前回、雨宿り先のほら穴でストーカーの傘女に別れを告げた配達人のサム。一人に戻るとひたすらお届け物の荷物を回収しつつ、セントラル・ノットシティへと歩き続けることになります。ここからは足場の悪いところで踏ん張り続けると転けるようになるし、転ければ出血ダメージを受けるので、スタミナゲージと血液ゲージをきちんと意識する必要があります。

初回プレイ時はここの道で何度も見事にすっ転んで、ほとんど坂を転がり落ちながらセントラル・ノットシティに到着したようなものだったんですが、今回はさすがに一度も転倒せずに到着できました。道の選び方と、L と R ボタンを押して踏ん張るのがうまくなったんだと思います。

というか私は、初回にあれだけ転んでいたのはプレイヤーのスキルではなく、サムのスキルがまだ伸びていなかったからだと考えていたので、2周目も盛大に転ぶと思っていたんですよね。すんなりお届け完了したので、ずいぶん拍子抜けしてしまいました。サムはこのあと配達するたびに配達人としてのレベルが上がって、踏ん張っていられる時間が延びたり、持てる荷物が増えたりするんですが、この手応えから考えるに、ここで転けるぶんには単純なプレイヤーの力量不足と判断できるようです。どうやら私もサムと北米をつなぎ直すうちに配達人の操作人としてのレベルが上がっていたようです。

クリプトビオシス

道中にはクリプトビオシスが座礁しているサンゴ礁のようなものもありますが、この段階ではまだ捕獲容器をサムが持っていないようで、懐でうじゃうじゃ飼育することはできず、その場で食べることしかできません。どうやらクリプトビオシスの携帯はブリッジズ正式メンバーの特権だったようです。オープニングムービーのトライクバイクといい、インハウスとフリーランスの労働環境の差が如実に現れていますね。

独り言

セントラル・ノットシティのゲートをくぐり、受付まであともう少しというところでサムが独り言を言い始めます。このゲームをプレイしていると、サムが独り言で自分を鼓舞する場面をよく目にするので、超人みたいな伝説の配達人でも人間らしい弱さと向き合っているんだなって、なんだか親近感がわいてしまいます。ついつい一緒に応援したくなります。

さて、セントラル・ノットシティに到着して納品を済ませると、物語の重要人物の一人であるママーが荷物を受け取ってくれます。ただ、この後の展開を知っているとわかるんですが、彼女がこのセントラル・ノットシティに物理的に存在できるはずがありません。彼女は見てのとおりホログラムであり、受け取った荷物の確認も、荷物を直接見ているのではなく、遠隔地からホログラムとして投影された荷物の状態をチェックしているだけだと思われます。いかにも隣の届けられた荷物をのぞきこんでいるような仕草ですが、そんな荷物のチェック方法でいいんかいと思わずツッコミたくなる状況です。もしかしたら、ここで最初に荷物を受け取るのがママーであることに意味があるのかな?

遅かったと指摘しながらも感謝を述べる彼女の態度は現実だと違和感がないものですが、ゲーム内ではわりと辛辣に映るほうだと思います。小島監督は最初、荷物の損傷が激しかったり、指定の配達時間より遅れたりするとケチョンケチョンに言われるような仕様を想定していたようですが、テストプレイヤーからやる気が萎えるという意見が上がって、ゲームをプレイすればわかるような優しい世界に仕上がったようです。ママーのこのシーンはもしかしたらその名残があるのかもしれません。

今回なんとかスマートドラッグを届け終わったサムは、次回ご指名を受けて特別な任務に挑みます。

指さし イゴール・ザ・燃料に続く
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