糞尿グレネードの効果を一通り試してみた!
サム渾身の精神的ダメージ!
順調に西海岸へ向けて動き出したブリッジズ第二次遠征隊のサム。出発地点のキャピタル・ノットシティから南西の K2西配送センターまで配達を終えて、プライベート・ルームで休憩をとっていました。そこに大統領のアメリが突撃訪問してきて、「ぜってぇ西まで来てくれよな!」と念押ししてきたのが前回のあらすじです。
アメリがなんども「西へ私を助けに来て」と言い続けて姿を消すと、二度寝できないぐらいの時間になっていたようで、サムはベッドに腰かけたまま手錠端末をきっちり着けて、朝の身支度モードに移ります。
私、夜中に目を覚まして、仕事から帰ってきたときに疲れて片付けられなかった洗い物とかをコソコソ片付ける時間は嫌いじゃないんですが、もう一度ベッドで横になれないぐらいの時間に早く起こされるのはイヤなんですよね。私がサムだったら、もうちょっと突撃してくる時間を考えてくれって思ってしまいそうです。第二次遠征隊になる流れを見ても、サムってかなり忍耐強いですよね。
サムがきちんと起床して手錠端末を装着するのを待っていたかのように、手元の手錠端末に着信が入って、ハートマンがしゃべり始めます。アメリもハートマンもデキる人オーラがあるので、朝になったらパチッと勝手に目が覚める朝型人間っぽい印象がどっかにあります。ハートマンの着信音は私でも聞き覚えのあるショパンのピアノ・ソナタ第二番、第三楽章「葬送」です。作品中、屈指の前向きさで死のうとしているキャラクターだからかな?
サムは小説『デス・ストランディング』で、ハートマンについて、「眼鏡の奥の両目には、恐ろしいほどの知性の光が宿っていた」や「その瞳には、世界の果てを見てしまったような奇妙な諦念も同居していた」と述べています。彼はたたずまいからして特殊さを感じさせるオーラを放っているんでしょうね。
ちなみにママーの着信音は、英語の子守歌の Rock a Bye Baby らしいです。個性が出ていますね。ほかの人の着信音も、私が気づいていないだけで、もしかしたら元ネタがあるのかもしれません。
通信でハートマンは、とりあえず朝のシャワーを浴びるようにサムに勧めます。じつはノーマン・リーダスさんのファンなのかな?
言われるがままにシャワーを浴び始めたサムに、ハートマンは「その排水は研究用に採取する」と告げます。思っていたよりも熱狂的なファンでしたね。サムは思わず排水溝を振り返って、信じられないとでも言うように首を小さく横に振ります。
サムは嫌味も兼ねて「ほかの能力者(DOOMS)は調べたのか?」と質問を投げますが、ハートマンはいたって真面目に、ブリッジズに所属している者はみな調査済みだと答えて、「私やママーも、今のところ顕著な結果は出ていない」と空振りだったことを明かしています。ということは、ハートマンはともかく、ママーの特異性もブリッジズでは知られているってことですよね。ハートマンに比べて、あきらかに BT を連想する能力だから、気味悪がられたりしてないかな?
ハートマンにとって、能力者(DOOMS)の一人であり、唯一の帰還者でもあるサムは、格好の研究対象であり、ブリッジズの被検体だけでは解き明かすことができなかったデス・ストランディングのナゾに迫れる希望の星です。その第一歩として、シャワーブースの機能を活用して、サムの排水から抽出した試料を新しいアイテムとして渡してくれます。「機会があったら、座礁体(BT)に対して使ってみてくれないか」の言葉どおり、BT に投げつけて使用します。まあ、もとが汚水だとわかれば、ミュールにも精神的なダメージは与えることができるでしょうけどね。
ここで手に入る Ex グレネードは、今後サムがシャワーブースを使うごとに、シャワーの排水製が No. 0、トイレ(小)が No. 1、トイレ(大)が No. 2というふうに、異なるナンバリングで生成され、プライベート・ルームがある拠点のプライベートボックスに追加されていきます。
ちなみにプライベートボックスに所持した状態だと、プライベート・ルームのサムのベッド正面に実物がディスプレイされるようになります。その際の説明文は以下のようになっています。
サムの体液、老廃物、排泄物などを凝縮加工したカプセル。サムの血液が BT に効果があるならば、体液等も同じなのでは? というハートマンが提唱する仮説に基づいて、サムのシャワーやトイレの際に採取し、加工して作成された武器。体液や排泄物のタイプで BT への影響は異なると考えられるが、現状では未知数。他人の排泄物は、普通の人間でも気持ちのいいものではない。サムも気持ちはよくないだろう。とはいえ、まずは試してみなければ何も始まらない。もしかしたら、血液程たいした効果はないかもしれない。
Ex グレネード
容器の見た目が真っ赤なので、もしかしたら血尿グレネードが代表で選ばれているのかもしれません。これを撮影したときには持ってなかったんですけどね。
「まずは試してみなければ何も始まらない」とのことなので、このあと実際に生成された Ex グレネード No. 0をプライベートボックスから引き出して、道中の BT に使ってみることにしました。サムが手に持った筒状のグレネードは、シャワーブースで生成された容器より一回り大きいので、成分を飛散させる装置なども付けられているのかもしれません。発光しているように見えるのもあってか、プライベート・ルームで見たときのような赤みを感じさせませんね。
Ex グレネードのおもな効果はサムの立ち小便や少量の血と同じで、一時的に BT を遠ざけたり、怯ませたりすることができます。採血は仰々しいし、サムの体の負担にもなるし、なにより資源としてもったいないから、どうせ捨てる排水で似た効果のアイテムができるのは効率的っていうことでしょうかね。下水なら気軽に投げ捨てて使えるのは間違いありません。
ハートマンから「使ってみてくれないか」と頼まれた Ex グレネード No. 0を実際に使ってみました。BT の反応は上の動画にまとめたとおりです。ゲイザーはもがき苦しみながら、その場から離れようとします。ハンターは10秒ほど出現しなくなりますし、キャッチャーは一瞬だけ怯みます。
インターネットで調べてみると、No. 2、つまりウンコ・グレネードが一番効果が大きいと感じる人が多いようなので、ナンバリングの差も試してみました。
ようし、出てきた。こっちも問題なく動いているな。これは Ex グレネード No. 1と呼ばれている武器だ。君が排泄した尿の成分を採取し、それを凝縮、精製した液体だ。君から抽出された成分(エキス)は No. 0に比べて、こちらの方が濃い。だから座礁体(BT)に対して、より高い効果が期待できるだろう。君がプライベート・ルームのトイレで排尿すると、そのたびに採取され、精製加工されて、グレネードに補充される。ぜひ、座礁体(BT)に対して、それを使ってみてほしい。
ハートマン
サムの尿を凝縮加工したオシッコ・グレネードことNo. 1は、No. 0との差がいまいちよくわかりませんでした。エフェクトの黄色味が増しているけど、効力に差があったとしても、誤差と言われりゃ、体感ではわからない範囲だと思います。
これは Ex グレネード No. 2と呼ばれている武器だ。君に使ってほしい。君が排泄した便を採取し、その成分を凝縮、精製して液体状に加工した。君はクリプトビオシスを食べているだろう? だから君の便を使ったグレネードは座礁体(BT)に対して、めざましい効果が期待できるはずなんだ。君がプライベート・ルームのトイレで排便をするたびに採取させてもらう。それを加工して、君の装備に補充しておく。ぜひ試してほしい。
ハートマン
No. 2は No. 1よりさらに色が濃くなって血の赤に近くなります。ハートマンの説明によって、クリプトビオシスのおかげで効果が増していることがわかります。クリプトビオシスはこれまで女郎蜘蛛と同じ8本脚なので、絶滅体の力をなにか象徴しているのかと考えていたんですが、結び目と北米大陸で存在が確認できるところと、この記述を考えれば、もしかしたら、むしろ女郎蜘蛛の息子のサムをなにかしら象徴する存在なのかもしれません。
この No. 2は、凝縮加工されたウンコの力のおかげか、見た目だけでなく、効果も対ゲイザーのものが目に見えてはっきり違います。やっぱり 💩 は最強なんやなぁ~。
ゲイザーが痙攣していると書いたんですが、近づいても痙攣している最中は気づかれないので、おそらくその場で文字どおりスタンしているんだと思います。ただ、時間がハンターを抑え込む時間よりさらに短いので、思いっきりダッシュで突破できるとき専用ですね。残りのハンターやキャッチャーに対する効果は、相変わらず同じに見えます。Ex グレネード自体が BT 撃退用ではなく、ゲイザーの目をかいくぐることに特化したアイテムだからかもしれません。
いろいろ調べましたが、いずれにしても、Ex グレネードに BT を撃退する効果まではありませんでした。あくまで一時しのぎの策として用意されているアイテムです。初回プレイ時にここで Ex グレネードが手に入ったときは、弱いなりにやっとまともな対抗手段が手に入ったんだと思って、わざわざキャッチャーにわざと捕まりに行ってまで使ってみたんですよね。投げた瞬間、裏切られた気分になりましたよね。
Ex グレネードを投げると、黄色いモヤが蒸気のように立ち上って、細い帯状の光が何本も下から伸びてくる視覚エフェクトがその場にしばらく残ります。ちょっと Qpid でカイラル通信をつないだときに足下から光の帯が何本も出てくる様子に似ています。全体的に見ると、めちゃくちゃ濃縮されたトイレの臭い下水で BT が昇天しかけて、またビーチに戻りそうになっている感じに見えなくもありません。
エフェクトの滞留時間は、効果に反して No. 0が一番長く、No. 2は赤黒いモヤが広がると一瞬で消えてしまいます。
サムは特殊な帰還者の体質をしていて、おそらく彼の体で作られる血や糞便、汗までもが同じ性質を持っていると考えられます。このあと、サムの血を込めた弾が BT 撃退用武器として登場するので、サムの体の一部だったものを使うと、BT をまたビーチに送り返すことができるとわかります。サムの帰還者の性質は、圧倒的な生者の特質だと思っていたんですが、こういう点を見ていくと、死者を本来の場所に戻す性質もあることになり、どちらかと言えば、生者は生者の国の肉体に、死者は死者の国の魂にというふうに、本来あるべき世界の形にリセットをかける機能があると解釈したほうがいいのかもしれません。
あと、Ex グレネードをキャッチャーに投げると、着弾部の表面が白く変色します。色については、私がブリッジズの制服から勝手に推測しているだけなんですが、白は部外者のフリーランスのポーターや、死んで退場したブリジット・ストランド大統領が着ているスーツの色なので、攻撃性があるビーチの存在ではなく、部分的に中立になった表現かな、なんて考えています。
ハートマン曰く、「座礁体(BT)が能力者(DOOMS)の体液に対して、何らかの反応を示したという古い研究論文もあるらしい」ので、BT と能力者の組み合わせが通常と違う結果につながるのは確かなようです。BT がサムに対して特殊な反応を示すのは、これまでのゲームプレイでもすでに体感できていることですが、ほかの能力者、例えば今話しているハートマンも、ママーも、フラジャイルも、実際は確かめるリスクが高すぎてできないだけで、みんな大なり小なりそうなんでしょうね。
デス・ストランディングのナゾを解明するメリットをとくとくと語るハートマンですが、その言葉に黙って耳を傾けているサムは、どこか浮かない表情をしています。
サム自身が把握できない部分を覗き見されるようで、決していい気分はしなかった。自分の内部、奥深いところに眠っている何か。それが無数の血管や毛穴を通って、表に溢れでてくる。それはサムの身体を覆いつくして、サムをからめとり、がんじがらめにする。毒蜘蛛が自らの網に囚われて、自らの毒に殺される。
小説『デス・ストランディング(上)』
小説には「決していい気分はしなかった」と書かれているので、当然ながら、研究対象として扱われることに抵抗を感じていることがわかりますし、自分の奥深いところに眠っているかもしれない毒蜘蛛の毒のようなものが暴かれることに恐怖も覚えています。
サムがなぜ毒蜘蛛の毒を持っていて、なぜそれがいつかあふれかえって自分さえ飲み込んでしまうように感じているのかは、以前に少しだけブリッジ・ベイビーの自家中毒にからめて、元ブリッジ・ベイビーの気質によるものかと推測していましたが、対アメリの生者を代表する者としては、ブリジット・ストランド前大統領の跡を継いでいる形になるので、単純に女郎蜘蛛の跡を継いだ息子という意味合いもあるのかもしれません。
彼女は病床で体からタールのような黒い液体を流していました。あれが毒蜘蛛の毒、つまりあの世を満たす海の水が毒なのかもしれません。脇腹をチューブでつながれていたのは、サムがすでに気配を察知しているとおり、文字どおりこの毒が体からあふれ出てきていたからと解釈してもいいかもしれません。
ハートマンはサムに「アメリカの再建など興味はない」と語っています。彼の目的は、のちに語られるとおり、先立った家族をビーチで見つけて一緒に死ぬことであり、愛すべき家族のいない北米大陸にはもう未練などありません。ハートマンがブリッジズに協力する理由は、目的が一致しているからではなく、こうした個人の本懐を、組織を利用して遂げられる利己的な理由があるからで、前の記事にも書きましたが、こういった事情はサムとよく似ています。
ハートマンの人間らしい部分が垣間見えたところで、カウントダウンが聞こえてきます。その後、サムが呼びかけても、ハートマンから返事はありません。これはのちにハートマンと会ったときにきちんと説明がありますが、彼が21分に一度、失った家族を探しにビーチに行くために心停止する習慣を持っているからです。
ハートマンから返事がなくなると、今度はダイハードマンがメールの受信を知らせてくれます。ここから、各地の担当者からメールが届くようになり、この世界のことを詳しく教えてくれたり、新しいアイテムを手に入れるヒントをくれたりします。
ブリッジズの配送担当スタッフは、ほとんどが男性、それもオジサンと言っていい年代の男性がほとんどなんですけど、みんな絵文字を散りばめたかわいい文面のメールを送ってくれます。私もオジサン世代なので、みんな頑張ってかわいいメールにしてくれたんだなと、気配りに感動していたんですが、インターネットによると、こういう絵文字の使いかたって、若い子から見るといかにも「うわぁ、オッサンのメール!」と思う典型らしいです。
若い子って、絵文字があって当たり前の世代なので、すでにそれが文字の一部と化していて、例えば雨が降っているときは「☔」そのままだけでも伝わるみたいな、文章のなかに絵文字をガンガン織り交ぜて、それだけで意味を伝えようとするけど、オジサン世代は絵文字を装飾と捉えているので「雨が降ってるよ ☔」みたいな、基本は文末や文の切れ目に飾るように付けるんですね。どちらかと言えば、読まれたときの語気を配慮して調整に使うみたいな目的があって、若い子からしてみれば、「文字でも絵文字でも同じ意味が二重になってるからムダじゃね?」の極みらしく、そこらへんの感覚に差が出るらしいです。たぶん LINE のスタンプの影響とかもあるのかな? 聞いた話なので本当かよって感じですけど、コジマプロダクションが真のオジサン臭さをこの絵文字で体現していたと考えると脱帽だなと思ったんでした。
ここ、K2西配送センターのベンジャミン・ハンコックさんは、同じ建物にいるのに、休憩時間に配慮してか、メールで想いを伝えてきます。どっかのジョン・マクレーンにも爪の垢を煎じて飲ませたいですね。彼のメールは、建物の前に放置されているトライク・バイクの充電に関する内容になっていて、カイラル・プリンターで充電装置が使えるようになれば、乗り物も使えることが示唆されています。
また、ダイハードマンは、カイラルネットワークが拡大するごとに過去の文書が閲覧できるようになる点にも再度触れ、第一次遠征隊が出発してからの文書は、ブリッジズの本拠点であったセントラル・ノットシティの消滅によって失われていましたが、それもネットワークが充実するにつれて取り戻せるようになると語ります。
この K2西配送センターまでカイラルネットワークをつないだことで、新しいメールが3通読めるようになっていて、1通は以前に取りあげたデッドマンのもので、残りの2通はダイハードマンがミュールについて語ったものと、ハートマンが時雨について語ったものです。いずれも第一次遠征隊が出発したあとのものなので、これもセントラル・ノットシティとともに消えた文書だったようですね。
ダイハードマンはミュール台頭の前触れとなった配達依存症について、「ワーカホリックの一種」と言っています。これもミュールが利益の追求を第一に優先する企業の社畜を表しているんじゃないかと私が考察した理由になっています。
もう1通は、ハートマンが時雨について語ったメールで、時間が流れて未来のことを考えるからこそ進化があると説き、時雨によってこれまでの時間感覚が狂うことで、また新たな進化が促されるという推論で締めくくられています。
「進化」はこの物語のキーワードのひとつだと考えています。サムがオープニングで読み上げた爆発ポエムの「この生命は、爆発で生まれた」も、カンブリア爆発を示唆している可能性があり、宇宙のなかで地球が誕生し、生命が生まれたという壮大な環境の描写から、大きな変化にさらされた北米大陸の人間が、この滅びの時代にどうやって生き延び、進化していくのかという点にフォーカスを当てることで、物語の世界観に奥行きが出るようになっているんだと思います。
この進化は時間の概念がないビーチより、絶えず流れる北米大陸のほうが結びつけやすくなっています。無時間のビーチでは個が滅びないため、自身のコピーを残す必要がなく、必然的に進化の頭打ち状態になっています。対して、時間の流れがあり、個が滅ぶ北米大陸には、サムの母になろうとしたブリジット・ストランド前大統領だったり、ママーだったりがいて、次世代の子を育てることが物語のメインストリームに取り入れられているところがあります。前回のアメリも「都市では少しずつ人の数が減ってきている。子供も産まれなくなってきている」と新しい命を育むことにわざわざ言及しています。この物語自体が、逆境に立ち向かって生き延びること、そして新たな命を育んで、進化し続けていくことの賛歌なんだろうなと感じます。それはアメリ率いるビーチの存在には難しいことです。
寝起きドッキリでたたき起こされてから、いろんな人が代わる代わる自分の言いたいことをしゃべりかけてきて、ようやく用事が終わったかと思ったら、今度は「非常事態の報告」なる通信が入ってきました。こちらの事情などお構いなしに、さっさと上階の通信端末のところまで来いよと言われてしまいました。人使いが荒いなぁ~!
しかしサムはドアを指さしてやる気満々です。次回は糞尿グレネードを蓄えたり、BB に挨拶したり、準備を一通り終えてから、また配送端末から新しい配達任務をこなしていきたいと思います。
追記
この記事を書いてからしばらくして、Steam 版の DEATH STRANDING Director’s Cut でひたすら指名なし依頼を片付けていたときに、存在は知っていたものの、面倒くさくて試していなかった血尿グレネードを作れる機会がありました。
サムの疲労が一定以上になると、尿の中に血が混ざり始めます。サムの体力は通常、青いゲージで表されますが、勾配がきつい坂道や水の中など、体力を使う場所を移動し続けるとどんどん青いバーが短くなって、最後は点滅する黄色いゲージがわずかに表示されるだけになります。たぶん気力だけで動いている表現なんだと思います。
その状態でさらに活動を続けると、ケージの反対側から白い斜線のエリアがどんどん広がっていきます。この斜線のエリアは、エナジードリンクを飲むなどの簡易的な体力の回復方法ではそれ以上回復できなくなる上限を示していて、プライベート・ルームでしっかり休むなど、きちんと休息をとらない限りリセットできません。体力ケージは全体に4目盛りで区切られているんですが、これの3目盛りを超えるところまで白い斜線がくると、これでもかと疲労をためこんだサムの尿に血が混じるようです。この状態でプライベート・ルームのトイレを使うと、血尿から作られた Ex グレネード No. 1+ が出てきます。
血尿が出ているときのトイレは、きちんと目隠しスクリーンが赤い血のデザインになります。左の雫のマークを見る限り、もしかしたら含まれる血の分量によっても精製されるグレネードの品質が変わるのかもしれません。面倒なので今回はそこまで検証してませんけどね。
出てくるのがこの血尿グレネードです。正式には Ex グレネード No. 1+ と命名されているそうです。当然ですが、このグレネードが一番血に近い赤色をしていますね。
サム。採取を続けている君の尿なんだが、時々、血液が混じっていることがある。原因は疲れか、怪我による出血か、それは私にはわからない。だが、そのおかげで、座礁体(BT)に対しては、通常の尿に比べて、より高い効果が期待できるはずだ。これを Ex グレネード No. 1+ と名付けた。BT に向かって、投げてみてくれ。だが、尿に血が混じっているなんて、君の身体が心配だ。ちゃんと医者に診てもらえよ。
ハートマン
サムの体をいちおう心配してくれるハートマン。研究対象の健康を気に掛けられるあたり、まだ人の心が残されているみたいですね。
BT に投げてみろということなので、さっそく座礁地帯で実験してみました。サムの血入りということなので、ハートマンの説明からも、Ex グレネードの中では一番 BT に対して効果を発揮することが容易に想像できます。
試してみたところ、BT に当たったときに赤いもやのようなエフェクトが出て、黒いひものようなものも表示されているようでした。表示は No. 2と同じく短めです。
ゲイザーの反応は No. 0と No. 1にちょっと似ていました。ただ、その場からもがきながら離れた先で、しばらくすると引っ張られるように元の場所に戻る挙動を見せました。この動きは No. 1+ でしか見られない特殊なものです。つまり邪魔なゲイザーに向かって投げれば、サムが通り過ぎた頃に引き戻されるので、移動した先で同じゲイザーと鉢合わせになる可能性が低くなる……みたいな流れが想定されているのかな? ただ、使いこなして逃げる方向とか、いろいろ計算できるようにならないと活用は難しそうではあります。
ハンターの反応も特殊でした。足下からうじゃうじゃ出てくるハンターに投げると姿がパッと見えなくなるのはほかの Ex グレネードと一緒なんですが、No. 1+ の場合は、その後すぐタールの沼がしぼんで消えてしまい、ゲイザーに見つかっている状態がキャンセルされました。残されたのはゆっくり昇天していく魚の死骸のみです。時雨は降り続いているので、座礁地帯を晴らす効果まではないようですね。
キャッチャー対決では、おそらく血液グレネードの劣化版みたいな位置づけになるんだと思います。赤いモヤが残っていますが、被弾場所に変色は見られず、怯ませる効果もありませんでした。血が含まれているので、少ないながらダメージ・ソースにはなるはずですが、キャッチャーを倒すには血液グレネードでも数発当てないといけないので、血尿グレネードで倒しきるのは根気がいるはずです。今回はそこまで試しませんでした。
あくまで Ex グレネードの中では一番高い効果が期待できるというだけで、血液グレネードなどの本格的な装備を超えるまでの機能はなさそうです。作れるなら作っておくほうがいいですが、通常そこまでサムの体力を削る機会もないので、わざわざ作る手間を考えると、そんなに貴重でもないかなという印象です。