ブログを読んでくださっているかたから、また「The Sims 4 をしていたなら好きそうなゲームがありますよー!」と教えていただいたゲームのデモ版を実際に Twitch でプレイ配信してみました。House Flipper City(ハウス・フリッパー・シティ)という大家シミュレーションゲームです。クチコミ、いつもありがとうございます♥

古くて汚いボロボロの物件を買い取って、キレイにリノベーションして、好みの家具で飾り立てて、売ったり人に貸したりしながら資産を増やしていく経営シミュレーションになります。私みたいなプレイヤーは、買い取った物件を自分好みに仕上げる工程が醍醐味になるやつですね。今はまだ製品版はでていないんですが、無料のデモ版が Steam で遊べるので、チュートリアルを試しにやってみました。

全体的な感想を先に書き出すんですけど、品質という点ではものすごく不安です。完成に向けて、なにか大きなビジョンで作った作品の一部を切り取ってデモ版にしたっていうよりかは、大人の事情である程度できあがっている風に装うためにデモ版が必要だったから急きょ掘っ建てで作ったみたいな匂いがプンプンするんですよね。

細かい部分はまたこのあと説明しますが、先に見たトレーラーと比べて UI が変更されていて、ゲーム設計に迷走している痕跡が見られますし、文字が変なところに表示されていたり、素っ頓狂なところにアイコンがあったり、置こうとした家具が部屋の隅に詰まったり、ボタン操作の割り当てが洗練されてなかったり、ゲーム性もプレイヤーを楽しませるためというよりかは、タスクが必要だから行き当たりばったりで用意したみたいな印象がすごくします。

ただ、ものすごく好みなゲームなので、頑張って仕上げてほしいなと期待しています。家具とか壁紙の種類は、The Sims 4 もそうだったんですけど、とりあえずベースゲームを作って、追加パックっていう形でどんどん追加していけばお金儲けもできると思うので、こういうゲームはインディーならなおさら、とにかく仕上げてリリースすることに意味があると思うんですよね。

チュートリアル

チュートリアルをやっていきます。物件を買い取って、キレイにリノベーションして、家具を置いて、人に貸して利益を上げる流れをアマンダ(Amanda)さんが教えてくれます。「オッケー、アマンダ。お前を消す方法」

街の様子

あ、いえ、ついネタ心で書いただけで、アマンダさんは実際に消えられると困ります。彼女はまず House Flipper City を案内してくれます。この俯瞰のシティ・ビューがこのゲームの基本画面になります。ここから丸いアイコンで表示されている各物件を表示して操作していきます。

画面の左上に表示されているのが、大家 Misako の全財産5,000ドルと名声1000ポイント、ナゾのいいね 👍 100ポイントです。たぶん名声がリノベーションをしてくれる業者向けの名声で、いいねは入居者からの評価だと思います。

アパート第一号

最初に買い取ってリノベーションをする物件に行きます。記念すべきみさこ荘第一号です。

報酬

このゲーム、よくわからないけど、物件を買ってキレイにするタスクを終えるとどこからか報酬が出ます。この物件の作業で使える予算は5,000ドルが上限で、5,000ドルから使った費用を差し引いたぶんが私の懐に入ります。実際の大家業もこんなシステムがほしいぜ! あ、あと名声も2,000ポイントもらえます。この名声を使えば、そこらへんで寝っ転がってニートしている業者に声を掛けて仕事してもらえるようになります。

物件をキレイにするタスク

買い取ったばかりの物件は、なかにゴミが散乱していたり、壁がボロボロだったり、水道管が破裂して水漏れしていたり、電気の配線に失敗して漏電していたり、いろいろと問題があるので、業者を派遣してまずこれらの問題を片付けないといけません。契約を結んで仕事を発注できる業者にはそれぞれレベルがあるので、物件の問題箇所に表示されている条件に見合う人材をうまいこと割り当てないといけません。かつ、現実と違って大家自ら出動して DIY という手段がないので、いかにうまく業者に仕事を割り当てて安く仕上げるかも大家の腕が試されるところなんだと思います。

業者に作業を依頼すると、完了するまで時間がかかります。急ぐときは右上のゲーム・スピード調整ボタンを押せば早送りできますが、そうすると時間が進んで税金の徴収がきたり、ほかの物件の契約が切れたりといった変化も起こるので、理想を言えば、マルチタスクでいろんなことを並行して進めるほうが効率的です。

業者を新たに雇う

業者が作業しているあいだに、新しい業者をスカウトします。仕事を依頼できる業者は、物件と同じようにシティ・ビューで眺めているとアイコンで表示されるので、どんどん開拓できます。各人のステータスを詳細画面で確認して、必要な名声ポイントがあれば次から一覧に加えて、仕事を依頼できるようになります。

新しいアパート

もうひとつ、新しいアパートに手を出します。報酬はさっきと同じ5,000ドルですが、今回のアパートはもうちょっとやらなければいけないタスクが増えて複雑化しています。業者に頼んでリノベーションしたあと、部屋の区切りをもうひとつ増やして、冷蔵庫とレンジを設置しないといけないようです。独立したキッチン部屋を作れってことみたいですね。

増えたタスク

今回は雑多な大工仕事だけでなく、水道管の修理も必要になっているので、きちんと技能を持った業者を割り当てないといけません。かつ、安く仕上げることも意識します。

壁

業者の作業が完了したので、画面中央下部のメニューから新しいキッチンの壁を作っていきます。壁を作ったらドアを設置します。ここらへんの操作は本当に The Sims 4 に似てますね。

壁の色

壁の色を変えることもできますし、壁紙を貼ることもできます。1マスずつ区切って塗ることもできれば、 Shift ボタンを押すことで部屋の壁をまとめて変更することもできます。ここらへんも The Sims 4 と一緒ですね。やっぱり参考にしているのかな。

全部一気に塗れる壁

色と壁紙の種類はそれなりに豊富で、こだわって塗り直しているとどんどんお金がなくなっていきます。家具もそうですけど、最初はかなりシンプルなまま人に貸し出して、資金を貯めるところから始めたほうがよさそうですね。

冷蔵庫の設置

部屋ができたので、タスクにあるとおり冷蔵庫を設置していきます。家具は好きな角度で、好きな場所に置けます。色もある程度の選択肢から選択して好きに変えられます。

家具の色変え

家具の色は選択肢がある程度決まっているんですが、細かくカスタマイズできるので、これもこだわり出すと沼になる気がします。

部屋の種類

このゲーム、各部屋は置かれた家具によって用途が自動的に判別されるようになっています。さっきの部屋は冷蔵庫を置いたので、あとはレンジを置くだけでキッチンとして自動認識されます。冷蔵庫とレンジって、自炊する気が清々しいぐらい感じられませんが、あくまで最低限ってことなんでしょう。ひとつの部屋に複数の種類を割り当てることも可能で、ここにダイニングテーブルとイスを突っ込むとキッチン兼ダイニングルームになったりもします。

あと各部屋にはスタイルという設定もあり、例えば北欧風の家具を重点的に置くと、インテリアデザイン面での部屋の特徴が「北欧風の様式」というふうに決まってきます。この設定はこのあと人に貸し出すときに、部屋の構成と合わせて、「ダイニングルームは独立した部屋にしてほしい」や「北欧風の部屋がいい」といった要望を出されることがあるので、借り手に合わせて調整しないといけません。とくに借り手の選択肢が少ない場合は、家具を入れ替えたり、壁で新たに部屋を仕切ったり、都度要望に応えながら賃貸の契約を結ばないと、収入が途絶えてしまいます。

レンジ

とりあえず今はキッチンを完成させないといけないので、レンジを設置します。レンジはテーブルの上などに設置できるんですが、今はまだないので、とりあえず床に直置きしておきます。お金が貯まったらキャビネットを並べるなどして、こだわって作れるようになります。

キッチン完成

レンジを床に置くと、左の部屋構成の情報画面できちんとキッチンと認識されるようになりました。いわゆる 1LDK みたいな表記の内訳が、ここで確認できるようになっています。

コンロも設置

残るタスクはコンロを設置するだけなので、適当な場所に設置しておきます。タスクがすべて完了すると、画面中央上部に“Complete(完了)”ボタンが出てくるので、これを押すと予算から費用を引いた報酬が大家の懐に入ります。

完成

右上のアマンダさんが前のアパートでも“Complete”を押すのを忘れるなと教えてくれるので、シティ・ビューを経由して前のアパートに戻ってきちんと完了させておきます。これで練習の2物件のチュートリアルは完了です。

新しいアパート

同じ要領で新しいアパートに移ります。明らかになにかの召喚を試みた痕跡があります。Phasmophobia に出てきそうですが、このゲームにホラー要素はまだないみたいなので、掃除をして見た目だけキレイにすれば大丈夫です。事故物件は不動産業界ではあるあるでしょうから、除霊業者とかもそのうち DLC とかで出てこさせるのもありですよね。きちんと除霊しないと賃貸契約が長続きしないとか、リアルな設定でありそう。

売却か賃貸

業者に頼んでキレイに掃除できた段階で、家具を入れる前にこの物件を売るかどうか選べます。売ったほうが資産になるみたいなんですけど、このゲームの売りって、やっぱり自分好みの部屋を作る工程だと思うんですよね。このチュートリアルでは貸し出す方向で作業を進めます。

家具を入れていく

ということで、家具を入れていきます。ここでこなさないといけないタスクは、寝室、バスルーム、キッチンをそれぞれ独立した部屋として作ることなので、あらかじめ区切られている部屋に、それぞれの部屋と認められる必須条件の家具を入れていくだけでクリアできます。具体的には、寝室にはベッドと衣服をしまうチェスト、バスルームにはシャワーかバスタブとトイレ、キッチンには先ほどと同じ、冷蔵庫とレンジを置く必要があります。

冒頭に少し書きましたが、このデモ版、ところどころの操作がぎこちなくて、家具を選択して設置するときに、なぜだかアパートの隅に詰まってしまうナゾの現象が起こります。うまく選択できなかったのかなと思って何回も選択すると、シャワーブースが何個も部屋の隅に固まって、お金だけやたらかかる罠にハマります。

借り手

お金がない最初のうちは、最低限の家具だけ置いて、さっさと貸し出しておくに限ります。借り手は画面右手中段に顔アイコンの一覧が表示されていて、カーソルを合わせると各人の求めている物件の好みが表示されます。ナチュラルな家具でそろえられた部屋とか、物件固有の特徴である静かな環境や交通の便がいい立地など、すべての条件が希望と一致していないと、その人に貸し出すことはできません。あと、借り手の職業も表示されるので、ストリッパーとかの不安定な職業は、会計士などの職業より賃貸契約が短く終わる傾向があるとか、なんか隠し設定がありそうだなと勝手に推測しています。

少なくともチュートリアルをした感じでは、賃貸契約は1年そこらで早々に切れることが多いように感じています。数年住み続けてくれる人はまだ見たことなくて、そうすると希望の条件に合う人がどんどん少なくなっていくから、最終的に貸せる相手がいなくて収入がなくなるようになります。ここらへんのバランスは製品版でどうなるのか気になりますね。

物件外のタスク

とりあえず最初の貸しだしはできたので、次の新しい部屋に移ります。タスクは最低2部屋ある構成にすること、独立したバスルームを作ること、ベッドルームとキッチンを作ることです。

なにはともあれ、同じ流れで業者を入れるところから始めるんですが、この部屋、問題のタスクが部屋の外側にあります。この位置だと廊下になんかあるのかな? こんなん初見では気づけないと思うので、設置ミスだと思うんですよね。こういうところを見ても、完成度に不安が残ります。なんとか製品版を作ってくれ~!

決算

部屋を貸し出したことでビジネスが動き出したので、毎月決算画面が表示されるようになります。家賃収入から運営に必要な費用や税金を差し引いた額が懐に入ります。ところで配信中も言ってたんですが、一月5,368ドルって家賃高くないですか? 60万円ぐらいってことですよね。配信では「年間かな~?」って言ってたんですけど、“Monthly Summary”ってめっちゃタイトルついてますね。この街、ヤバい場所かもしれません。どうりで定住できないわけです。

新しい借り手

最低限の家具を置き終わって、タスクも全部こなせたので、こちらのアパートも借り手を吟味します。条件が合う男性ストリッパーがいたので、貸しておきます。

ちなみに、こちらの物件の特徴は“Well connected(優れた交通の便)”で、この前の物件は“Quiet neighborhood(静かな地域)”です。独立した寝室がほしいとか、家具はインダストリアル風にまとめてほしいみたいな要望はなんとでもあとから調整できますが、まずここの物件自体の要望が合わないと話にならないので、物件の選択肢が増える製品版ではこういう貸しやすさも吟味しないといけなくなるかもしれません。

新しい部屋

2軒貸しに出せたので、調子に乗って高い物件に手を出しました。ほとんど手持ちの資金が残らず、浴槽を置いただけでなにもできなくなってしまいました。

本当はもうちょっと資金が貯まるまで手持ちの部屋を貸し出し続けて体力が付いてからこういう高い物件に手を出すべきなんでしょうけど、このデモ版では要望に応えられる借り手が限られているので、収入が早々に途切れてしまうんですよね。そういう点で、ずっと遊び続けられる内容とは言えません。

ゲームオーバー

手持ちの資金が尽きたところで、ゲームオーバーとなりました。正直、経営シミュレーションとしてのゲーム性はガバガバなんじゃないかと思っています。だから開発陣からしても、醍醐味はやっぱりインテリアに凝って、理想のアパートをいくつも作れることだととらえられているんじゃないでしょうか。

いろいろ不安点が残る出来ですが、好きなテイストのゲームなので、とにかくリリースまで無事にこぎ着けてほしいところです。頑張って!