ひょんなことからしばらく会っていなかった育ての親の最期を看取り、遺体を焼却所まで背負って運んで、一人で火葬することになってしまった配達人のサム。前回で無事に火葬が完了し、ついでにあの世から湧き出てきた亡霊たちの密集地帯からも脱出できたので、これでようやくもとの生活に戻れると考えていたサムでしたが、義母が残したブラック企業のほうがどうやら上手らしく――というのが今回のお話です。

Poznan

ひとまず山の上の窪地にある死体焼却所から生きてキャピタル・ノットシティに戻らないと話になりません。BT がウジャウジャいる座礁地帯を抜けて裾野の川を渡ったあたりで、これまた Low Roar の楽曲 Poznan が流れます。行きの Bones もそうですけど、川っていうタイミングが強調されているように感じるので、やっぱり三途の川的な境界線を連想させるんですよね。

ちなみに Poznan(ポズナン)はポーランドの都市名らしいです。ポズナンはポーランド語で「知る」を意味する動詞が原形らしく、分詞のポズナニで名詞にかかって「知られた」という意味になり、それがなまってできたポズナンは、ようは「名の知れた街」ぐらいの意味になるみたいです。「有名な」なにか、「よく知られた」なにか、というふうに文脈によって名詞が内包されています。この楽曲はなんなんでしょうね?

Poznan はけっこう短い曲で、歌詞も端的です。「仮にボクたちが壁を壊せたとしても、それは口で言うほど簡単なことではない」というフレーズから始まり、最初は自分の逃げ道をわかっているから、走って走って、でも途中でその逃げ道がないことに気付いて、行き詰まって、メチャクチャにされて、「丘の上の檻のなかが自分の朽ち果てる場所」と歌って終わる、なかなか精神的に病んでいる内容です。最初からけっこう追い詰められていて、感覚を麻痺させて従うべきか、あとから自責の念に駆られて潰れるべきか悩んでいたりもします。

サムも帰り道はやってもやらなくても精神苦みたいな感じで悩んでいたのかな? 小説 DEATH STRANDING では、これでまた気ままなフリーランスに戻れると一安心しているところもあったような描写なんですが、義母の意志を継いで彼女が残した組織に協力しなくてもいいのか悩んでいたのかもしれません。サム流 Poznan でよく知られているものは、確執が残る母を見送る苦悩とか、母を見送る上で果たさなければならない社会的義務とか、先立つ母から残された期待とか、一般にそう少なくない人が経験する感覚かな?

焼却所前の座礁地帯を抜けると、あとの道のりは難しくないので、そんなこんなでサムが無事にキャピタル・ノットシティに戻ってきました。

手形びっしり

焼却所前で一度でも BT のハンターに捕まっていると、サムの体にハンターの黒い手形がビッシリつきます。この手形だけでもけっこうなホラーポイントだと思います。ギョッとするもんね。尻もちをついてキャッチャーの前に引きずられていくと、もっと全身真っ黒になります。

逆さ虹

サムが後ろを振り返ると大きな逆さ虹が見えます。サム、目的地の前で振り返るのが好きなんですよね。方角から言うと、このときサムが向いているのはカナダがあった北側だと思うので、厳密には焼却所の上に出ている逆さ虹じゃないはずなんですけど、演出的には座礁地帯の危機が遠方に見えることで安心できる拠点に帰ってきた印象が増しています。

逆さ虹って、出るときはかならず垂直の筋みたいなのがチラチラッと光るんですよね。空に伸びたへその緒を垂直にキレイに並べたっていうか。これってちょっと、のちほど出てくるアメリのネックレスに似ている気がしました。

アメリの結び目ネックレス

アメリのネックレスはサムが幼少期に人と人をつなぎとめる結び目をモチーフにして彼女に贈ったものだったはずです。結び目(knot)という言葉はブリッジズの配達拠点になるノットシティの名前にも使われています。このネックレス、上のカーブを描いた2本のチューブ状のパーツが逆さ虹で、その下で時雨が降っているように見ることもできます。逆さ虹や時雨には、サムあるいはブリッジ・ベイビーの存在が絡んでいたりもするのかな?

絶滅体のアメリは、みんなのビーチを自分のビーチとつなぎ合わせることで一気に絶滅させるプランも用意していました。このゲームのなかでは、物事にはいい面も悪い面もあり、むしろいいか悪いかの判断基準も曖昧になるように描かれています。逆さ虹は小説の登場人物によって「凶兆」と明言されていますが、つながることが必ずしもいいことではないと物語の終盤にわかるように、逆さ虹もデス・ストランディング後の自然界ではきっと必ずしも悪いことだらけじゃないんでしょうね。そのいい面は、もしかしたら絶滅体の彼女がブリッジ・ベイビーのサムから影響を受けてできたのかもしれません。

限界に達した BB-28

逆さ虹を眺めて感傷に浸っているようにも見えるサムのもとに、デッドマンから通信が入ります。なにをどう判断したのかわかりませんが、どうやら胸に抱いて帰ってきた BB-28 のバイタルが芳しくないらしく、限界を超えて壊れたという判断に至ったようです。サムが様子をうかがっても、人工羊水にジッと浮かんで反応しません。

デッドマンの言葉で、サムのような能力者がブリッジ・ベイビーと接続すると悪い作用が際立つという設定の説明が入ります。小説の記述によると、能力もたしかに拡張できますが、だからこそお互いの意識や記憶が干渉したり、共鳴したりするそうです。ゲームでは音響関係の「ハウリング」という用語を使った表現になっています。

小説ではさらにサムの回顧によって、過去に非正規品のブリッジ・ベイビーを使って痛い目を見た経験が語られています。なので、ブリッジ・ベイビーとサムの相性が悪いのは、当人にとってもあながち否定できない事実のようです。サムは非正規品のブリッジ・ベイビーと接続したあと、吐き気や悪寒、うつ症状に見舞われ、自殺衝動にも駆られたと述べています。こういった症状はゲームの終盤でサムが治療薬を運んで救うことになる地質学者のカイラル物質中毒症状にもちょっと似ています。あるいは、サムの子という能力者を胎内に宿したサムの妻が、世界の終末の夢を見続ける重度のうつ症状から薬物の過剰摂取で死亡した事件にも似ていると言えます。サムとブリッジ・ベイビーの組み合わせは、死に近づきすぎるんでしょうね。

カイラル物質はホルモン分泌や神経系に影響を与え、その結果、『カイラル汚染』と呼ばれる症状をひき起こす。さまざまな恐怖症(フォビア)の原因にもなり、自殺衝動や破壊衝動に及ぶこともある。君も知っているように、能力者もカイラル汚染の症例のひとつなんだ。

ハートマン

もともとこの世界の能力者は、ブリジットがうっかり殺してしまったブリッジ・ベイビーのサムをビーチで保護してこの世に送り返したことで生まれるようになったという設定があったはずです。その点で、サムが活躍するこの世界には、サム、つまりブリッジ・ベイビーの存在がかなり影響を与えていると考えるのが妥当でしょう。能力者とブリッジ・ベイビーの組み合わせは、ある意味、ブリッジ・ベイビー同士の組み合わせで、死んだ親を探し求めるパニックが二人分上乗せで炸裂するのかもしれません。サムも心のどこかにまだ親を求める幼心を残している可能性があります。

起きた BB-28

BB-28の廃棄には反対だったサムも、ここでついに観念したようです。しかし接続コードを外して歩き出すと、今度は BB-28から呼びかけがあります。サムがポッドをのぞき込むと、彼女は振り返ってサムに向かって左手を伸ばします。前にも書いたんですけど、棒と縄で言うと、左手は縄を持つ救済の手です。その様子を見たサムは、もう一度彼女と接続することにします。

小説版のサムはこのとき、最初からもう一度接続するつもりでコードを外しています。コードを挿し直せばリセットがかかってもう一度呼びかけに反応するようになるかもしれないと、家電みたいな発想で考えています。コードを外したときに赤ん坊の笑い声が聞こえて、挿し直すともう一度接続に成功する流れは同じです。

歌うクリフォード・アンガー

小説では、サムが仕切り直しの接続で BB-28をあやすようにつながりを意識して、「だいじょうぶ、きみは――」と呼びかけようとしたとき、唐突に「―― BB、パパだよ」というクリフの声が聞こえてきます。サムはその顔を「見たことのない顔」と言い切っていますが、その顔を見つめる感覚を「恐ろしさと懐かしさが同居している」と述べています。

ゲームのクリフは少しセリフが違っていて、「私はいつも繋がっている」と視点主のブリッジ・ベイビーに言い聞かせて、あやすように子守歌を歌い出します。この歌はサムが吹くハーモニカのメロディなど、ゲームのあちこちでアレンジされたバージョンが流れるテーマソングになっているほか、クリフとサムの父子の関係が判明するシーンのカギになっています。ただ私は、アレンジが秀逸過ぎて、サウンドトラックをしばらく聴かないとメロディにピンとくるまで時間がかかったりしました。

最初、この一連のクリフの映像は、サムが共鳴して見た BB-28の記憶であるという印象づけがされています。ただ、一度クリアするとわかりますが、これはサムの記憶です。ここのクリフは腕に抱いたブリッジ・ベイビーの我が子を怖がらせまいと一生懸命あやそうとしていて、焼却所で初めて BB-28と接続したときと同じように、そのときのサムと似た心境のクリフが見えているんですよね。BB-28はサムの心と共鳴して、サムが亡くした父親を思い出せるように、そのときそのときのサムに近いクリフの姿をサムに見せてあげてるんです。こう考えると天使ですよね。

ハートを出す BB-28

クリフのビジョンを見せ終わった BB-28はサムに向かってハートを出して、左手をポッドに押し当てます。サムはしばらく呆然と彼女を見つめたあと、口角を上げてうなずくように笑顔を彼女に返します。完全にサムがブリッジ・ベイビーに導かれている構図です。

赤ん坊は自然界では母親の協力がないと生きながらえることができないため、本能的に母親の気を引く術を持っています。赤ちゃんが笑うのは、本人としてはほとんど意味がなく、それを見た母親の育児疲れが和らぎ、モチベーションが上がることを本能的に知っているからという分析があるそうです。育てた人ならわかってもらえると思うんですけど、これだけに限らず、子供というのは親心を刺激するちょっとした無邪気なずる賢さも持っていて自然な存在です。というのも、持っていないと生き抜けないからです。個人の偏った経験から言うことなんですけど、とくに女の子は親を喜ばせる方法をよく心得た子が多いように感じるんですよね。隣の芝が青く見えるだけかもしれませんけど……。

当初のミスリードどおり、BB-28 がクリフの娘だと考えると、彼女はサムに一生懸命自分と親の物語を伝えて、自分も人間だというサムの共感を誘おうとしているなどと考えることができます。それは利己的な行動です。ところが、トリックが明かされた2周目のここでこのシーンをよく見ると、BB-28に自己利益がほぼないことに気付きます。彼女は廃棄されて死ぬかもしれないという間際で、自分視点ではなく、サム視点でなにかしてあげようとしていました。

こういう点もあって、BB-28の存在には自分がないというか、どこか空虚さが漂っています。これはサムのような能力者と接続しても副作用のハウリングを起こさなかった要因だと考えています。彼女は自分を語らず、親も求めず、ただ接続したサムの親を鏡のように反映しているだけです。サムは過去に接続したブリッジ・ベイビーと違って、副作用を起こさなかった BB-28を特別視していますし、最初から相性がよかった彼女は本当に物語上特別な存在だったんだと思います。私の勝手な推測ですけど、おそらく一番自然に物語がつながるのは、サムの実子のルイーズだった説です。

BB-28が BT をスポットできない不良品だったのは、あの世にいる脳死母とのつながりが薄れているからではないかという考察を前に書いたことがあります。オドラデクが例えられる糸巻きの糸、つまり母胎とつながる臍帯のつながりが弱まり、あの世の存在をサーチする能力が薄れていたのかもしれません。ルーの母親は対消滅を起こして存在ごと消えているはずなので、この世にもあの世にも存在しません。ここらへんで辻褄があいます。彼女にはもうたぐり寄せる母親がいないわけです。いない者を探せないので、彼女は死者の気配を最初から探ろうとしていませんが、「一緒に帰るんだ」と呼びかけてくる父親と再会したことで、にわかにその能力が戻ったと解釈することもできます。

家族写真

サムが大切に持っていた家族写真の妻は、時雨で顔がぼやけて過去の人になっていますが、彼女が大事そうに手を添える膨らんだお腹までは及んでいません。お腹の子がまだ存在することを示唆しているのかもしれません。

あとは物語の展開を見るに、サムの義母と一緒に焼却所に送られていたり、エンディングでアメリのネックレスを持ってこの世に帰還していたりと、絶滅体と対になるように描かれている点も特殊です。BB-28はもともと死体処理班のイゴール先輩の装備なんですが、彼の考察でどこか日本の戦前・戦後世代の差を感じると書いたことがありました。おそらくこの物語、親子の愛を描くことで、絶望的な世界でも世代を紡いで、進化することをやめるなというメッセージがあるように感じます。世代と言えば、父のクリフと、クリフから奪った子を我が子のように愛した義母ブリジット、その愛された息子サム、そしてここにアメリからネックレスを受け継いだルーが続けば、キレイに世代の流れができます。

シャンデリア

そう考えれば焼却所の印象的なシャンデリアも家系図っぽく見えるような気がしてきます。あと、アメリのネックレスとつなげて考えると、このシャンデリアも環状の虹から雨粒が落ちているデザインと考えられなくもないですね。

ルーがなぜ今になってこの世にいるのかという説明は、アメリに連れ戻されてブリッジ・ベイビーに仕立て上げられた説が有力だと思います。加えて、ルー自身がサムの性質を受け継いだ帰還者で、最近まで結び目で漂っていた可能性もあるかなと考えました。ルーも死ねない帰還者であると考えると、イゴール大爆発をはじめ、サムが死ぬたびに一緒に帰還する理由が補強できます。サムにとって彼女は装備品ではなく、最初から一人の人間です。接続もしていない、装備品でもない彼女が、サムと一緒に結び目から帰還してくるのは、よくよく考えるとちょっと矛盾していることでした。母を亡くして孤独に結び目でずっと漂っていた娘が、父親の「一緒に帰るんだ」の呼びかけに呼応していると考えると、接続前から異様に親和性が高かった二人の絆にも納得できます。

ただ、矛盾があるなと思うのは、デッドマンがたびたび不良品の BB-28のためにメンテナンスをしていて、ルーの脳死母の不在に勘づかないわけがないという点です。あと、エンディングでポッドから出されたあとの蘇生シーンでは、BB-28の黒いへその緒が見えています。帰還者になる仕組みは明らかにされていませんが、サム周りの描写を見るに、彼の場合はへその緒を切られたことが大きな原因だと思われるので、ここらへんの帰還者特質の遺伝要素の説明が必要になってきます。

まあ、BB-28はルイーズ説もほとんど私の妄想です。あくまで今後の考察でちょっと考えるとおもしろい可能性のひとつとして書き残しておきます。

今ちょっと引っかかっているのが、BB-28とクリフの関係です。彼女はこの後も定期的にクリフの映像をサムに見せ続けます。まだサムと未接続だったイゴール大爆発のあとにも、彼女の喉を通る形でクリフの映像を見せていました。ある意味、彼女が唯一能動的にやり続けている可能性がある行動です。なぜ彼女がこうもクリフにご執心なのかは、別途考察していく必要があると思います。

そこで、もうひとつ考えるとおもしろいのが最初から絶滅体の生まれ変わりだった説ですね。サムのお母さんの名前といい、今作に没になったプロットが少し盛り込まれている様子がうかがえる未発表作品 Silent Hills のシリーズを原点まで振り返ると、第一作の SILENT HILL では、神を宿したアレッサという少女が、シェリルという幸せな人生を生きる分身を生み出しています。二人が元に戻って、主人公に神の誕生を阻まれてからは、もう一度神を宿した自分の分身の赤ちゃんを主人公に託して死んでいます。その赤子が成長して、シリーズ第三作の SILENT HILL 3 の主人公ヘザーになります。ブリジットはすでにアメリという分身を誕生させているので、ブリッジ・ベイビー実験が功を奏してなんらかの形でブリッジ・ベイビーを依り代に自身の赤子の分身を作れたとすれば、絶滅体のアメリが与えた壊れた人形に代わって、BB-28がサムの喉の奥に居座ることにも説明がつきますし、クリフの映像を見せるのもブリジットの狙いと一致していますし、諸々の特殊性も絶滅体だからですべて説明がつくので、エンディングでアメリのネックレスを持っているのも当然の流れと考えられます。こっちはある意味、ホラー路線確定ですね。

評価S

そして今回の火葬ミッションの評価は驚愕の S でした! 死んだオカンを48時間以上放置して敵のアジトを見に行ったり、まだまだ先の配達拠点を見学しに行ったりして、ほっつき歩いていた放蕩息子もこの評価ですよ! 文字どおり世も末!

ミッションの評価を挟んだあとは、帰還したサムにデッドマンが駆け寄ってくるムービーが始まります。一人気ままなフリーランスとは違い、任務から無事に帰ってきて喜んで迎えてくれる人がいるというのは組織に縛られると見えてくるいい面でもあります。デッドマンは早口に「シャワーを浴びてきたらどうだ? カイラル物質の汚染が酷い。これから『大統領』に会うんだぞ」と一方的に話し続けます。前回の記事にも書いたんですが、サムが焼却所前の座礁地帯で一度も BT に捕まっていなければ、スーツがカイラル物質で汚れることもないので、ここのセリフも変わるかなと思ったんですが、変わりませんでした。いちおうキレイなサム版も上に載せておきます。まあ、このサムも48時間お風呂にも入らず外にいて、けっしてシャワーが要らないような衛生状態じゃないんで、会話自体に違和感はないんですけどね。スーツも見た目に薄ら汚れていますし。

怒りのサム

いきなり義母の最期を看取って、自力で遺体を運んで火葬して、普通に死にかけて、赤ん坊の始末まで押しつけられて、けっこう理不尽な任務から帰ってきたのでさすがのサムもお怒りのようです。会話のなかにまた「大統領」関連の行動を強いる言葉が出てきて、イラッとした感情が口を突いて出てしまいました。

デッドマンは帰還したサムに矢継ぎ早に言葉をかけたあと、ふと「怒ってるのか?」とサムの機嫌に気がつきます。小説によると、ずいぶんと理不尽な荷物を背負わせているという自覚はいちおうあったらしいです。まあ、普通の人間ならもっと怒りますよね。

中指を立てる BB-28

サムのおかげで命拾いしたと表現して、サムにその言葉を訂正されたデッドマンの手元では、BB-28がデッドマンに向けて中指を立てていました。完ぺきにサムの心情とシンクロしています。小説のなかに、まだ視力があるのかもわからない胎児なのにとセルフツッコミをする場面があるんですが、たしかに BB-28はおおよそ胎児とは思えない挙動を見せます。まあ、これはリアリティ云々よりご愛嬌ですよね。

BB-28との別れ

サムに噛みつかれたデッドマンはおとなしく「命の恩人のお世話は任せろ」と言って BB-28を連れていきます。去り際に「『大統領』によろしくな」と新しい大統領と必ず会うように念押しすることも忘れません。小説によると、デッドマンはサムを新しい大統領に会わせて、ブリジット・ストランド前大統領が10年前に構想したとおり、サムには北米大陸を横断してもらわないと困ると考えているので、修理はもちろん、BB-28を最高の状態でサムに渡せるようにサム仕様にチューニングする気満々で「任せろ」と言っています。しかし当の BB-28はかなり嫌がってサムを恋しがっていますね。ここらへんはサム視点の我が子の可愛さがあります。

さて、BB-28の妄想を書いていたらこの記事も長くなったので、新しい大統領との面会は次回にします。

指さし プライベート・ルームで休憩に続く
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