクネを使うと被験者から入ってくる知覚データがなくなるので、データ処理の必要もなくなると言います。ただ、興味深いのが、一度死んだあとに必要であれば、方法は手探りになるものの、リブートできる可能性もあるそうです。日本語で「このメソッドは……検査されずに残ります」って言ってるんですけど、原語だと“this method remains… untested”なので、「私が死んでしまうため、そのリブート方法もきちんとテストして確実な方法を確立できない状態のままになってしまいます(検証の余地が残ります)」っていう意味と解釈しました。というか、リブートできそうなら、とりあえずアラクネでシャットダウンしてソフィアの安全を確保してから、もう一度リブートして研究データをなんとか引き出そうとすることも理論上可能ってことなんですよね? それこそヘイル博士がしたいことなんじゃないの……?

アルテミス

ソフィアも A. T. H. E. N. A. も両方救える道があるだろうと、だれも犠牲になりそうにない選択肢を選び続けていたら、A. T. H. E. N. A. をアルテミスに移す案が出てきました。A. T. H. E. N. A. の部屋の入り口のところに、PANDRA とよく似たアルテミスというアサルトロン型のロボットがいたんで、なんだろうと思っていたんですが、これもなにかの U. S. S. A. ボットだったみたいです。しかし、このアルテミス、最後までもともとの用途の説明がまったくありません。普通に考えて、A. T. H. E. N. A. を移植したら今度は先住民のアルテミスの AI がとばっちりを受けることにならない……?

アテナと対立した神話が残っているアラクネと違って、アルテミスはアテナと同じゼウスの娘で同じ処女神ぐらいのつながりしか見当たらないんですよね。A. T. H. E. N. A. の護衛係とかいう設定で、A. T. H. E. N. A. に敵意があったらゴリゴリ攻撃してきてたのかな?

アルテミス移植案は未検証の賭けです。もしかしたら移植に失敗するかもしれないし、なにも治らなかったり、事故ってソフィアが死んだりする危険性もあります。A. T. H. E. N. A. が言うには、相変わらず、ソフィアの安全を優先できる方法はアラクネの使用みたいです。

ターミナルで最終決断

ヘイル博士は相変わらず、アラクネの使用を勧めてきます。よし、アルテミス移植案を採用だ!

アルテミスに絶大な信頼を寄せるヘイル博士

と、思ったんですけど、別にヘイル博士はアルテミス移植案に反対なわけではないようです。「あれは従順だ」と太鼓判を押しています。……その絶大な信頼はどこから? というか、よくわからないんですけど、A. T. H. E. N. A. を移植すると、人格というか、AI はアテナになるんじゃないの? 融合する系の移植なの? アルテミスと A. T. H. E. N. A. の知覚を統合する感じなのかな? でも、それにしても A. T. H. E. N. A. の気質は部分的に残るよね? 博士の語調からすると、A. T. H. E. N. A. は人を惑わすウソつきで、爆発で敵対者を撃退するくらいの攻撃性があって、アルテミスは従順、無害、無味乾燥みたいな印象ですけど、A. T. H. E. N. A. は破壊すべきで、アルテミスへの移植はいいっていう考えかたの基準がよくわかりません。やっぱりあとから安全に実験データを引き出せる手法にしたいんじゃないの……?

けっきょくアルテミスに移植したら、ソフィアが痛みにもだえてフラフラし始めて、隣の博士が他人事のように棒立ちするシュールな絵面になりました。そう言えば、よく見るとここのソフィアは76のワイが渡したミストレス・オブ・ミステリーの衣装じゃなくて、もとの宇宙服に戻っていますね。さすがにアレで外に出るのは恥ずかしかったのかな。やっぱり腐っても常識的な感性を持ち合わせているエリート、根っからのオタクではなかったようです。

頭痛が治ったソフィア

アルテミスへの移植は成功しました。ヘイル博士は「賢明とは言えない選択肢だった」と言っているので、やっぱり彼的にはベストな方法ではなかったようです。うむ、これを選んで正解であった。アルテミスというか A. T. H. E. N. A. というか、移植先のアサルトロンは感謝を述べるとそそくさと部屋を出て行きました。え~……なんかもうちょっとないの~?

ソフィアは焦点の合わない目で明らかにヤバい動きをしていましたが、アサルトロンの姿が見えなくなるころには正常に戻ったようです。頭痛もなくなったと言っています。なんか途中、頭振って歌舞伎役者みたいになってたんで噴き出してしまったんですが、治ってなによりです。そして物事が丸く収まった今、彼に対する怒りが沸々と湧き出てきたようです。許してやるけど、もう顔を見たくないのでアパラチアから出て行けと詰め寄っています。ま、これくらい当然ですよね。

二人の関係の終わり

いちおう許すと言ってくれたり、自分がフラフラな状態になったあとも、A. T. H. E. N. A. のことを気遣っていたり、ソフィアはこの世紀末にはめずらしい優しい人ですね。だから利用されてしまった感も否めませんが……。ほかの A. T. H. E. N. A. とつながっていた科学者たちも、いちおう最低限の倫理観は持ち合わせていたようですし、A. T. H. E. N. A. がおとなしかったのも、ソフィアの優しさが知覚のリンクで影響していたからかもしれませんね。

対するヘイル博士はこの後に及んで「実際には劇的なだけで治療できていない可能性もある解決策を喜んで受け入れるんだな」みたいな、嫌味なことを言い出します。やっぱりコイツ、人格に問題がありそうですね。アルテミス移植案を結果的に「賢明じゃない」と批判しだしたのも、アテナのリブートを狙っていた読みが正しければ、今後あのアサルトロンを相手にどうにかしなきゃいけないわけで、難易度が上がったから嫌味を言いたくなったんじゃないでしょうか。扱いやすさで言えば、絶対もとの A. T. H. E. N. A. の端末のほうが楽だったでしょ。

カリスマの塊のような選択肢

うちのソフィアがもう顔も見たくないと言っているので、76のワイも便乗して援護射撃することにしました。76のワイはソフィアのようなエリートにも負けないカリスマ性にあふれているので、「お前のように賢い人間は似た思考パターンの仲間のところへ行け」とおだてて追い出すことにしました。こういう角が立たない言い方、実生活の仕事でも役立ちますよね。さすが、76のワイ、カリスマの塊!

お世辞を言われたヘイル博士は、否定することなく D. C. か北東に行くと言い出しました。賢いオレはこんな田舎じゃ感性が合わないので、首都にでも行ってくるわって感じですかね。つまり、Fallout 3 の登場人物には、もしかしたら彼の血を引く子孫がいるかもしれないってことですか? へぇ~。

解放されたソフィア

ということで、ソフィアの味方クエストがすべて終わって無事に C. A. M. P. に帰ってきました。最後のイベントにはいろいろ結果が別れそうな選択肢があったので、A. T. H. E. N. A. を殺したらどうなるんだろうとか、いろいろ分岐が気になっています。もし A. T. H. E. N. A. を殺す選択肢でヘイル博士がその後もアパラチアに残ろうとしていたのなら、アテナユニットのリブートで実験データ再取得、あるいは実験自体もリブートを狙っているという私の説は有効だと思います。それでも必死で既存の被験者とのリンクを切ろうとしてたナゾは残るので、A. T. H. E. N. A. 殺害後も自主的に出ていくなら……やっぱりただの哀れな罪人かな?

彼女のクエストが一通り終わった直後の感想は、日本語訳がいまいちで内容についていけていない自覚があったし、アルテミス兼アテナのその後もまったくわからなくて、なんかスッキリしない印象だったんですが、もしスコーチ病の原点だったんじゃないかという私の読みがあたっているのなら、新ロケーション投入のベケットに対して、物語の核につながるソフィアって感じの対比だったのかもしれません。だとしたらこの話はメインストーリーの一部として今後拡張していく可能性もあります。

まだまだ C. A. M. P. の空きを待っている仲間はいるので、彼らの物語も楽しみです。もし収集者のおじいちゃんみたいにランダムなクエストの繰り返しパターンばっかりだったら、ソフィアに戻してしばらくそのままにしておこうかなぁ。ベケットも置いておくと繰り返しランダムクエストをくれる感じだったので、ソフィアもなにかしらやることをこちらに投げてくれそうです。

ということで、次回から同時進行していた Vault 79のクエストに戻ります。

指さし Vault 79突撃計画に続く
指さし 目次に戻る