夏真っ盛りなので、ホラーゲームがしたいとありきたりに思い、みんなで一緒に遊べる Phasmophobia を買いました。前にも似たようなことを書きましたが、この時期はコロナ禍で外出できない子供が時間を持て余しているので、今年の夏休みも条件付きでいつもより長くゲームで遊べるようにしています。言うて、春先の休校や慣れないリモート授業の影響で、本来なら長期休暇に入っているはずのつい最近まで、なんだかんだ振替授業や補習で遅れを取り戻していたので、自堕落に過ごせる定番の夏休みムードになったのは今月に入ってからなんですけどね。

家族で遊べるゲームを選んだのは、今現在、我が家のメンバーが離れて暮らしているからです。しばらく引っ越しでこのブログをお休みしていたんですが、この引っ越し、新型コロナウイルスの感染リスクが高い仕事に就いている大人を、それ以外の家族から隔離するための転居でもあったので、現在の新居には子供がついてきていません。せっかくなら友達だけでなく、離れて暮らす家族ともダラダラしゃべって遊べるゲームにしてよと選ばせた候補の一つが、この Phasmophobia でした。途中からしゃべるというより、絶叫でしたけどね。

Phasmophobia は絶賛開発中のインディーゲームで、この記事を書いている現段階では早期アクセスでプレイできるタイトルです。そのぶんお値段も1,500円ぐらいとリーズナブルです。何本買ったら FINAL FANTASY VII REMAKE 完全版相当になるんだよと思いつつ、ひとまず二人分のアカウントを買いました。

簡単に言えば、悪霊に取り憑かれた建物に入って、現場を調査するゲームです。去年の秋、ちょうどハロウィーン前ぐらいにリリースされて、すぐに海外ゲーム実況者のあいだで人気に火がついていました。日本でも有名な人たちが一時期こぞって配信していたので、知っている人もいると思います。そろそろ人気も落ち着いてきて、流行りに乗っかっていただけの人は去っていったはずなので、うちで取り扱っても問題なさそうかなと思いました。今でも熱心にやっているのは本当のホラー好きが多そうですね。恐怖と快感の脳内スイッチが近い人には中毒的なゲームだと思います。

日本のホラーゲームだと、『零』シリーズもそうなんですけど、たんに驚かせてくるだけじゃなくて、ゲームをクリアするためには、あえて怖い怪奇現象が起こっている場所に行って、その元凶と向き合わなくてはならないっていう恐怖心を煽るゲームシステムになっています。さらにこのゲームは、うちにはプレイ環境がないので確かめられないんですが、VR にも対応しています。VR と言えば、おなじみのゴーグルみたいな視覚デバイスなんですが、触覚ベストにも対応しているので、ゲーム中のゴーストやオブジェクトとの接触も実際に肌で感じられるんだとか。触覚ベストはシューティングゲームで撃たれたときの衝撃を再現すると売り込まれているのを見たことがあるんですが、たしかに、こういうホラーゲームで作業に勤しんでいると、体をそっと撫でられたり、背中トントンされて振り返ってもだれもいなかったりとかされたら、恐怖があふれ出してしまうので、VR デバイスの活用方法がうまいですね。こういう点でも、とても新鮮で画期的なホラーゲームだと思います。そりゃ大きな賞もいろいろかっさらっていきますわ。

実際に家族とプレイしてみると、最初はなにをしたらいいのか、なにが起こっているのか、手元にあるアイテムでなにができるのか、いまいちハッキリわからず、すべてが手探りの状態から始まりました。それでもわからないなりに、ワチャワチャ話し合いながら作業する感覚が楽しく、まさに配信に適したゲームだったことがわかってきました。

開発したのはイギリスの Kinetic Games という会社だそうです。うちでも Twitch で配信するにあたって、ゲーム実況関連の権利を調べてみたら、ちゃんと公式サイトに案内が載っていて、さすが売れる海外のゲーム製作会社は、インディーでもインターネット配信されることをきちんと念頭に置いてゲーム設計しているんだなと感心しました。

ということで、上が Twitch で私が配信した Phasmophobia のゲームプレイです。新居に来てから初めての配信で心配していたんですが、とくに問題なく無事に終えることができました。

家族でワイワイ遊んでいたときは、あまり作業効率など意識しなかったんですが、一人でやるとなるとちょっと勝手が違います。さすがにグダグダ進捗がないまま配信を終えると自分でもいら立ってしまいそうだったので、これまでにインターネットに出回っている調査のコツみたいなものを調べて、練習してから配信することにしました。調べてみると、あらためて初見プレイでいかに自分たちがトンチンカンなプレイをしていたかわかります。自分では怖すぎて検証なんてできないから、インターネットでこのゲームのことを調べれば調べるほど、いろいろ体を張ってゲームの仕様を調べてくれている方々に感謝したくなります。ありがとう、ゴーストの生け贄たち。

このゲーム、好きなんですが、ビビりなのでこのゲームをプレイすると疲れてしまいます。配信も簡単なミッションを2時間ほどやったところで切り上げました。とりあえず今回は単発でやったんですが、今後も続けるかは悩んでいるので微妙です。いいゲームなんですけどね。やるとその後しばらく気配に敏感になったり、夜中にトイレ行けなくなったりするんですよね。EMF リーダーのビープ音とか、意外と身近な家電が出すノイズにも近くて怖くなったりします。

ゲーム内容の簡単な説明

配信の最初に簡単に説明したんですが、わかりにくいかもしれないのでここにもゲームのことを書き出しておきます。

目的

なんやかやマルチプレイで遊ぶなら、ワイワイ心霊スポットに冷やかしに行く体でなにもしなくても楽しめるんですが、このゲームの目的は、あくまでもゴーストの調査。命がけのわりにはしけた報酬ですが、自分の調査内容に対してお金が支払われるれっきとしたお仕事です。怪しい怪奇現象が起きている事故物件へ出向き、屋内で起こるさまざまな心霊現象の傾向や、その原因となっているゴーストの性質を手持ちの専用ツールで調べ上げて、写真などの記録もとり、報告書にまとめられるようにして生還するのが大きな目標になっています。一時的に霊障を抑える道具はあっても、除霊まではできません。調査して帰ってくるまでがお仕事です。

報酬

調査を完了させて得た報酬は、より強力で使い勝手のいい道具を購入する資金にできます。基本ツールは毎回支給されますが、それだけでは調査に手間がかかったり、ゴーストが暴れ出したときに身を守る手段がなかったりします。使い終わったツールは現場に放り投げて帰っても紛失しませんが、ゴーストに殺されると基本の支給品以外、言い換えれば自腹で持ち込んだツールはすべて没収されます。

調査対象のゴースト

調査対象のゴーストは、スピリットやレイス、ポルターガイストなど、それぞれ古今東西の伝承や怪談に由来する名前付きの14種類にわけられています。種類ごとに現場に残す証拠が違い、人間に襲いかかる頻度や、活発化する要因なども異なります。同じ種類のゴーストでも、個性によって攻撃的かどうかなどのバラツキがあります。見た目や性別、年齢はゴーストの種類によらず、完全にランダムです。どの案件でもゴーストの種類を割り出す目標が第一に設定されていて、証拠を3種類そろえるとゴーストの種類が特定できるようになります。そのほか、ゴーストの写真を撮る、塩を踏ませるなどの特定の行動がランダムに目標として設定されるようになっています。これらを達成するごとに、ミッション終了時の報酬が増えていきます。

事故物件マップ

ゲームの舞台となる事故物件は今のところ大小9種類で、集合住宅などの新しいマップが今後追加される予定です。マップはロビーからミッションの項目を選択すると、そのとき受注可能な案件としてランダムに複数表示されます。自分の好きな場所を選べますが、9種類すべてがつねに候補に表示されているわけではありません。名前が同じマップなら、基本的な構造は何回チャレンジしても同じですが、ブレーカーの位置など、内部の設置物にはランダムで位置が変わるものもあります。

操作キャラクターは自分の正気度や物件の見取り図など、調査に必要な情報が所狭しとモニターに映し出されている自分の事業用トラックから出発し、事故物件に乗り込みます。物件から一歩出るとゴーストは襲ってこなくなるので、安全地帯のトラックから出られないプレイヤーが続出したそうです。私もムダにトラックに戻って自分の SAN 値を回復させています。調査が完了したときや、続行不可能になって切り上げるときも、トラックまで戻って扉を閉めることでミッションを終了させます。

道具

持ち込めるアイテムには大きく分けて、ゴーストの種類を割り出すためのツールと、身を守るための道具があります。ゴーストの種類は、氷点を下回る異常な室温や指紋など、特定の証拠を3種類見つけるとわかるシステムになっています。なので、温度計や UV ライト、EMF(電磁場)リーダーなどを使って現場から証拠をかき集めます。身を守るための道具には、言わずとしれた十字架や、スマッジスティックと呼ばれるアメリカ先住民のハーブのお香などがあり、これらを効果的に使うとゴーストの攻撃を防ぐことができます。

操作キャラクターが一度に持ち運べるアイテムはわずか3個なので、一人でプレイすると要領のよさが試されます。このゲームをやるとその人の地頭のよさもわかると思います。ただでさえ怖い極限状態なので、怪奇現象が起こったあとに「なにしようとしてたっけ?」と我に返ることもめずらしくありません。手を空けるために手持ちのアイテムを適当に放り投げることがよくあるんですが、なにをどこに投げてきたのか忘れてめちゃくちゃ部屋のなかをウロチョロして目当ての道具を探し回ることも少なくありません。何回もプレイしていると、「さっきなんの証拠見つけたんだっけ?」となることもしばしばです。私は上の配信で、持ち込んでもいない温度計を必死で探していましたね。すでにアイテムを3個持っているのに、目の前にある道具が拾えなくてモタモタする場面もありました。このゲームあるあるの現象です。

調査ツールは屋内のどこで使ってもいいものではなく、事故物件ごとに、怨霊が取り憑いている場所というものが存在し、多くのアイテムがそこでしか効果を発揮しません。たいていは調査対象が死んだ、あるいは殺された場所という設定になるんでしょうね。部屋に限らず、廊下の場合もあり、ミッションごとにマップの一区画がランダムに選出されます。調査対象のゴーストは通常、そこを中心に一定範囲を目に見えない形でウロウロしています。その活動範囲内で各調査ツールを使わないと、証拠として使える調査結果がまず出ません。なので現場に乗り込んで最初にすることは、ゴーストの居場所を突き止めることです。10度を下回る低い室温や、プレイヤーキャラクター以外の歩きまわる足音が大きな目印になります。

正気度とハント

プレイヤーキャラクターは暗闇のなかを歩きまわると、どんどんと正気を失っていきます。また、ゴーストの姿や声を見聞きするなど、明らかな霊障に遭遇すると大きく正気度を落としてしまいます。ゴーストの種類によって違いますが、だいたいどの悪霊もこちらの正気度が半分ぐらいになると、実体化して自分が根城にしている部屋から飛び出し、侵入者を狩るために建物のなかをウロウロ探し回ります。このゴーストが実体化して攻撃に出ている状態のことをハントと呼びます。ハント中のゴーストに捕まるとプレイヤーキャラクターは即死します。ハント中はプレイヤーキャラクターが持っている懐中電灯や部屋の照明が継続してチカチカ明滅し、玄関から出られないようにドアにカギがかかります。生き延びるには急いでクローゼットなどに身を潜め、ハントが終わるまで静かに待つしかありません。ハント状態は時間経過か味方のだれかが殺されることで解除されます。ハントの長さは選択した難易度によって25~50秒と高難易度ほど長くなります。ハント中のゴーストと同じ階にいる場合、こちらの音声に反応して近づいてきます。よって、ハント中の悲鳴は厳禁です。

いったんハントが始まると、プレイヤーは隠れるか、逃げ惑うことしかできません。ゴーストは種類によって足の速さも変わるんですが、今のバージョンでは追いかけっこになるとどの種類でもいずれ追いつかれる仕様になっているので、とにかく忌避アイテムも駆使して向こうに視認されないように行動しなければいけなくなります。しかもこちらの正気度が低くなればなるほど、ハントの間隔が数十秒間隔に狭まっていくので、調査したくてもできない状況に陥ります。攻撃的な相手であれば、10秒間隔でハントを起こされ続けることもあります。したがって、まだハントが起こらない正気度が残っているうちに、ゴースト部屋を特定して必要な調査を終える手際のよさが求められます。

突き詰めれば、つねに度胸と効率が試される作業ゲーにも見えてきます。過酷なぶん、終わったときの達成感が大きいのかな。今もプレイを続けている人は、こういうところが好きなのかもしれませんね。私は最高難易度のプロなんて一生できない気がします。

追記 追記

このプレイ日記を書いてからも Twitch で何回か配信したので、YouTube に移した配信動画の再生リストをここに残しておきます。

指さし ハロウィーン・アップデートに続く