しばらくぶりの Fallout 76 Steel Reign の続きをやっていきます。前回は地元農家のアート・ナップさんから姪っ子のキャシー・ハロウェイさんが行方不明になったというタレコミを受けて、アパラチア各地で相次いでいる失踪事件を調査するため、パラディン・ラフマーニと一緒にブルーリッジ・キャラバン隊の移送ルートを調べていました。キャラバン隊は無実だったものの、その移送に同行していた入植者たちが、道中で怪しい武装集団にさらわれていたことがわかりました。また、B. O. S. がアパラチアにやって来た当初、研究のための道具や設備を貸してくれと交渉に来ていた科学者の Dr. ブラックバーンがその誘拐事件に一枚噛んでいた疑惑も浮上しました。

誘拐事件が進展した一方で、スクライブ・バルデスからも報告があり、以前に B. O. S. の ATLAS 砦を襲撃したスーパーミュータントたちアジトから持ち帰ったどこぞの Vault の Pip-Boy が、Vault 96のものであったことがわかります。

Vault 96

Vault 96 は、ATLAS 砦と同じ荒れた境域のずっと南に位置しています。今回はこちらの Vault を調べていきます。

Fallout 76 の PC 版をプレイするときは、これまでずっと開発会社の Bethesda が自社作品を遊ぶために公式に提供していた Bethesda Launcher を利用して遊んでいました。しかしこのサービスは残念ながら今年の春で提供終了となってしまったようです。代わりに、Steam 版への移行が公式に推奨されるようになりました。公式なサポートがおこなわれているだけあって、ボタン一つですぐ移行が完了しましたし、追加で買いそろえないといけないものも当然ありませんでした。むしろ買った覚えがない無印の FalloutFallout 2 など、諸々の Bethesda 作品も購入した作品として Steam のライブラリに追加されていたので困惑したぐらいです。セーブデータもキーバインドの設定も、そっくりそのままキレイに移行できていることが確認できました。

ただ、以前から他作品のプレイ日記で何回もボヤいているんですが、どうも最近、うちの PC と Steam の相性が悪いみたいなんですよね。Fallout 76 も、移行後のテストでちょっと遊んだだけで、ゲーム画面がしっかり表示されるまでにモニターが何度も明滅を繰り返したり、間違って[半角 / 全角]キーを押すと一生チカチカし続けて画面が見えなくなったりと、怪しい挙動がちらほら確認できました。たぶん、うちのグラフィックボードと相性が悪いんでしょうね。今回の配信は、そんな不安定な状態で強行しています。結論から言うと、配信中に二度ほど強制終了エラーになりました。そして、配信終了後に物資を回収しようとふたたび潜入したところ、かならずアトリウムを越えたあたりで落ちてしまいます。まあ、無事にクエスト完了したからオール OK!

A Satisfied Conscience

そう言えば、配信時は忘れていましたが、前回は固く閉じられた Vault の扉をどうやって開けるかという議論をバルデスさんとしていたんでした。来てみるとあっさり開いていましたね。

こじ開けられた Vault の扉

開け方が力業なので、Vault-Tec 関係者や専門知識を持っているタイプの人間の仕業ではなさそうです。クレーターのルーさんも爆破してたし、レイダーみたいなならず者集団に先に侵入されていそうな気配がしますね。てか、こんな寄せ集めの工具で開くような扉なのか……? ルーさんめちゃくちゃ爆薬使ってたよ……?

ヘルキャットの傭兵の死体

入ってすぐ正面にターミナルが並んでいます。その手前に死体がいくつか転がっています。前に ATLAS 砦から失踪したと見せかけて実は家出していたマルシアだったかマーシャだったかそんな名前の女の子を追いかけて、いろいろあって一緒に潜入することになった AMS 本社で遭遇したことがある傭兵たちです。

B のメモ

言われてみれば、AMS 本社でヘルキャットの傭兵を指揮していたキット軍曹が、ブルーリッジ・キャラバンから人をさらって奴隷にしているようなことが書かれたメモを持っていました。アパラチアで発生している大量失踪事件とここ、Vault 96 は関連しているようです。つまり、新種のスーパーミュータント発生にも関わっているという話みたいです。

Vault 96の概要

ターミナル内に残された情報を確認していきます。Vault 96 が何を目的に建設された場所なのかが説明されています。どうやら大戦に備えて用意された Vault-Tec 製ノアの箱舟みたいです。この中にたくさんの生物が仮死状態で保存されています。

ほかにも以下の特徴が補足で説明されています。

  • スタッフは科学専門家5名。
  • 目的は核投下後の変異の調査と、対策を開発するための遺伝子実験。
  • 実験動物はロボットが地表から採取してくる。
  • 監督官によってノルマが割り当てられ、こなせない場合は停止処分になる。
  • ここの研究成果は外部機関へ転送される。
  • 居住者は外に出られない。
  • 外部の者を招き入れてはならない。
  • 命令に背いたら停止処分。

日本語訳の「停止処分」は抹殺のことじゃないかと配信で言っていたんですが、原語を確認したらやはり“termination”だったので、命をもって償わされるという解釈で間違いないようです。ここの居住者はとにかくノルマをこなすために遺伝子実験に明け暮れて、核爆弾の放射能で変異しまくる地表の生態系を安定させる方法を日夜模索していたということですね。それも命をかけて。

ちなみにこの補足情報が記載されているページのトップに「Vault 96の閉鎖に伴う自動解放について」と書かれていて、ここって一度閉鎖されてたっけ、なんて考えてたんですが、そう言えば Vault 96はもともとレイド・エリアとして開発されていて、その案がボツになってからこの Steel Reign のクエストに組み込まれたんでした。それが、一度閉鎖されて今の箱船 Vault として生まれ変わったっていう歴史として作品内でも採用されているのかなと思ったんですが、念のため、原文を読むと“FOR AUTOMATED RELEASE upon sealing of Vault 96”になっているので、おそらく Vault の扉が閉められて、本格的にシェルターとしての運用が始まったときに初めて、外に出られないとか、ノルマがあるとか、こういった情報を居住者が知ることになったってことなんじゃないかなと思うんですけどね。「聞いてないよ~!」ってやつじゃないかな。

Vault-Tec 緊急管理システム

この Vault には「Vault-Tec 緊急管理システム(EMS)」なるものが導入されているそうです。差し迫った緊急事態において、このシステムが機械的に、そして自動的に状況の分析から、対処法の策定、そして実行までを一括してやってくれるらしいです。これは SODUS と同じ、よくない臭いがぷんぷんします。

ここのターミナルにはほかにも、たぶん Vault-Tec 大学だと思うんですけど、この Vault のシステムについて考えられた学生の案を E・デマルコスという教授が評価したデータが残されています。

XC-243

一つ目は「[XC-243]格納、実験用」とタイトルがつけられたプロジェクトです。ちなみに、一つ前のメニュー画面の選択肢は「XC-243:コンテナ、実験」という名称になっていて、相変わらず統一性もクソもない訳出になっています。ざっくり読んだ感じ、先述の緊急管理システムと自動研究システムを組み合わせて、この Vault の使命である遺伝子研究のあれこれを機械に判断させるものみたいです。ここ、全部機械に牛耳られてますね。

E・デマルコス教授は全体的にいい評価をしつつも、「本プロトコルはまったく使えない」と結論づけて B 評価にしています。「ここに想定されている生きた被験体よる実験は、連邦法と Vault-Tec の高水準の倫理基準に反するものである」と述べて、この案を突っぱねているんですが、そんな倫理基準この世に存在していたのか。あの天下の Vault-Tec だぞ!

AV-992

もう一つは「[AV-992]ウイルス、メインフレーム」というタイトルが付けられています。生態系の研究云々の話だったので、生物学的な話かと思ったら、ここのシステムに絡んだコンピューター・ウイルスの話だったらしいです。これも全部自動でウイルスの侵入に対処してくれるみたいなことが書かれていますね。

特に悪く見えませんが、これを E・デマルコス教授は F と評価しています。落第点みたいですね。倫理に反する内容は B で、基本的に必要そうなセキュリティ・プログラムは F なの? 評価の根拠は「非常に難解で、意図的にわかりにくくしたかのように思える」点らしいです。

原文と日本語訳を照らし合わせると、本当に「Vault メインフレームを感染させる恐れのあるウイルス性の遺伝子アルゴリズム、既存の検疫システムの、そして最も技術力が高いプログラマー以外の手に余るほど多い緊急管理システムプロトコルの層の数は看過できない(A viral genetic algorithm capable of infecting a Vault Mainframe, evading existing quarantine system, and dynamically circumventing multiple tiers of EMS Protocols is beyond the ability of all but the most highly-skilled programmers)」の訳の意味合いがあっているのか個人的にはナゾです。そもそも日本語としてもあやしいですよね。原文に目を通した感じだと、詰まるところ、この Vault のシステムをハッキングできるのは、この世でも指折りのかなり技術力があるプログラマーしかいないので、学生の分際でその攻撃を防げるセキュリティ・プログラムを構築できると考える時点で愚かしいというような評価だったみたいです。

教授が評価した学生のプロジェクトなんて、ほかにもまだまだありそうなもんなのに、この二つだけなぜここで読めるようになっているのかは不明です。しかもよく見るとシステムが「エラーコード」として吐いているんですよね。Vault-Tec のことだから、教授が突っぱねた学生の案を、こっそりここのシステムに組み込んだりしたのかしら?

アパラチアへの帰還

配信では見逃していたんですが、ここのターミナルの右に『アパラチアへの帰還』というホロテープが置かれています。中身は Dr. ブラックバーンの独白です。彼はもともとウエストテックの研究者で、人類の明るい未来のために研究にいそしんでいましたが、ある日理由の説明もなく企業の方針転換で研究プロジェクトを取りあげられてしまいます。彼はその後も研究仲間に引き留められて、しばらくウエストテックで別のプロジェクトに参加していたようです。自身の研究について後悔の念があるらしい Dr. ブラックバーンは、大戦で避難していた先からこのアパラチアに帰ってきた気持ちを感慨深そうに語っています。

ウッズ

ターミナルのさらに奥へ進むと、大きな扉の前にまだ息があるヘルキャットの兵士が座り込んでいました。名前を聞くと「ヘルキャット・カンパニーのウッズ兵長」と教えてくれます。原文の肩書きは“Corporal”なので、軍なら「伍長」相当のポジションですね。一番下の士官、あるいは兵をたばねる立場みたいなイメージで訳したのかもしれません。キット軍曹よりは下の階級です。

開口一番聞かれる「パーティーに遅れそうなのか?」は、正確に言うと「パーティーに乗り遅れたんじゃないか?(Little late to the party, aren’t you?)」だと思います。ここですでにドンパチあって、それに間に合わなかったなって意味でしょうね。彼女が言うにはブラッドイーグルとやり合って、虫の息の彼女をのぞいてここで全滅させられたらしいです。すでにブラッドイーグルは Vault の奥に入り込んでいます。そんな一方的になるほど力の差ありましたっけ?

「気味の悪いドクターに雇われて、よりによってこの場所を……守らされた。この仕事が済んだら、回収の権利を与えるという約束で」と言うんですけど、配信でも「撤収かな?」とツッコんでいたとおり、「回収」の意味が不明です。原文では“We got hired by this creep of a doctor to guard the place … among other things. Promised us salvage rights here when he was done”なので、海事法の「(船から海に落ちた)貨物を回収する権利」みたいなイメージでしゃべっていて、つまりは Dr. ブラックバーンの用事が済んだら、報酬としてここの物資を好きに持っていってもいいという約束をしていたみたいです。でもこの解釈をしようと思うと、三点リーダーの入る位置が違う、というか訳抜けがあるのがちょっと問題になってきます。日本語は「この場所を……守らされた」になっていて、原文の“to guard the place … among other things”という、この場所だけでなく、一緒にここにある諸々の物も守らされたという意味合いが吹き飛んでしまっています。ゆくゆくは報酬として手に入るから、ここを丸々守る意義がヘルキャット側にもあったってことですよね。

Fallout 76 の翻訳がざっくりしているのはいつものことなんですが、今回は最初から、翻訳が終わったあとに原文に変更が加えられたんじゃないかと思わずにはいられないような変な訳が多くなっているような気がします。このクエストのアップデートって、そんなに開発のお尻に火がついていたんですかね?

しゃべるのもしんどそうなウッズさんに、B. O. S. のスクライブを呼んだのでもうちょっとの辛抱だというような声かけをしたんですが、「私はもう駄目だ」と悲観的な言葉を口にし始めます。せめてもの慰めにブラッドイーグルを始末してほしいという言葉を残してウッズさんはお亡くなりになりました。もっと詳しい事情を聞き出せる会話の選択肢があったんですが、選べませんでした。せっかく名有りの NPC が登場したのに、一瞬でご退場です。76のワイも、無理やりスティムパックを打ち込んでやればよかったのに。

あとでほかの人のプレイ動画を確認したら、どうも山岳地帯の辺境に位置するここの警備の仕事は緊張感に欠けていたらしく、攻撃を受けたときもたまたまスカベンジャーがちょっかいを出してきた程度にしか考えられなかったみたいです。ところが油断大敵。実際は人殺し大好きなレイダーの一団がグレネードを投げつけてここを急襲し、体勢を立て直すヒマさえ与えなかったというのが現実のようでした。お腹に弾を受けたウッズさんは、トドメを刺さずにゆっくり死んだ方がおもしろいという理由でここに一人放置されたそうな。ブラッドイーグルが好きそうなことですね。

ウッズさんはレイダーと違って傭兵団には最低限の守るべきルールがあると誇りを持っているようでした。Dr. ブラックバーンから誘拐を依頼されたときに契約を切るべきだったと語ります。また、彼女の部隊は警護担当だったようですが、別の部隊が誘拐してきた人たちは、みんなここに運ばれてきていたと教えてくれます。しかしブラッドイーグルが中に入っていった今、みんな無事とは言えない状況です。

こうやって書き出してみると、76のワイ、めちゃくちゃいろんな情報聞き逃してない? 我ながらビックリやで。励まさずに質問でまくし立てて情報引き出した方がいいなんて皮肉やな。

緊急封鎖中

奥に続くドアの前にターミナルがあるので操作してみますが、「緊急閉鎖」と表示されています。[ドアを開く]コマンドを選択しても、アクセスが拒否されてしまいます。行き詰まってしまいましたが、ふとクエストの進捗を確認すると「ターミナルからバルデスに信号を送る」と表示されています。

……え? バルデスさん、これから呼ぶの? スクライブを呼んだから持ちこたえろって死にかけのウッズさんにさっきまで語りかけていたんですけど、ウソついてたってこと……?

追い詰められた人にむげに希望を持たせるようなウソをついていた事案は深く考えないようにして、先ほどまで Vault 96の情報を閲覧していた大型ターミナルに戻って、さっきまではなかった[緊急トランスポンダーを起動]という新しいコマンドを選択します。毎度「トランスポンダー」が具体的に何かわからないので、この文字列、いつも何をどうしているのかよくわからないんですが、こちらの場所がわかるように ping を送信しているらしいです。これ前も書いた覚えあるけど、すぐ忘れるんですよね。しかし、山で遭難しているわけじゃなし、バルデスさんは Vault 96の場所ぐらい知ってると思うんですけどね。

スクライブ・バルデス登場

緊急トランスポンダーを起動したら、一瞬でバルデスさんが姿を現しました。どこでもドアを駆使するドラえもんのようです。実際は76のワイが心配になって、扉の後ろに張り付いて様子を見ていたに違いありません。

バルデスさんが顔を見るなりいきなり「メチャクチャ寒い!」と叫んでくれたおかげで、ここの周りにこびり付いている白い岩みたいな塊が氷であることに気付きました。ドンパチやり合ったあとだったので、てっきり消火用の泡とかかなって言ってたんですけど、そう言えばこの Vault は核汚染前の生物を冷凍保存する箱船なんでした。

ブラッドイーグルが一足先に侵入したらしいと事情を説明すると、「パラディン・ラフマーニの言ったとおり。誘拐、ブラックバーン、スーパーミュータント。すべてつながってた」とまとめてくれます。一見バラバラだった Steel Reign のクエスト内容が、実はすべてつながっていたことが強調される場面です。私は正直、ちょっと拍子抜けでした。

今までのシリーズ作品だとオープンワールドだったので、たまたま調べていた場所のクエストがよそとつながると意外な展開に見えて、面白く感じることはありました。でも今回は最初から流れが一本と決まったクエストです。つながってないとおかしいのに、あっちに行って、全然関係ないクエストやって、また違うところであれやって……みたいなことをやってるうちに、「すべてつながってた」は、そりゃそうでしょうねとしか思えません。意外性がないぶん、内容が散漫になっている印象が拭えないんですよね。ぶっちゃけ、もっと B. O. S. のクエストとしてまとめあげてほしかったなって、ファンとしては期待値が高くなってしまいます。

バルデスさんがターミナルを操作して、奥へ続く扉を開けてくれました。「自動の防衛機能がまだ生きてたら、全部稼働しちゃう。ブラッドイーグル以上の敵と対峙することになるから気をつけて」と警告してくれます。ここはブラッドイーグルの相手をしつつ、Vault の警備ロボットの相手もしなくちゃいけないようです。

ブラッドイーグルとの戦い後に話しかけてくる Dr. ブラックバーン

中に入って氷漬けのアトリウムでレイダーと戦っていたら、Dr. ブラックバーンが施設のスピーカーを使って話しかけてきました。76のワイのことをちゃんと覚えているそうです。さすが、頭がいいキャラクターは違うな。放っておいてほしいそうですが、それではクエストがいつまでたっても終わらないので無理です。

アトリウムの扉はほとんどが閉まっていて進めないんですが、メインフレームと書かれた部屋への通路は扉が開けっぱなしになっているとバルデスさんが教えてくれます。

ニナ・ヴァラヤのターミナル

これまた配信では見逃していたんですが、メインフレーム棟へ進む前に、一部居住エリアにも入れるようになっていたようです。部屋の持ち主はニナ・ヴァラヤさんといって、チーフ遺伝学者という肩書きや、書かれている内容からして、もともとここの Vault に住んでいた5名の科学者の一人で間違いないようです。察しよく、Vault-Tec は意図的に今回のこのウソだらけのプロジェクトを進めていたと認めざるをえないと初っ端に告白しています。

モリーという同じ Vault の居住者と仲がよかったようですが、彼女は繊細な女性らしく、Vault が避難場所ではなく、研究のノルマを課せられる監獄で、そこに閉じ込められたとわかるとショックを隠しきれなかったようです。「この熱で、彼女という鋼鉄が鍛えられるのか、このまま折られてしまうのか(Will the heat temper the steel, or break it?)」という表現は、B. O. S. の“steel”と今回の一連のクエストの Steel Reign にかかっている表現ですね。配信中のネタバレなしの状態でこれを読んでいたら、もしかしてモリーさんが重要人物なのか、モリーさんがここのどこかで生きているのかみたいなことを考えていたのかもしれません。それか、ここの五人の研究者って、シリーズ作品の誰かのパロディだったりするのかな?

ニナ・ヴァラヤのターミナル

Vault が正式に稼働し始めてから2年ほど経過した頃の日記も残っていました。ノルマがかなり厳しいことがわかりますが、ヴァラヤさんは優秀な人物らしく、「ノルマのおかげで生産性が上がったことは否めない」とポジティブな考えがまとめられています。「モリーから休めと促されることもやっとなくなった」との表現は、原文では“to take nights off”になっているので、たぶんこの時点で週休なしの勤務体制に突入しています。さすが Vault-Tec、真っ黒黒のブラック企業ですな。

「目標が明確なプロジェクト、明快な結果、そして明確な評価項目が与えられたのはこれが初めてだと思う」や「事務仕事や規制、組織の審査会、評議会のミーティングなどもない状態で取り組める」という一文は、今の日本で働いている社会人も共感できる内容かもしれません。逆に言えば、ひたすら与えられるタスクをこなすゲーム脳みたいな状態になっていた可能性もあります。

あー……

入り口入ってすぐのターミナルでもそうだったんですが、ここのコンピューターはなぜか一番下のコマンドや案内が表示されるスペースに「あー……」という人間味あふれる文章が表示されます。見ちゃったのね、そのファイル開いちゃったのね、みたいな。たぶん、「アクセス中……」という案内が最後まで表示されなくなった“A …”とかなんじゃないかな。

プロテクトロン

メインフレーム棟まで進むとプロテクトロンなどのロボットやタレットも出てきました。ただ、がっつり強力なロボットが出てくる印象はありません。たぶん、ヘルキャットとの戦いで消耗している表現なんでしょう。Vault 79の方がよっぽど警備が厳しかったんじゃないかな。

敵と戦っている最中に、Dr. ブラックバーンが「この Vault は、元々は生物学の実験施設だった。数名の天才科学者たちが嘘によって集められ、ここに閉じ込められた」と教えてくれます。そして「私がここを見つけたのも、天の配剤だろう。自分の目的については常に正直だったからな。その本質については黙っていたが」と続けるんですが、何を言いたいのかよくわかりません。なんか知らんけど、とりあえず彼は自分がやろうとしていることも、自分の薄暗い本音すらもすべてわかっているということが言いたいようです。頭がいい人が妙な角度でこじらせた感ありますね。そして自分のやりたいことを実行するにあたって、「天の配剤」とやんわり責任転嫁しているところにもマッド・サイエンティスト感あります。そこは自分で自分の背中押して責任持てよ。

VAULT 96

メインフレーム棟に手がかりがいくつか残っているらしいので、クエストのタスク表示に従って拾っていきます。まずはこの Vault を見つけたときのお気持ちが記された Dr. ブラックバーンのメモです。

気になるのは、「かつての居住者が何らかの揉め事を終わらせるために、ウイルスをメインフレームに導入してしまったようだ」という文章です。結局ここの Vault も内輪揉めで終わったのかと思わせる文章です。また、さっき76のワイが通ってきたメインフレーム棟の扉が開けっぱなしになっていたのは、そのウイルスでメインフレームがうまく扉を閉められなかったのが原因みたいです。じゃあ、76のワイがここまで潜入できたのも、居住者が残してくれたウイルスのおかげか。

それだけでなく、Vault-Tec が意図してメインフレームに組み込んだ害悪プログラムはウイルスでうまく排除されたらしく、今はノルマだとか、内部の人間に対する攻撃性だとかは残っていないみたいです。ただの箱物、シェルターとして機能しているだけみたいですね。そんな都合いいことある~?

あと、ウエストテックの研究者だったってことは、Dr. ブラックバーンの専門は生物学とかそこらへんだと思うんですよね。Vault のメインフレームを再起動させる技術があるって、コンピューター・サイエンスの知識もかなりのものだと思うんですけど、この世界の頭いい人たちは概してそういうもんなの?

量子調査ラボのターミナル

量子調査ラボのターミナルがあったので中のデータを見ていきます。「量子安定化フィールド」とかやたらと量子の文字が出てくるので、ここのコンピューターは量子コンピューターなのかな? そのわりには Dr. メムリングという専門家から、ここの設備は古すぎるという愚痴が出ていたようです。それを読んだ人物も、この Vault の建築者が「コンピューター・インフラの費用を出し惜しんだのではないかと思う」とぼやきを書き残しています。まあ、配信でも言ってましたけど、Vault-Tec は基本、中の住民のために設備を充実させようとは思ってないですからね。

あとでローディング画面を見て、画面下部のサバイバルガイドで言及されていることに気付いたんですけど、「急速な遺伝子実験のモデリング、シミュレーション、実施を行うため、Vault 96のメインフレームには最新の量子真空管が多数搭載されていた」そうです。量子真空管ってなんだ? よくわからんけど、居住者を管理するメインフレームは最先端なのかもしれません。頭がいい SODUS ってことでしょ? タチ悪ッ!

ターミナルには、ほかにも「すべてのサブシステム制御を監督官のオフィス内ターミナルに移すのに成功した」という書き込みがあったり、「セキュリティカードを1枚見逃したかもしれない」という日記が残されていたりします。どこにあるかわかりませんが、カードをうまく見つけられれば、ドアの開け閉めが自由にできるかもしれませんね。

また、このターミナルには『VAULT 96メインフレーム研究所記録』というホロテープが入ったままになっていて、再生すると、ここの居住者たちが結託して冷却塔を破壊し、メインフレームを出し抜いて、おそらく脱出しようとしたときの音声が確認できます。居住者がメインフレームに刃向かったことで、居住者には知らされていなかった優先プロトコルのオメガが起動されることとなり、居住者は一人残らず根絶されたようです。ここも SODUS みたいに機械に滅ぼされていた系 Vault でしたね。「よい一日を!」

FEV 研究ログ #22

ほかにも、Dr. ブラックバーンが残したらしい音声入りのホロテープ『FEV 研究ログ #22』が見つかります。スーパーミュータントを生み出すきっかけになった FEV の研究をここでも続けていたようです。使える被験体が4体だけになってしまったので、新しく調達せねばというふうに、誘拐事件を引き起こす動機が語られています。

FEV は“Forced Evolutionary Virus”の頭文字をとった「強制進化ウィルス」です。流行病の治療法だか、中国の生物兵器のウィルスに対抗する策だか、何らかの病原菌への耐性を上げるための研究で見つけられたみたいです。プロトタイプは生物に感染させると、筋力の増加などの変異を強制的に起こすことができたので、これまた生物兵器のスーパーソルジャーを生み出せるんじゃないかと、戦時中に政府や軍の幹部から熱い視線を集めていました。その研究があまりにも人の倫理から逸脱していたので、それを見た B. O. S. 創始者のロジャー・マクソンが憤慨して、研究所にいた科学者たちを処刑し、軍からの独立を宣言したという歴史があります。B. O. S. の面々が、スーパーミュータントをはじめとした変異生物や人間、はては76のワイの変異すら快く思っていないのも、こういった歴史があるからでした。

ジャネット・ヒギンズの端末

メインフレーム棟の隣には、ロボティクス研究所が設けられています。プロテクトロンの骨格などが積まれた作業台の端に、ロボット工学が専門らしい技術者、ジャネット・ヒギンズさんのターミナルが置かれていました。日記を読んでいくと、エリックという人をこき下ろしています。あと、「最高の科学者を五人選んで、閉じ込めて、死ぬまで働かせるなんて正気の沙汰じゃない」と至極真っ当なことが書かれています。別の日記に彼女が書いているとおり、本当に研究成果を挙げたいなら、五人だけの科学者にノルマを課して働かせるなんてことはしないはずなんですよね。

ヒギンズさんの日記によると、ここで仕事をこなしているのは、ほとんどがニナとモリーという居住者だけのようです。日記の登場人物を見る限り、ニナ、モリー、エリック、ジャネット、ハンスがここの五人の居住者の名前です。ニナ・ヴァラヤさんのターミナルは先ほど見つけていましたし、モリーさんの名前もそこに書かれていましたね。残りの人たちは研究員というか、サポート要員のようです。プロテクトロンを直したり、冷却ガスの漏れを修理したり、Vault のメンテナンスも自分たちでやっていたらしいです。大変!

最終的にヴァラヤさんの負荷が大きくなりすぎて、そのサポート要員のハンスさんまで研究所で手伝うようになっていたと書かれています。しかしエリックさんは自分のオフィスに閉じこもって何かしています。なんかあやしいですね。でも、五人の最期を記録した音声では、率先してメインフレームに細工していたようにも聞こえました。最後はみんなで一致団結して脱出しようとしたけど、その前はエリックさんだけ孤立しがちだったって話かもしれません。

ドア制御の端末をショートさせる

メインフレーム棟からリアクター棟は、普通のドア制御のターミナルで扉が開閉できるみたいです。Perk があればハッキングして開けられたんですが、救済策として隣のヒューズボックスをショートさせる方法もオプションで表示されています。こっちの方が簡単でしたね。

道中、Dr. ブラックバーンが今すぐ立ち去れと訴えてきますが、さらっと無視して奥へ進みます。リアクター棟にもブラッドイーグルが入り込んでいました。全部倒すと、またここでも手がかりの捜索が始まります。

あれですね。もうまともにゲームを作れなくなってるんでしょうね。とりあえず現場に落ちているテキストを読ませて、音声を聞かせて、ストーリーをプレイヤーに言い聞かせるしかなくなっています。戦闘は先に進むにあたって片付けないといけないタスクと化しているし、印象的なイベントで登場人物の物語を引き立たせようとか、おもしろいゲームの仕掛けを作ろうとか、登場人物に共感させて没入感を演出しようみたいなプロのこだわりが、あんまり感じられないのが正直なところです。

人の文明が滅びた世界をさまよって、残されたデータや資料などから戦前の人々に想いを馳せて、同時に廃墟で今をたくましく生きる人々の姿に人間賛歌を感じるのが Fallout シリーズ作品の醍醐味だと思うんですよね。やってることは確かに一緒なんだけど、ゲームの遊びという点では、ものすごく肉薄な仕上げになってるのが残念です。作業、読み物、人形劇の人形がポリゴンで動いてるのを見る、また作業に戻る、みたいな繰り返しです。

FEV 研究ログ #17

リアクター棟には Dr. ブラックバーンの音声を収録したホロテープ『FEV 研究ログ #17』が落ちています。この独白で、Dr. ブラックバーンに協力者がいることがわかります。ウエストテックの同僚の Dr. ファラー、彼女が世話していたネリー・ライトという聡明な女性、また大学からウエストテックまで一緒だったジェインという男性も Dr. ファラーの紹介で合流したそうです。Dr. ファラーもジェインも戦前の自身の研究について後悔しているところがあるようなので、Dr. ブラックバーン一味は、不本意にも FEV を生み出してしまった研究者たちの無念が集まって生まれたウエストテックの亡霊みたいな存在なのかしら?

FEV 研究ログ #38

次に見つけたのが『FEV 研究ログ #38』です。新しい被験体が必要になった Dr. ブラックバーンが、医薬品を持った医師を装って、近づく人の警戒心を解き、誘拐をおこなう手口を語っています。「これは必要なことだと、自分に言い聞かせた……」と語っているので、少なからず痛む良心は持ち合わせていたようです。また、「生きた人間で実験しなければ、完成させることはできない」と語っているので、彼の実験で、動物ではなく人間の犠牲者が出ているのは間違いないようです。

Dr. ブラックバーンがこの独白の中で「私はあの、怪物のように残忍なエリアスと同じ存在になってしまったのだろうか?」と自問しているんですが、エリアスってどっかに出てきましたっけ? 配信中は語感から、アリエス、エリーズ、エリアス? と疑いをかけていましたが、ちょっと違ったようです。

エリーズ

調べてみたら、ウエストテックのターミナルに、研究主任のエリアス・カーンという人物が名前だけ残っているらしいです。どうも崇高な研究プロジェクトを自分から取りあげ、さらに大きな可能性を秘めた FEV のプロジェクトまで失敗させた彼への恨みを口にしているだけのようです。ヒツジは関係ありませんでしたね。

VAULT 居住者

このログのそばに Vault スーツを着た居住者の死体が転がっています。この Vault は五人しか居住者がいないはずなので、これはそのうちの一人の亡骸ということでしょうか? でも五人の最期を記録した音声はメインフレーム棟にあったんですよね。ここまで何らかの理由で運ばれたってことでしょうか?

Pip-Boy

そう言えば、ここを発見するきっかけになった Pip-Boy も五人のうち誰かのものだったと考えられます。というのも、見つけたときは死体の腕に装着された状態でしたから、あれも五人のうちの誰かと考えるのが自然ですよね。メインフレームに抹殺された遺体も、Dr. ブラックバーンが別のなんらかの実験に利用したんでしょうか。

具体的にどんな実験をしていたのかということがちょっとわかる『ブレイクスルー』というメモが机に置かれていました。「血清87A は細胞構造と DNA 複製で放射能を脅威の257%減少、電気抵抗を153%も増加させた」とのことなので、放射線を意図的に当てて、感電もさせているようです。

バルデスさんの率直な感想

メモに目を通している途中から、バルデスさんが「検体を感電死させて、放射線を当ててる?」とつぶやき始めました。「正気とは思えないけど」だそうでです。B. O. S. からしたら、こういう研究所は親の仇みたいに憎らしいでしょうね。

でも、今回のイベントは敵が出る、資料を読み始める、敵がしゃべる、コンパニオンがしゃべるみたいな情報の流れが、頻繁に一斉に起こっていて、プレイする側の感覚がガン無視されているような気がしました。前は資料を読み終わるまでコンパニオンがしゃべるタイミングを待ってくれていたり、敵が出現のタイミングを見計らってくれたり、配慮があったと思うんですよね。今は聖徳太子扱いでドバッと一斉に情報を投げつけられている感じが否めません。マルチタスク苦手だから手加減してくれよ!

ここまでの情報をまとめた感じ、Dr. ブラックバーンは、もともと自分が良心から母国のこと、そして人類のことを思って取り組んでいた有益な研究を取りあげられて、さらにそれを FEV という軍の後ろめたい人体実験の基礎にされてしまった過去があるようです。だから心残りがあったんだと76のワイは考えていたんですよね。たぶん、本来彼がやっていた研究って、FEV とは違う生物学の研究のはずなんですけど、ここで放射能耐性だとか電気抵抗だとかの評価を嬉しそうに書き残しているところを見ると、もとの自分の研究を続けているんじゃなくて、憎き FEV の研究を自己流で発展させることに目的がシフトしていると見ていいようです。結局ウエストテックの手先みたいになってんじゃんね?

メムリングの端末

リアクター棟にはチーフ・エンジニアのハンス・メムリングさんのターミナルがあり、日記のデータが何件か残されていました。なんか画面の上部に都合が悪い情報でも表示されているのか、画面が妙に下にズレていますが、気にせず読んでいきます。

ハンスの名前はジャネット・ヒギンズさんの日記にもありましたし、メムリングの名前はメインフレーム棟のターミナルで、設備が古すぎるという愚痴と一緒に見ましたね。こちらの日記にも同じように、「メインフレームと調査ラボは別として、残りの技術的なものは2年ほど時代遅れのものがほとんどだ」と、リアクターや、ヒギンズさんのロボット製造システム、ベリリウムがザルのように漏れる冷却ポッドなど、型落ち設備や什器の文句がつらつらと書かれています。ただ、ここの人たちはみんな優秀な専門家なだけあって、これだけやる気が萎えそうな施設に閉じ込められていても「あと1、2年時間をくれたらこの場所を大幅に改善してみせるぞ」とめちゃくちゃポジティブで頼りがいのある言葉が書き添えられています。

メムリングさんは退職後の再就職先としてこの Vault に入ったようです。つまりほかの人より高齢っぽいですね。それでも、この Vault を一人で稼働させることにやりがいを感じているので、ニナ・ヴァラヤさんといい、本当に優秀な人材をそろえての実験だったんでしょうね。メムリングさんの技術には、のちほど研究棟で拾える Dr. ブラックバーンのホロテープ『FEV 研究ログ #13』でも感嘆の言葉が並べられています。

ちょっと気になるのは、上のスクリーンショットのとおり、最後の「ベイ86には何があるんだ?」から始まる異色な日記が残されていることです。本来85基しかないはずの冷却ベイの後ろにナゾのドアがあり、軍がアクセス制御しているので簡単に出入りができず、ドア自体も最高級の素材で作られ、タングステンでメッキまでされているということです。格子の隙間からのぞくと、全面コンクリートの部屋に「X-001」とコードが割り振られた冷却ポッドが一つだけ設置されている怪しさ満点の空間が見えるそうです。メムリングさんは、ポッドの中で何かが動くのを見たと書き残しています。

このプレイ日記は配信を終えたあとにまとめているので、一通りこの Vault の中を見たあとなんですが、この X-001だけ何のことだったのか今でもわかりません。たぶんここで完結せずに、今後のストーリーにつなげるフックとして残された要素なのかな? それこそ春にイベントをやってた宇宙人系のネタ👽だったりもしますかね? フラットウッズみたいな。

冷却棟のドア

リアクター棟を一通り調べ終わったら、隣の冷却塔に行けばいいらしいです。ドアの近くまで行くと、隣のインターコムから突然「バッシャーなの?」と女性の声が聞こえてきました。誰かと勘違いされているようなので、調子に乗って「ああ、うん。俺だ。バッシャーだ」とウソをついてみました。すぐバレましたけどね。

向こうはこちらが誰かすぐわかったと言ってきます。76のワイの選択肢にも正解らしい「タリー・ラングか?」という名前が出てきました。タリーって誰だったっけ……? しばらく考えて、Dr. ブラックバーンやアート・ナップさんと一緒に、最初の頃 ATLAS 砦に来ていたレイダーの女の子だと気付きました。銃が欲しい孤児みたいな、見え透いたウソをついていましたね。76のワイとレイダートークができたので、てっきりクレーター派閥の子だと思っていたんですが、どうやら違ったようです。ブラッドイーグルは心証がよくねえな。

しばらく話を聞いていると、向こうは扉を閉められて冷却棟に閉じ込められているらしいです。ロボットが定期的に出てくるし、負傷しているし、困っている様子です。なので助けてくれたら偶然見つけたセキュリティカードを76のワイにくれると言っています。それは、欲しい。

Dr. ブラックバーン「セキュリティカードを……」
タリー・ラング「セキュリティーカードを……」
ゲーム・システム「セキュリティカードを……」

「交渉成立だ」とタリーを助ける選択をすると、後ろでバルデスさんが「シンがいなくてよかった。絶対賛成してくれない」とボソッとつぶやきます。そうね、ナイト・シンは鼻息荒く反対して、自分の正義を振りかざそうとしたでしょうね。でもここ、Fallout 76 の性質からして、助けない選択肢は用意されてないんじゃないかな。

ここでなんか微妙な展開だなと思ってしまうのは、76のワイが扉を開ける方法を探してくるのではなく、タリーの方が扉を開けてくれることです。じゃあ、さっさと逃げればよかったのにというのは、会話の選択肢にも出ていたんですけど、やっぱり都合がよすぎるんですよね。曰く、カードを見つけて、試そうとした瞬間に76のワイが来て、ちょうどいいので負傷や疲弊した自分たちの代わりにロボットを追い払ってくれというような感じだったみたいです。扉を開けるとロボットがまた出てくるみたいな確証があったのかな。なんか、よくわからん、ふわっとした流れです。

ガッツィー大佐

扉が開いてタリーと対面すると、おなじみの戦闘フェーズに入ります。今度はガッツィー大佐の大群です。タリーは一人ではなかったらしく、中にはパワーアーマーを着込んだ仲間の姿もあります。みんなで加勢してくれるのもあって、ここも以前の Vault 79に比べればそんなにキツい戦いではなかった気がします。アサルトロンが2、3体混ざっていたら、もっと違っていたかもしれませんが。

タリー・ラング

敵を倒し終わると、タリー・ラングさんとまたゆっくり会話できます。

こう選択肢をズラッと並べて、こういうセリフ運びだけで物語を進めようとしたり、説明不足な物語を補足しようとしたり、奥行きを出そうとしたりするのって、未完成品と見間違うぐらい中身がスカスカで大炎上した FINAL FANTASY XV でも常套手段だったんですよね。個人的には、こういう会話を多用するのは、あんまりいいゲーム作品の作り方じゃないと思っています。例えば、仲間との絆を守るイベント一つ挿入するのと、「仲間が大切」というセリフをただ言わせるだけだと、天と地の差があるじゃないですか。漫画で言うならずっと登場人物のバストアップだけ描いて、吹き出しのセリフだけで物語展開させていくみたいな無理やり感に近いんじゃないでしょうか。

会話に選択肢があるのは Fallout シリーズおなじみの特徴で、確かにプレイヤーに判断が委ねられているし、インタラクティブな感じもするけど、Fallout 34 は、それによって物語が分岐する面白さがあったんですよ。分岐するから主人公の生き様に自分の考えを反映できたし、そうやって遊んでもまた違うルートで遊べる楽しみがありました。でも 76 は今やほとんど分岐しないし、なんならどの選択肢を選んでも同じリアクションしか返ってこない場合も普通にあります。選択肢の違いでまた物語が違った角度から見えたりする面白みもあんまりないでしょ。最近の Fallout 76 は、表層的に過去作に似ているだけで、中身の遊び心はかなり衰退しているように感じます。

そもそも登場人物に質問投げつけて、この人はこういう人物でね、あの状況はじつはああでねっていう開発者のプレゼンとか言い訳の代替みたいなセリフを永遠聞かされなきゃいけないのって、全然楽しくなくて遊びにならないじゃないですか。感情移入もしにくいし。こういう会話はゲームの中心に据えるんじゃなくて、きちんとイベント作って、プレイヤーの心を引き付けて、もっとこの作品のことを知りたい、もっとこの世界に浸りたいと思わせてから、好奇心を満たすために脇に設けるのが正解なんじゃないかな。

話の腰を折る愚痴を書き連ねましたが、閑話休題で、タリーさんをここで殺すこともできたようですが、今回は生きて逃げてもらうことにしました。また何かのイベントに絡んできたら面白いですしね。PlayStation 4版のデータでやり直すときに殺すことにしようかな。でも、インターネットで Fallout 76 の不調をちょっと調べたときに検索画面に出てきたんですが、ここで彼女を殺すとカードが手に入らない進行不能バグが起こるかもしれないらしいです。メインクエストでも致命的なバグがあるって、今の Bethesda はそんなに開発状況ヤバいのかな……?

よくよく考えたら、入り口で息を引き取ったヘルキャットのウッズ兵長は、仇討ちのようなことを今際に頼んできていました。ここは仇を討ってあげるのが漢というものなのか。でも、そうすると進行不能バグに見舞われる危険性もあるから、開発陣はウッズさんの仇討ちなんてあんま意識してなそうですね。

タリーちゃん、体がガリガリで、腕なんて棒みたいなんですけど、このブラッドイーグルを率いるリーダーらしいです。配信中は、つまりザ・クローってことかって驚いていたんですけど、ダガーちゃんも過去にいたので、地元のグループをまとめるリーダー格というだけなのかもしれません。ザから始まる名前も襲名していないみたいですしね。そう言えば、バファウト漬け洗脳の設定はどこに行ったんでしょうね?

ここに来るまでブラッドイーグルを始末してきた76のワイですが、そのことを告げると気にも留めていないようでした。お気に入りの仲間は、一緒にここに閉じ込められていた人たちだけみたいです。独り言を聞く限り、お仲間は設定どおり薬物中毒みたいですけどね。

「Vault の他の場所に閉じ込められている人たちは?」という質問があって、意味がわからないと配信で話していたんですが、原文は“What about your people trapped elsewhere in the Vault?”だったので、ほかにも自分の部下が別の部屋に閉じ込められたままだろうといった意味合いだったみたいです。そちらは「関係ないわね」と冷たい感じで、「あいつらはあたしに冷たくしたから」と理由を説明しています。このあと「ハハ。意味分かった?」と笑い出すので意味不明だったんですが、原語では「あたしに冷たくした」に“ice(氷)”の単語が使われていて、ここの Vault の状況にかけた親父ギャグになっていたんですね。それで「(氷みたいに冷たくしたってことよ。)意味分かる?」となるわけです。真剣に死にかけている部下の話をしているのに、のほほんとギャグを言って笑おうとしていることで彼女の狂気を演出しようとしているのかな。

タリーちゃんはカードを76のワイに渡すとさっさと部屋を出て行きました。あとをズラズラとついて行く名有り NPC の仲間たち。ここだけの登場なのはちょっともったいないな。この一味、また外のどっかで会えたりしないかなあ? ベケットみたいにかくまったりしてさ。

冷凍保存された動物

冷却棟には Vault の目的どおり動物が超低温保存されています。この角度から見ると、トドとかアザラシの海獣っぽく見えますね。実際は氷の塊のようなものが被験体の周りに形成されているようです。たぶんこれ、ダメな現象ですよね。中の被験体はもう死んでるんじゃないかな。

そしてここでも手がかり探しが始まります。適当に転がっている資料に目を通して、ことの成り行きをお察しくださいという感じです。なんか話の展開のさせ方が下手な気がするんですよね、これ。

冷却ポッド

ここらへんの光景は Fallout 4 を思い出しますね。ここも Dr. ブラックバーンに見つかっていなかったら、戦前の生体サンプルがたくさん保存されているとかで、インスティチュートが訪れたりするんでしょうか。

あと、ヘルキャットが人を連れてくるときに、物資も持ってくるように依頼しなければいけないという Dr. ブラックバーンの備忘禄の筆頭に「ギ酸」があったんですよね。これって Fallout 3 の Lesko 博士のオマージュかな?

タリー、ふたたび。

冷却塔を見て回っている間に、ゲームプログラムが不安定になって二度ほど落ちたので、もう一度入り口から入り直さなくてはいけませんでした。幸い、Vault 内の進捗は適宜保存されていたようで、クエストのタスクは手がかりを探す作業を再開すればいいだけだったんですが、冷却棟に入ったところで、この場にいもしないタリーちゃんの声が扉から聞こえてきて、もう一度会話をするハメになりました。これは……モテモテ76のワイが恋しい生き霊かな。せっかくなので「いや……違う。知り合いじゃない」とウソをついて他人のふりをしてみましたが、無視して「ATLAS 砦で話したことあるわよね!」とさっき聞いた会話が展開されていきました。

幸いなことにガッツィー大佐がまた大量にスポーンすることはありませんでした。

FEV 研究ログ #57

冷却塔の布をかぶせたまま放置されている死体のそばに『FEV 研究ログ #57』がありました。なかなか成果がでないので焦りの色が見えてきた Dr. ブラックバーンの独白が収録されています。スーパーミュータント化など、失敗した被験体を廃棄しなければいけなくなったのに、ここの設備にはそういった機能がなかったみたいです。なので、とにかく Vault の外に不法投棄することにしたと話しています。アンキャニー洞窟から湧きだしてきていた特殊なスーパーミュータントは彼の失敗作ってことでいいのかな?

死体の山

奥にはもっとわかりやすい形で実験の失敗作が放置されていました。ここは氷付けなので、腐敗や腐臭といった当座の問題は回避できるそうですが、スーパーミュータントと違って勝手に出て行ってくれないので困っていたみたいです。

死体の廃棄

そばに置いてある彼のメモの「私のような物質主義な科学者でも、大量の死体に囲まれるのは気味が悪いからな」の部分は、原文では「気味が悪い」の表現にアンキャニー洞窟の“uncanny”が使われています。

それにしても、物質主義者なら死体に囲まれていても多少は平気なの? 物質主義ってもっと即物的みたいな話じゃないですか。霊を信じる云々はなくても、衛生面とか、本能的な面で生理的な嫌悪感とかあると思うから、物質主義かどうかは関係ない気がするんですけどね。

メモを取ると間髪入れずに Dr. ブラックバーンがスピーカーで一方的にしゃべり始めます。早いよ! これからお前のメモに目を通そうとしてるんだから、せめて読み終わるまで待ってくれよ!

「かつてこの保存容器には検体が入っていた。捕われた科学者たちはこれを悪用していたのだ。ウエストテック社のように、これを利用できるかどうかしか頭になかった。何を得られるかなど考えもせず。兵器を作るのが精一杯だった。なんと無意味なことか。私なら、彼らが残したものに、より良い結末を与えることができる」というのが、結局ここで彼がしたいことの概要になっているようです。過去を正したいんですね。それは今回のクエスト名“A Satisfied Conscience”にも通じる良心からくる行動なのかもしれないけど、奢りとか、この混沌とした世で自分の能力を証明しなければならないみたいな焦燥感に近い感情もあると思うんですよね。

検体が入っていた容器は、今では自分の実験の失敗が積み重なって、死体で埋め尽くされているんですよね。より良い結果は今のところ形が見えていないようなんですが、そういうところ、ちゃんと考えたことあるのかな?

研究棟

死体の廃棄方法について書かれたメモを読んだら、クエストのタスクが更新されて、今度は奥の研究棟へ向かうことになりました。これまで同様、研究棟へとつながる扉は閉まっているんですが、タリーちゃんからキーカードをもらっているので、どこでも自分で扉を開けられるようになっています。開け放題です。これで最初のアトリウムからつながる各棟の扉を自分で開けてショートカットできるようになりました。実際、各扉を開けたら方向がわからなくなって迷いに迷ったんですけどね。

研究棟に入ると後ろからついてきているバルデスさんが「ひどい匂い」と漏らします。ここは腐敗臭か何かがただよっているのかもしれませんね。

スナリー・ギャスター

奥には透明なガラスで仕切られた飼育室だか観察室だか実験室だかがいくつかあります。そこから女性の悲鳴が聞こえてきて、スナリーギャスターが自由に闊歩している姿が見えてきました。ここもいろいろ情報過多なんですけど、とりあえず安全を確保します。これもボスっぽい配置ですけど、そこまで強い個体じゃなかったかな。

生きていたキャシーさん

ガラス越しにめちゃくちゃ助けを求める声が聞こえてくるので、とりあえず中にいる人と話しておきます。名前はキャシー・ハロウェイと言うらしいです。配信のときはすっかり忘れていたんですが、アート・ナップさんの姪っ子さんです。無事に生きていましたね。

「ここを開けて」と言うので、Dr. ブラックバーンにここに閉じ込められているみたいです。「独房」とか「刑務所」という訳語になっているんですが、ここは実験中の被験体を保存しておく場所になっているみたいですね。ただ、扉はリモート制御のようなので、操作できるターミナルを探さなくてはいけません。

ターミナルを探していると、生々しい実験の現場を見られたからか、Dr. ブラックバーンが「君は私を殺したいと思うだろう。そのことを責めるつもりはない」と語りかけてきます。いろいろ悟っているみたいです。あるいは、いろいろ悟っている自分を演出しようと躍起になっているのかもしれません。後ろからバルデスさんが「生きたまま捕まえる。それを忘れないで」と念押ししてきます。さすがバルデスさん、優しいな。

生体解剖

近くの部屋に Dr. ブラックバーンの研究記録が入っているターミナルがありました。FEV の実験で使っていた血清に修正を加え続けて、8回目にして成功と言える結果が出たと書かれています。また、「部屋3の予想外の占有者」を閉じ込めたことも書かれています。たぶんさっきのスナリーギャスターのことですね。これについては、また別の紙にも「実験室の中にスナリーギャスターを野放しにするなんて」と驚きを書きつづっていました。ここの個体は光合成に似た仕組みで口から栄養摂取しなくても生きていけるように改良されていたとのことですが、その代わりにとてもいら立っているそうです。食はストレス発散も兼ねてるからな。

これ以外で気になったのは、かたくなに「生体解剖は決してしない」と書き残された上の画像のファイルです。逆になんでこんなこだわってるんでしょうね? 九州大学が嫌いなの? レイダーなら生きた人間をさばいて食べる輩も腐るほどいると思うし、シリーズ作品で言うなら、Fallout 3Mothership Zeta に登場したエイリアンが知的好奇心から捕らえた人間を生体解剖していたみたいですけど、そして人間側もエイリアンを捕えてやってるんでしょうけど、なんか意味あるのかな?

ここのターミナルに残されている「FEV 研究ログ #5』を聞くと、ウエストテックの同僚が「ウイルスをおもちゃ扱いし、ハンターズビルをアリの養殖場にして、逃げ惑う人々を観察していた」という話が聞けます。そんな話あったっけ? ハンターズビルには確かに、近くにあるウエストテックの研究所から実験場みたいに扱われて、FEV を上水道にばらまかれた物語があります。だから今でも地元民らしき特殊なスーパーミュータントの根城になっています。アリの話は初耳だなあ。ますます Lesko 博士と関連づけたい心理があるように感じます。

ニナの死

もう一つ大きなターミナルが研究棟の隅に設置されていました。これは主任生物学者だったモリー・クーパーさんのターミナルらしいです。これでキャシーさんが捕えられている部屋の扉を開けることもできます。せっかくなので残されている彼女の日記も読んでいきます。

ヴァラヤさんに「繊細」と評されていたとおり、動物実験を最初からあまり快く思っていなかったようです。実験記録を見る限り、動物に燃える変異を付与したり、電流を流したりしていたようなので、これも FEV を完成させようとしている Dr. ブラックバーンとやっていることが一緒ですね。「動物を保護して保存すべきなのに、強制的な実験で次から次へと虐待している。そして実験室に放り込んで、お互いに戦わせて、どの変異のほうが強いかを調べている」と実験内容に対する感想がつづられています。やっぱり種の保存とか生態系の保護とかは体のいい言い訳で、実態は生物兵器の開発だったんでしょうかね? だとしたら FEV の研究とたいして変わりませんね。Dr. ブラックバーンが運命を感じるわけです。

日記にはどんどんノルマが厳しくなっていることや、恋人の関係だったらしいヴァラヤさんがどんどんここの仕事にのめり込んでいって夜も満足に寝ていない話、被験体のイヌ科の動物に昔飼っていたワンコの姿を重ねて感傷的になったことなどが書き残されています。最後には、上の画像のとおり、ノルマを達成できなかった恋人のヴァラヤさんがアサルトロンに処刑されてしまったことが書かれています。頭が吹き飛んだ恋人の死体を見て、クーパーさんも限界に達したみたいです。ほかの住人も動揺したはずですから、これでメインフレームを壊して外に出ようという話になってもおかしくありません。

そう言えば、メインフレームが各ドアを閉め切って Vault 居住者を追い詰めていたにもかかわらず、ヴァラヤさんの寝室だけ早々にアトリウムから自由に出入りできていました。先に死者として認識されて、その後のターゲットに含まれていなかったからかもしれませんね。

ほかのターミナルと同じように、このターミナルにもクーパーさんの音声が収録されたホロテープが残されていました。それはメムリングさんの日記に書かれていた「X-001」について語られています。クーパーさんはヴァラヤさんと話し合って、この未知の検体を使った実験で何らかの結果を出して、厳しいノルマを達成しようとしていたようです。そのことを「大ばくちだけど」と言っていたので、現実には何の成果も得られず、ノルマ達成の後押しにすらならなかったリスクもあったのかな? だとしたら、ヴァラヤさんが命を落とした元凶かもしれませんね。あと、軍が大事に、そして秘密裏に保管していた検体を、この人たちは実験で使用したんですね。じゃあ、その成果物が今後出てくる可能性がありそうですね。

データには一通り目を通したので、キャシーさんたちが閉じ込められている部屋2の扉を開けます。ほかは警戒して開けなかったんですが、特に変な敵が潜んでいるわけでもなかったので、結果的にあとで全部開けています。

解放されたキャシーさん

部屋の中に入って、キャシーさんと話します。キャシーさんは大丈夫そうに見えますが、免疫反応を調べるために、わざとヘドロ肺というこの作品オリジナルの病気に感染させられたそうです。手持ちのディジーズ・キュアを渡すことができたので、とりあえず薬を飲んでもらうことにしました。ほかの人も調子が悪そうです。メンタルも心配ですね。

回収部隊を手配してくれるバルデスさん

そんな状態で外に出られるかと尋ねたら、バルデスさんが下手に動かない方がいいと教えてくれました。ここの Vault を無事に制圧できたら、ATLAS 砦と通信して、衛生兵付きで回収部隊を送ってもらうと言います。そして彼らに食料と水を分け与えました。さすがバルデスさん、しっかりしてる~! 実際は一般人の NPC をぞろぞろ連れて歩くプログラムを用意できないからでしょうけど……。バルデスさんすらアパラチアの大地を連れて歩けないもんね。

話し終わると、「あのイカれたドクターを見かけたら、私の代わりに蹴っ飛ばしておいて」とキャシーさんに頼まれました。さすが一般の入植者はぶっ殺してとはお願いしてこないのね。

VAULT 96遺伝子ログ #142

キャシーさんと話し終わると次のタスクが「監督官のオフィスを開く」になったんですが、もうちょっと研究棟に残って取りこぼしたものがないか見て回ります。そしたらアサルトロンに処刑されてしまったというヴァラヤさんの研究記録『VAULT 96遺伝子ログ #142』が拾えました。検体 X-001を使った実験を始めたときの音声が収録されています。

「すべての検体がすべての変異を示すまで、密封されたペトリ皿からペトリ皿へ、どうやってか移動していく」と述べられているので、X-001はワープの特殊能力を持っているようです。ますますフラットウッズ・モンスターっぽくないですか?

フラッドウッズ・モンスター

この変異に興味を持ったヴァラヤさんは、メムリングさんにお願いしてもとの検体 X-001を調べようとします。そして、メムリングさんのターミナルの日記につながるわけですね。

VAULT 96遺伝子ログ #143

すぐ隣のターミナルに『VAULT 96遺伝子ログ #143』のホロテープも置かれていました。さっきとは打って変わって、ものすごく疲れた声をしています。音声では「148週目」と言っているんですが、ホロテープのラベルは#143です。声の疲れ具合からして5週間ずっと研究漬けだったほうが説得力あるけど、ノルマは1週間ごとに決まるらしいので、ラベルのほうが正しくて、正しい記録のナンバリングすらわからなくなっている表現なのかもしれません。

相変わらず移動能力に関する変異について話しています。「元の検体を研究することができれば、恐らくある程度は前進できる。けれど被験体は、軍のアクセス制御を受けている安全な人体冷凍室の中に一人しかいない」とのことなので、これはナゾの被験体、X-001を使って実験した大ばくちの直後の記録のようです。最後のほうに「もう時間がない」や「私はノルマを果たせないだろう。許してモリー」という言葉が出てくるので、やはり賭けに出た実験で失敗したために処刑されてしまったようです。

我を消して社畜になれる人って、けっこう承認欲求とかを利用されている場合が少なくなくて、突き詰めると自分の存在に自信がなかったりとか、仕事ができることがアイデンティティーになってたりするんですよね。この環境が異常だと本人もわかっていたはずですけど、それでもノルマを果たせない自分っていうのは屈辱的だったんじゃないかなと思います。ちょっとヴァラヤさんがかわいそうですね。

X-001はよくわかりませんね。ヴァラヤさんに日本語で「移動する変異」と呼ばれていた能力は、「ストレスがかかると被験体は移動するか……乱れるか、あるいは……何であれ、とにかく機能する」と説明されています。「移動する」は“shift”、「乱れる」は“phase”の動詞が使われていました。調べても具体的に想像できませんが、ストレスがかかると移動する特殊能力とのことです。一瞬あそこのスナリーギャスターが X-001派生の被験体だったのかななんて思ったんですけど、特別な移動能力は持っていないようだったので違いますね。

ヴァラヤさんとクーパーさんは X-001を調べるために、アクセス権限を持っているらしいエリック・デマルコスさんにお願いしましたが、拒否されたそうです。デマルコスさんはヒギンズさんのターミナルの記述といい、疑惑の人ですね。

開かない監督官のオフィス

さて、研究棟も一通り見たので、監督官のオフィスに行って、キーカードを使ってみます。しかしうまく開きません。バルデスさん曰く、キーカードを利用されることを見越して、ここのドアには先回りして対策が施されていたんだろうとのことでした。Dr. ブラックバーンがもう一度、スピーカーで立ち去るように訴えてきます。

何のようだ?

困った76のワイはバルデスさんに相談することにしたようです。選択肢が「何の用だ?」と「何かできないのか?」の二択です。自分から話しかけておいて、「何の用だ?」はさすがのバルデスさんもキレ返していいと思います。原語を確認したら“What now?(今度は何をすればいいんだ?)”でした。何回も話しかけられたり、同じことの繰り返しになったとき、「今度は何だ?」というニュアンスで使うので、翻訳した人は状況がわからずに、セリフだけ見て誰かから何回も話しかけられたり、用事を頼まれたりしたときのシチュエーションを想定して訳したのかもしれません。

バルデスさんに指示を仰ぐと、ここのドアは油圧で制御しているので、ユーティリティ室で油圧を切れば開けられるかもしれないと教えてもらえました。ユーティリティ室は研究棟の隣にあったので、もと来た道をまた戻ります――と思ったんですが、扉を開けられるようになったので、アトリウムからすぐ入れるようになっていて、実際は目と鼻の先でした。

油圧コントローラー

配信中は位置関係なんてわかっていなかったので、研究棟まで戻るついでに視界に入るドアを片っ端からカードで開けていったら、自分がどこにいるのかさっぱりわからなくなり、盛大に迷ってめちゃくちゃ時間がかかってしまいました。アトリウムとか、入り口のほうに開かないドアがけっこうありましたけど、結局みんな新しい場所に行けるようになる扉ではなく、今までぐるっと回ってきた各棟へのショートカットができる感じでした。

そして、たどり着いたこれが、監督官のオフィスにつながるドアを制御している油圧コントローラーらしいです。海外プレイヤーの配信画面を見ていたら、ここの横のテーブルにテディベアが置かれていて、映画『メン・イン・ブラック』のパロディじゃないかという話題になっていました。

クマはどこいった?

でも、自分の配信画面を確認しても、同じテディベアを見つけることができませんでした。スナイパーライフルと弾が置かれているだけです。リージョンによるものなのか、プレイ時期によるものなのか、よくわかりませんが、細かいアイテムの配置には差があるようです。

本当に『メン・イン・ブラック』なら、再現されているシーンはレストランの調理人に擬態したエイリアンを取り調べに行く主人公たちのシーンなので、さらに X-001エイリアン説が濃厚になるかなと思ったんですけどね。

Intelligence

油圧を切る選択肢は、力尽くの脳筋、インテリ、はては刃付きの武器を活用する方法まで、複数あります。最後は育ちきっていないキャラクター、あるいは縛りプレイ向けの救済措置ですかね。さらにその下の「制御装置と希望を叩き潰す」も好きです。S. P. E. C. I. A. L. の I と言えばワイのことなので、ここは頭を使って正解のスイッチを「ポチッとな!」することにしました。バルデスさんがスクライブになれると褒めてくれます。実際パワー不足も甚だしいので、どっちかって言うと後方支援のスクライブ向きなんじゃないかな、ワイ。お使いは慣れてるし。

監督官オフィスの Dr. ブラックバーン

油圧を切って戻ってくると、窓から少しだけ Dr. ブラックバーンの姿が見えることに気付きました。こちらに目もくれず、ターミナルで何か作業をしています。こちらは画面の右側から「Dr. ブラックバーンと対峙しろ」と圧力をかけられているのに、向こうは余裕ですね。

監督官のオフィスのドアが開いた

監督官のオフィスにつながるドアは開いていました。こういうシステムに詳しくないんですが、油圧を切ってもいきなり全開にはならないんじゃないでしょうか。とくにここのドアは重力が働く上へ開くドアなんですよね? 油圧を切っても、せいぜい閉じているものが、人の力でこじ開けられるようになる程度だと思うんですけど……。

ブラックバーン、御用だ!

オフィスに上がっていったら、ターミナルをいじって背中を見せながら Dr. ブラックバーンが「投降しよう」と言って、最後の会話に付き合ってくれました。「ここでの私の仕事は終わった」と言っています。いつものいろいろ話してくれる質疑応答タイムですね。本当に、これでクエストの厚みを作ろうとしてるんだなあ……。

ブラックバーンとの会話が始まると、後ろにいたバルデスさんが彼に駆け寄って銃を構えますが、銃口は相手に向けない平和主義のようです。たまに相手じゃなくて、こちらを凝視してくるし、ブラックバーンもブラックバーンでずっとターミナルをいじってるし、すごく変な絵面になっています。そんなんじゃ、いつかやられるぞ。

会話の最中にバルデスさんが「あなたの『失敗』を ATLAS 砦が被って、全員死ぬところだった!」と感情をあらわにすると「通常の事例よりも明らかに認知が発達している」と冷静に分析されていました。それなりに研究の成果は出ていたようです。そう言えば、肌も普通の肌色に近い感じでしたしね。

スーパーミュータント・バーサーカー

「バーサーカー」なので、理性には期待できそうにありませんでしたが。あと、この場合の「失敗を被(こうむ)る」って表現は正しいのかちょっと不安。

途中の会話は道中読んだ日記やメモなどと重複する感じがします。とにかくウエストテックの失敗を自分が修正したいみたいです。その語り草からは、ちょっと不遜な印象も受けます。そのうちバルデスさんが「あなたの話を聞いてたら、シンの気持ちが分かってきた」と言い出したので、ちょっと笑ってしまいました。バルデスさんはさらに「その様子じゃ『完璧』なウイルスのテストはまだみたいね」と追い打ちをかけます。だって、こんな会話してる最中もターミナルをいじる手を休めないもんね。たぶん、潔く投降するとか言っときながら、いろいろ間に合ってなかったんだと76のワイも思います。

なんでキャシー?

会話を進めると、どんどん新しい選択肢が出てきます。情報は手に入るけど、どんどんクエストの印象がのっぺりしていきます。このクエストのボスって、結局あのスナリーギャスターだったの?

新しい選択肢の中に、「彼らは人間だ、ブラックバーン。キャシーと同じようにな」という言葉があったんですが、なんでキャシーなんでしょう? キャシーってなんか特別だったんですかね? 76のワイ視点だとナップさんから捜索依頼を受けているので特別な名有り NPC ですけど、Dr. ブラックバーンからしたら、ヘルキャットがさらってきた人間のうちの一人ってだけだと思います。せいぜい威勢がいいなぐらいの印象どまりなんじゃないでしょうか。なんでここで彼女の名前を特別出す必要があったんでしょうね???

いろいろ話してもらった結果、FEV は完璧と言っていい状態にすでになっているらしく、仲間の手にすでに渡っているらしいことがわかりました。仲間は放出装置を用意している真っ最中だそうです。ばらまく気満々みたいなんですけど、こんだけ変異した Vault 76産ミュータントがはびこるアパラチアで、今さら新種の FEV ばらまいたところでどうなんの? 実際、本家 FEV も漏れに漏れてすでに散布されているような状態なんでしょ? せいぜい新しい有用な変異が出てきて、Vault 76産のバーサーカーたちに歓迎されるのが関の山では……?

バルデスさんは危機感を覚えたらしく、すぐにパラディン・ラフマーニに報告しなければという話になりました。ここに残って後処理をしてくれるそうなので、76のワイ一人で先に ATLAS 砦に戻ります。やっぱりバルデスさんを連れて出られないんですね。具体的に考えてみると、無抵抗とは言え、Dr. ブラックバーンをここで一人で抑えつつ、本部と連絡をとって、応援部隊と連携して、残党を処理して、捕えられていたキャシーさんたちも保護するっていう流れを一人でやるのは現実的ではないと思います。自らやると言い出すのは軍人として無責任かなあ。ちょっと無理じゃない?

これで Vault 96の用事はすべて片付いたんですが、この監督官のオフィスにも Dr. ブラックバーンや Vault 居住者たちの音声を収録したホロテープがたくさん置かれているので、読み物というか、聞き物を調べていきます。なんで今回こんなに多いんだろうな? 長々と Dr. ブラックバーンにこんだけ内容が重複する独り言つぶやかせても、物語も人物像も厚みは出ないと思う76のワイなのでした……。

A Satisfied Conscience

一人だけで ATLAS 砦に戻れるようになった段階で、今回のクエスト、A Satisfied Conscience が完了しました。直訳すると満たされた良心みたいな感じですかね。これは Dr. ブラックバーンの一人勝ちってことかしら?

クエストの報酬として、「ブラックバーンのバンガロー」という設計図が手に入りました。うちの C. A. M. P. はすでに容量いっぱいだったので、ちゃんと設置するのが面倒で先にインターネットで調べたんですが、これまでちょくちょくアトムと交換できたり、イベントの報酬で手に入ったりしていたバンガローのバージョン違いみたいです。

クレーターのムンクさんのバンガロー

ワールドにあらかじめ設置されているものもあって、すぐに思い浮かんだのはクレーターのムンクさんのお家でした。自動車で牽引して動かせる簡易施設として使えるみたいです。レスポンダーが支援活動をおこなっていたモーガンタウン空港にも、簡易的な医療室だか物置だかオフィスだか、なんかそんな感じで色違いが設置されていたと思います。

クレーターのムンクさんのバンガロー

中もけっこう広いし、これ、いいですね。76のワイのように、報酬とかあまりゲットするチャンスがない軽い層には嬉しい報酬なんじゃないかな。ただ、なんでこれと Dr. ブラックバーンが関連づけられているのかはよくわかりません。どっかマップを探すと彼の潜伏先があって、これを家として使っていたのかな?

久しぶりにムンクさんの姿を見ましたが、この人、クレーターのイベントにもほぼ絡んでこなかったし、ナゾですよね。そう言えば、この人も話すとエイリアンの陰謀説みたいなのを自信ありげに話すんですよね。さては関係者か?

最後のオリエンテーション

さて、「パラディンとナイトにできるだけ早く報告して」とバルデスさんが圧をかけてきますが、めげずにこの部屋で拾えるホロテープを聞いてから出発したいと思います。まずはここの居住者がヴァラヤさんの処刑後、Vault を出ると決めた話し合いが記録されている『VAULT 96 オリエンテーションセッション』です。

今は Dr. ブラックバーンが必死で何かを打ち込んでいるので、配信中は調べることができなかった監督官のターミナルですが、配信後に戻ってくると中のデータを読むことができました。それによると、ここの住居人は以下のような感じだったらしいです。

  • エリック・デマルコス(55)
    監督官・元 Vault-Tec 大学主任教授
    コンピューターサイエンス博士号
    厳格、批判的、および無情な管理者として有名
  • ニナ・ヴァラヤ(44)
    主任研究員・元ウエストテック研究員、およびクロマックス・ジェネティクス創立者
    遺伝・生物学博士号
    柔軟な倫理基準を有する優秀な科学者
  • モリー・クーパー(29)
    主任生物学者・元クロマックス・ジェネティクス研究者
    微生物学博士号
    聡明、臆病、神経質、精神的に不安定、Dr. ヴァラヤと親密な関係の可能性あり
  • ジャネット・ヒギンズ(41)
    主任ロボット工学技術者・元ロブコのシニア・エンジニア
    ロボット工学博士号
    怒りっぽく、対立的で、懲戒処分の記録あり
  • ハンス・メムリング(64)
    主任エンジニア・ハミルトン大学名誉教授
    原子力および低温工学博士号
    博学者、エキセントリック、同僚からの高評価あり

みんなから何かとぐちぐち言われて孤立気味だったエリック・デマルコスさんは、ここの監督官だったらしいです。逆にだからこそ孤立していたのかもしれません。Vault は監督官に居住者とは別の任務を与えがちな習性がありますからね。

あと、ちょっと気になるのはヒギンズさんの経歴です。よく見るとのちにインスティチュートを立ち上げる C. I. T. で4年ほど講師をしていたらしいです。あとロブコではアサルトロン部門の主任開発者をしていたらしいです。あれ造った人物かと思うとヤベえしか頭に浮かばなくなります。 そりゃメムリングさんもここで「ジャネットが古いロボット製造システムを使うハメになるなんて信じられない」と書き残すわけです。

監督官の任務

監督官のターミナルなので、監督官のみ閲覧可能な任務も上のとおり読めました。生態系の保護とかいうキレイごとは一切主張されなくなり、代わりに週ごとの研究ノルマを居住者に課し、進捗を記録し、結果を確実に残せというブラック企業実験の内容がわかりやすく書き出されていました。

監督官の率直な気持ちがつづられた日記も残されています。Vault-Tec 大学で教鞭を執って15年のデマルコスさんは、Vault-Tec を過信していたようです。本人としては監督官として悠々自適に生活し、ここでゆっくり自分のプロジェクトに取り組みたいと考えてこの仕事を引き受けたようです。しかし実際は「巨大な変異した昆虫が Vault に溢れる」とか、「承認されていない精神作用のある化学物質の放出」とか、「サブリミナルメッセージシステムの故障」とか、予想外の事態がここでは想定されていたようです。また、什器や設備は軒並み型落ちで、バグが起きているターミナルであふれかえっていたようです。

一番問題だったのは、監督官が残したログにメインフレームが複数回遠隔アクセスして、音声の書き起こしと意味の解析をしている痕跡があったことです。コンピューターが専門の彼は、暗号化されたパーティションを設定して、表にはニセのログを残すことでメインフレームにどうやって抵抗するか、アイデアを書き殴った日記を残していたようです。特筆すべきことは、彼がこの Vault の怪しさに気付いたのが扉が閉められて稼働してからすぐということです。やっぱりみんな優秀な人だったんだろな。

セラフ

暗号化された日記の中に「セラフ」というテープに言及したものがあります。まだプロトタイプではあるものの、メインフレームを出し抜く突破口になるものだったみたいです。ちょっと不安な日本語ですが、別のファイルを見ると、「セラフとは高度セキュリティ防衛と知能メインフレームの貫通を意図した実験的なクラス-IV の超遺伝的なウイルスである。セラフはネットワークインフラを積極的に制圧および制御を拡大し、高度な適応性 AI を活用して感染を無効化する試みに対抗する」との詳細が記されています。さらに彼が国防情報局からの依頼で Vault-Tec で開発していたコンピューター・ウイルスであることがわかります。これを流用してメインフレームの機能を無害化しようとしていたようです。つまり、最初の頃、メインフレーム棟で語られていたウイルスがこのセラムなんですね。

Dr. ブラックバーンがここのメインフレームを再起動させたとき、有害性がきれいに排除されていたのはこのセラフのおかげです。本当に、あともうちょっとの惜しいところだったんですかね。

セラフはキリスト教などの熾天使を指す名詞です。神への愛と情熱で体が燃えているため、火が燃え盛る「熾」の字が当てられているらしいです。セラフの語源をたどっていくと、野火を起こす稲妻だったりもするようです。炎に電流と言うと、ここで実験されていた被験体が頭に浮かびますね。特にクーパーさんが感情移入していたイヌ科の被験体は燃える変異を付与されて亡くなりましたし、電流を流す実験は Dr. ブラックバーンもしています。セラフはここで無残に実験台にされて命を落とした被験体の亡霊なのかな? もっと言うと Fallout 3 の Lesko 博士のアリも火を吹くんですよね。

あと、デマルコスさんは、この Vault の特徴である緊急管理システムについて、「設計したのは私で、プロトコルを書いたのは私の生徒たちだ」と言っているほか、別の日記ではセラフを使ったメインフレームへの攻撃について、「初めて自分の生徒たちに感謝する。彼らがもっと勤勉だったら、突破の余地のある脆弱性を見つけるのにもっと苦労したかもしれない」と語っているので、やはりここのメインフレームは Vault-Tec の学生たちの研究を、監督官自身が教授として添削して統合したものだったみたいです。だから入り口のターミナルに評価シートみたいファイルが残ってたんでしょうね。彼は生徒が勤勉でなかったことを感謝していますが、結果的に自分が責任者として知らされていなかったプロトコルに出し抜かれて命を落としています。あれは学生の分際で生意気であると、生徒の研究に落第点を付けた教授が、生徒に負けた瞬間だったんですね。

若手に出し抜かれる大御所っていうのはこの世の弱肉強食具合を表すいい例ですけど、なんかここらへんもブラック企業の性質が出てますよね。デマルコスさんは、数年で転職するのが一般的なアメリカ合衆国で、15年も勤続している主任教授で、能力もあるので地位も盤石だったんでしょう。いいポジションに就いて、もうゆっくり自分の研究に没頭したいと考えていました。こういう高給取りは、自社の社員には馬車馬のように働いてもらわないと困る企業には好ましくない存在です。それを追い出すために白羽の矢が立ったのが、無料、あるいは格安で酷使できる学生です。大きな将来性と大きな承認欲求があり、体力と野心もあって無理も利く、こんなに使いやすい人材はないでしょう。ここらへんはちょっと、派遣だなんだで使いやすい人材を安く使い捨ててきた日本社会に住む者としてもしょっぱい気分になる現実があります。

そんなわけで監督官のデマルコスさんは、監督官の仕事でみんなにノルマを伝える以外は自室に引きこもってセラフの改良とメインフレームを欺く準備をしていたようです。これが頭に血が上りやすいヒギンズさんの反感を買っていた日記にもつながります。

ヴァラヤさんが処刑されたとき、ヒギンズさんから非協力的な態度を責められて、今まで自分が計画してきたことをみんなに打ち明けることにしたようです。ヒギンズさんも懲戒処分の過去があるほどの人なのに、ここまで怪しい監督官に嫌味を言う程度の悪態しかつかないんですよね。不信感から大きな問題を起こさなかったのは普通にいい人だと思います。これが感情に踊らされない知能か。世の中もっと居住者との揉め事から悲惨な末路をたどった監督官がいたはず。逆に懲戒処分って何をしたんだろ?

全然関係ないけど、ここのホロテープにもジョニー・トゥーガンズだかツーガンだか・ジェントルマンの声優さんがいたような気がします。たぶん声に特徴があるから印象に残りやすいんですね。

寝ながらホロテープを聴く76のワイ

あとは Dr. ブラックバーンの独白ホロテープがこれでもかと置かれています。ちゃんと聞いて行ってねという圧を感じます。あのアホみたいな選択肢で延々会話を聞かされるイベントがあったあとなんですよ……?

せっかくなので、監督官のオフィスの贅沢ベッドを拝借して、リラックスしながら『FEV 研究ログ #1』を聞いていきます。記念すべき記録第1号ですね。そう言えば、久々にログインしたら、なぜかベッドに10cm くらい埋まる寝相がスタンダードになっていませんか。フカフカ低反発が過ぎます。

結局このホロテープは、学生時代からしっかり記録を残しておきたい性質を発揮していた Dr. ブラックバーンの自分語りでした。なんでこんだけ独白ホロテープがあるのかっていう説明かな? そのわりには録音したっきり、きっちり整理して保存しようとしていないので、子々孫々どころか、あとで自分が聞き返すことすらできないと思います。けっきょく録音しただけで満足する自己満足なんでしょ? 聞かされるほうは余計にまどろっこしいよ!

「ウェイストランドを徘徊する突然変異した恐ろしい存在。それらに脅える、すべての生存者の顔に私の過ちが刻み込まれている」というセリフを聞いて、ダゲール司令官の味方クエストで出てきたエマソン・ヘイルだかハルだか博士を連想しました。「いつの日か、私が行う悪行から善が生まれる。できることならそれを目撃し、理解してくれることを願う」だそうです。みんな罪悪感なのか、自己イメージを挽回したい焦燥感なのか、よくわからんけど、利己的な感情で余計なことしすぎじゃない?

ベッドの横のサイドテーブルには『FEV 研究ログ #148』がありました。声が疲れています。被験者が自分と同じ人間である現実を前に精神的に疲弊しているようです。私だって真っ当な良心を持った人間だアピールをしたかったようです。

ハンターズビルの記憶

次は『FEV 研究ログ』とはちょっと違う『ハンターズビルの記憶』というホロテープを聞いていきます。ウエストテック時代の恨みを丁寧に解説してくれる独白になっています。内容を掻い摘まむと、以下のことがわかります。

  • Dr. ブラックバーンが最初にウエストテックで取り組んでいたプロジェクトは「温室計画」というらしい。
  • 温室計画は食糧問題を解決するためのプロジェクト。
  • FEV の研究が優先されて、温室計画は中止になった。
  • FEV はもともと中国との細菌戦争に備えた反免疫性ウイルスだった。
  • 研究の過程で FEV は生物兵器のスーパーソルジャーを作り出す目的で開発が進んだ。
  • 温室計画が中止になったときに、Dr. ブラックバーンの研究を横取りしたのは Dr. エリアス・カーンで、Dr. ブラックバーンを引き留めたのは Dr. デューモント。
  • ハンターズビルの水道を使って FEV をばらまく実験計画は Dr. カーンによるもの。

先に研究棟のホロテープで言ってたアリについては初耳なんだけど、それはどこのタイミングで実験されてたんだろ? ハンターズビルの住民が残してた記録になんかアリに関する記述あったっけ?

マップで見るハンターズビル

ハンターズビルはファウンデーションの北東、ウエストテックの南西にある町です。そう言えば、この町の外れに B. O. S. の部隊のお墓があるんですよね。

B. O. S. のお墓

今回のクエストに絡んでいるのかしら? まあ、スーパーミュータントと言えば B. O. S. なので、とりあえず物語を膨らませるために置いておいたっていうのもありそうな話ですね。

ハンターズビルが今作のスーパーミュータントの故郷で、FEV の実験場だった設定は、私の記憶が確かなら、このゲームのリリース当初からあります。ファンデーションのほうが新しいぐらいなので、いかにも Fallout らしい要素がやっとメインストーリーで回収されることになったって感じかな。

ナイト・シンに脅される Dr. ブラックバーン

ATLAS 砦に戻ったら、ナイト・シンが Dr. ブラックバーンに銃を突きつけて脅していました。しかし何より驚きなのは現場に残って事後処理を請け負ってくれたスクライブ・バルデスが76のワイよりも早くパラディンとナイトに合流していることです。仕事ができるにしても限度があるでしょうに。これには一生かないません。気軽にスクライブになりたいなんて言ってすみませんでした。

パラディン・ラフマーニは Dr. ブラックバーンの話を聞き、バルデスさんからの報告に耳を傾け、やるべき仕事をやっているようです。ナイト・シンは Dr. ブラックバーンが自分の悪行を自慢げに話していると感じているらしく、それにのうのうと耳を貸すパラディンの対応が気に入らないようです。ナイト曰く、パラディンの差配で、Dr. ブラックバーンも囚人なりに「丁重に」扱われているらしいです。人権に配慮した云々ってやつ?

ナイト・シンはブラックバーンについて、「こいつは傲慢さと自己正当化の権化だ」と評するんですけど、この評価もあながち間違ってないと思います。中二病みたいな、自分の理想を崇高なイメージで語ってるんですけど、実際の本音はかなり利己的な欲求からくる行動じゃないかなって気がするんですよね。しかし相変わらずパラディンと対立するね~。

ブラックバーンは「まもなく、私の同僚たちが改良を加えた FEV を散布するはずだ」とあらためて説明してくれます。ナイトは今すぐ彼を始末したいみたいです。みんながこちらを一斉に見て、76のワイに無言で意見を求めてきます。

なぜかみんなこちらを見つめてくる

ここはワイも乗っかって、「なぜまだこの男を殺してないんだ?」と言うことができたんですが、タリーちゃんと一緒に、今回は殺せるにしても生かす線で行きたいと思います。殺せそうなら PlayStation 4のデータでいくらでも殺せるでしょうしね。なので、「無防備な捕虜を殺すわけにはいかない」と、武人の矜持に訴えかける作戦でいきます。

しかしナイト・シンには響かなかったらしく「これは正義だ」とまだ誅殺したがっています。パラディンが間に入ってきて、Dr. ブラックバーンの仲間をとめるのが先決なので、説得に使えそうな彼は残しておこうと意見を出してくれます。

晴れてまだまだ生きられるブラックバーンに、また質疑応答で仲間の居場所やウイルスをばらまく魂胆を尋ねることができます。もう全部 Q & A 方式だな。

ウイルスをばらまく方法がいまいちナゾなんですけど、「散布が始まれば、ウイルスは雨と地下水に混ざり合い、止めることは不可能になる」と語られています。雨に混ざり込むと言うので、蒸発でもさせて大気中にまき散らすのか、あるいは打ち上げるのか、どこかに奇跡的に残っている人工衛星でも使って宇宙から落とすのか、具体的な想像がいまいちできません。

こうべらべら計画について漏らしてくれるブラックバーンに対して、「なぜ止めるのを助けてくれるんだ?」と聞けるんですけど、「私は兵士ではない。厳しい取り調べには耐えられん」だそうで、最初から口をつぐむことを諦めているようでした。なんか口が達者なだけで、実際はあんまり筋が通っている印象もないんですよね、この人。それが物語のご都合主義感を助長させて、さらに物語が薄っぺらく見えてしまいます。キーカードを持っているのに助けを求めてくるタリーちゃんのくだりでも書いたんですけどね。

ブラックバーンとしては、ここで口外するのが遅かれ早かれ、この間にも仲間たちが散布の準備をしてくれているので問題ないという考えらしいです。また、彼としては自分の行動がやましいものではなく、むしろ、必要悪を多少はらんではいるものの、それ自体は世界をよりよくするための崇高な使命みたいなものらしいので、こうやって協力的になることで、この計画の正義が損なわれることを避けたいみたいなことを言っています。正しいことをしているのだから、何も隠さずこの大義を理解してもらおうというわけです。ナイト・シンがそばでキレています。

仲間はウエストテック社にいるそうです。「FEV の過ちを、それが生まれた場所で修正するのだ。ロマンチックな話だと思わないか?」あたりの発言は、完全にいっちゃってる感あると思います。これは自己陶酔だな。

ここまで話を聞くとウエストテック社に向かうべきだという選択肢が表示されるようになり、クエストが先に進みます。質疑応答タイムの会話も、能動的に選択肢を選んでいるとはいえ、けっきょく一本道なんですよね。それが透けて見えるのも、面白みに欠ける要因かな。

パラディンからウエストテックの入り口を確保するように命令されます。ほかのみんなも来てくれるそうです。たぶん次が総仕上げのクエストかな? この流れからすると不安ですが、できればちゃんとまとめてほしいな。これだったらベケットの味方クエストのほうがよっぽど豪華だった気がします。

ナイト・シンは相変わらずパラディンの命令が気に入らないようです。ブラックバーンを殺して施設も爆破すればいいと乱暴なことを言っています。バルデスさんが、そんなことしたらウイルスごと吹き飛ばしてまき散らしてしまいかねないと諫めます。ごもっともなツッコミをみんなの前で受けてしまったわね。納得したナイトは、現場にブラックバーンを連れていく監視役に名乗り出ました。混乱に乗じて、こっそりやりかねないので心配です。

The Catalyst

そんなわけで次のクエストは The Catalyst というらしいです。なんか不穏な響きだな~! 誰かも言ってたけど、B. O. S. に FEV の組み合わせなので、マリポーサ軍事基地で FEV の研究を知ったロジャー・マクソンの追体験ができるパロディになっているのかもしれません。脚本がいまいちって愚痴を書き連ねてましたけど、オンラインゲームなんてこんなものなのかもしれませんね。私はシリーズ最新作を今でも待っているぞ!

というわけで、次回はウエストテックに行きま~す。

Twitch 次回に続く
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