Vault 79に収められた大量の金塊を失敬するために、ファウンデーションの入植者たちとクレーターのレイダーたちの両方と突撃作戦を企てている WASTELANDERS のプレイ日記です。前回はクレーター側で二丁拳銃の紳士を仲間に引き入れたので、今回はファウンデーション側の新しい戦力をスカウトしに行きます。

バレー・ガレリアの国旗

ファウンデーションのリーダー的存在、ペイジさんに相談しに行くと、前回も少し話題が出ていたとおり、ペニーことペネロペ・ホーンライトさんが「死神の回廊」と名付けたレーザータレット地獄部屋が、今回の Vault 79の襲撃で一番の難関になるらしいです。この問題に対処すべく、ペイジさんはすでにある専門家チームに協力を依頼しているようです。ところが彼らは、ペイジさんたちより76のワイと先に話したいと言ってきたんだそうな。

その専門家チームは、ペイジさん一行が「ピット」と呼ばれる場所からこのアパラチアに逃げてくるまで尾行してきた連中らしいので、たんなる研究家ではなく、こんな時代だからこそ、おそらくサバイバル能力も持ち合わせている凄腕の人たちなんでしょう。ペイジさんには元アメリカ軍の生き残りのように見えたそうです。……え、もしや B. O. S. ですか?

ペイジさんによると、沼地地帯のバレー・ガレリアの裏手にある星条旗を振ることが専門家チームへの合図になるそうなので、言われたとおりに旗を振りに行きました。

ペイジさんたちがアパラチアに来る前にいたと言う「ピット」は、実在するアメリカ合衆国の都市、ピッツバーグを原形とした作中の都市で、実際に Fallout 3 の DLC、The Pitt でその後の発展ぶりを確認することができます。ちなみにピッツバーグは現実で言うと、モーガンタウンの北あたりにあり、Fallout 76 のマップ外スレスレにあってもおかしくない距離です。

元ネタのピッツバーグと同じように、ここは鉄鋼業が盛んで、世界が滅んで文明が失われてからも、独裁政権のもと、独自に発展を遂げていました。しかし鉄を掘るのは奴隷たちの仕事で、口にできるのは汚染水と汚染の末に変異を起こした人肉、さらに産業の副産物として周辺の土壌や水の汚染が致命的に進行していて、放射能汚染だけで軽く死にかけることもめずらしくない過酷な地になり果てています。ペイジさんたちがいた時代はこれよりも150年くらい前の話なので、状況がどの程度悪化していたかはわかりませんが、戦前から汚染や労働環境がひどかったことを示すゲーム内資料が存在するので、アパラチアにわざわざ逃げてくるところを見ると、すでにたまのスコーチビーストの被害くらいなんてことないと思えるぐらい過酷な環境だった可能性があります。

アメリカ軍の生き残り

バレー・ガレリアで星条旗を振ると、どこからともなくフィールズ大尉という人物から無線連絡が入って、北に進んでコンクリート製のシェルターに来いという指示がもらえます。バレー・ガレリアの北側はわりと大きな川なんですが、パワーアーマーを着込んで川底をドンドコ歩いていくと、デッカい蚊がたかっている対岸で、指示通りにフリーステイツ製の「荒らされたバンカー」というロケーションを見つけることができます。そこにはペイジさんの読みどおりに、旧アメリカ軍の生き残りが隠れていました。しかし、B. O. S. とは関わっていないようなので、なかなかめずらしい純粋な軍の生き残りということになります。ピットで独裁政権を築くのは元 B. O. S. の隊員なんですけど、そこから軍の生き残りが先にアパラチアに流れてくるのもなにか意味があるのかな?

これまで沼地地帯には、存在はするものの打ち捨てられていて、なかでアイテムが少々拾えるだけという地下シェルターがいくつかあったんですが、そのうちのひとつが今回、無事に有用なロケーションに昇格することになりました。久しぶりに PC 版でやり直したときに、軍事関係のアイテムがたくさん配置されていたので気にはなっていましたが、こういうことだったんですね。

ところで、もともといたフリーステイツのメンバーだったらしいエレミアさんはどこに行ったんでしょうね? 密造酒小屋で女性と合流できるか気にしていたようなので、フラットウッズでミアという孫娘らしい同姓の女性を追って出ていったエレミア・ワードさんと同一人物なのかなと思ったりもしているんですが、どうなんでしょう?

軍関係の肩書きって、国や組織によって実際の名称や職務、権限はピンキリで、日本人の感覚の基準になる日本軍の肩書きに単純に置き換えられないところがあって、けっこうスクリプトだけポンと渡される翻訳で迷うポイントなんですよね。念のため今回の原語を調べてみたら、上の画像向かって右から、このチームのリーダー的存在のフィールズ大尉は“Captain Fields”、実際にこの後、76のワイと行動を共にするラドクリフ軍曹が“Sergeant Radcliff”で、女性隊員のトンプソン軍曹が“Sergeant Thompson”、軍犬のラッキー一等兵が“Private Lucky”でした。大尉が率いるにしては少人数という気もするけど、大戦を生き残ったメンツと考えると逆に自然な気もします。たぶんラッキーのハンドラーももとは別にいたんでしょうね。ソフィア・ダゲール「司令官(Commander)」はほかにも対訳の可能性が考えられる日本語訳でしたが、今回の翻訳はそれほど違和感はないかな。セリフにアメリカ陸軍とわかりやすい設定があったからかもしれません。

フィールズ大尉

ご指名を受けてのこのこ出てきたわけですが、出会って早々アメリカ合衆国の財産である Vault 79の金塊を盗もうとは何事だと詰問されます。いや、Vault で国の寵愛を受けたのは、今回の計画の立案者でもある監督官も一緒なので、うちの監督官をまず責めてほしいです。

肩書きが多すぎる76のワイ

監督官受け売りの「新たな通貨を作って、経済を築くために金塊をいただく」と経済を意識した崇高な理由を大尉に語ると、自分がそんなに特別だと思っているのかと煽り気味に問われたので、自己紹介をするハメになりました。しかしこの自己紹介の選択肢、さすがエンドコンテンツだけあって、物語も後半にやるとババンとスクロールしないと全部見えないぐらい選択肢が豊富です。76のワイが、どんだけいろんな組織の問題に首を突っ込みまくっているかがわかります。

私は Vault 76の生き残りだ。監督官からの任務を行っている
私は味方だ。階級は上等兵
私はエンクレイヴの一員だ。我々こそが政府なのだ
私はロボットの街ワトガの市長だ
私はファイヤーブリーザー。レスポンダー所属の精鋭スコーチハンター部隊だ
タガーディ中尉と米国陸軍のレンジャー部隊に何が起きたか知ってる
私はオーダー・オブ・ミステリーの最後の生き残りだ
自己紹介の代わりにお前の顎をぶん殴ってやる
特別な人間でもなんでもない。誰かの命令に従うだけだ。あなたと同じように

76のワイ

軍籍も戦後残されたシステムを利用したなんちゃって軍人ですけど、いちおうみんなウソじゃないですからね。個人的に好きなのはオーダー・オブ・ミステリーの選択肢です。今でもボロボロのドレスで女装してますし、全部の選択肢のリアクションを見てみたいです。76のワイは、けっきょく体育会系とはほど遠い性格をしているので、煽られるのが面倒くさくて「ハイハイ、特別な人間じゃないですよ」と受け流すことにしました。さすがカリスマ性の固まり、76のワイです。

こう見ると対スコーチビーストの精鋭部隊だったタガーディズ・サンダー率いるタガーディさんが中尉なので、フィールズさんのほうが階級では上だとわかります。調べてみたら、B. O. S. を立ち上げたロジャー・マクソンも同じ大尉(Captain)だったみたいですね。片や華々しく新組織を立ち上げ、片や地味に潜伏しながら旧組織に残る構図になっているのかもしれません。

ハムスターのハンドラーだった76のワイ

次は Vault 76の真の任務を知っているかと問いただそうとしてきます。この人、面倒くさいです。アパラチアの現状を見るに、監督官と一緒にサイロを確保したあと、核爆弾を山ほどこの母なる大地に落として、核の怪物と化したスコーチビースト・クイーンを乱獲することだったんじゃないかと思われます。おいしいレア・アイテムが手に入るからね! しかし物欲に塗れた俗物と思われたくない76のワイは、戦闘用ハムスターのハンドラーを名乗ることにしました。残念ながらラッキー一等兵のようにラッキーではありませんでしたがね。

部下が嫌いらしいハムスター兵器のウソをついたりした76のワイですが、出会い頭に発砲しなかった時点でかなり高得点だったらしく、いちおう彼らに認められたようです。ここもところどころ翻訳があやしいところがあるんですが、Vault 79に潜入するために必要なレーザータレット対策の具体案がここから明かされていきます。

ロブコの半自律性固定型武器プラットフォーム

ペニーさん命名の「死神の回廊」は、ロブコが政府の依頼を受けて特別に製造した半自律性固定型武器プラットフォームらしいです。よって、この兵器対策の手がかりを得るには、まずクランベリー湿原にある「ロブコ研究センター」に向かう必要があるとのことです。その任務にあたるのは、例のごとく、目の前の軍生え抜きの精鋭部隊ではなく76のワイなんですが、いちおうこのなかから一人、ラドクリフ軍曹が同行してくれるそうです。話し合いが終わると、現地で落ち合います。

ロブコ研究センター

というわけで、ロブコ研究センターにやってきました。ここは高レベルのロボットがウジャウジャいるうえに、タレットもかなりの数が設置されているので、高難易度のロケーションになっています。今から思えば、死神の回廊の予行演習みたいなところがあったのかもしれません。ラドクリフ軍曹はついてきてくれるんですが、例によってあんまり役に立ちません。ちょっとオトリになってくれるぐらいなので、期待は禁物です。

あと、彼、ちょっと皮肉屋っぽいところがあるみたいで、後ろでしゃべってるとちょっとうるさく感じます。たぶん根は小心者で、それを隠すためのしゃべりかたなんだろうと感じるところもあるので、憎めなさもあるんですが、単純に話すことを聞いているとウザいのも事実です。あんまり好んで同行したいタイプではないかなぁ……。

ロボブレイン

ここのロケーションは以前から、がっつりなにかを作っていたんだろうなと思わせる開発部屋らしきスペースがあって、なにかありそうでないロケーションのひとつになっていたんですが、このクエストで意味が出てきました。研究棟と呼ばれるこの場所では、固定武器の研究がされていて、戦前に研究チームの脳をロボブレインに移植する計画が持ち上がっていたことがわかります。なかにはそのためのボディも一体だけ残されています。死神の回廊のタレットを開発した研究家の脳をロボブレインに移植すれば、有益な情報を引き出せるかもしれません。

脳みそクッキング

そうやって唐突に始まるのが脳みそクッキングです。研究チームの各脳はきちんと保存されているようですが、ロボブレインにセッティングできるほど、まだ下準備はできていません。周辺に残されたマニュアルのような研究員の走り書きを参考にして、脳を実際に調理していきます。

ディアスさんの脳みそ

同じロブコ研究センターの施設棟という部屋では、今回のメイン素材である研究チームの脳を調達できます。手に入る脳は全3種類で、固定武器研究主任のディアス博士、エンジニアのグレッグさん、かわいそうなジーナさんの脳です。それぞれ、76のワイのように頭脳明晰なら脳の詳細を知ることができます。脳のヒダの寄り具合とか、シミだとかを根拠に、「ホントかよ!?」と疑いたくなる似非科学知識で、76のワイはディアス博士を不安定な人格の持ち主、グレッグさんは常識的な思考をする平凡な脳、ジーナさんは悲しみを発する脳のようだと評しました。ホンマかいな。

グレッグさんの脳みそ

ロボブレインのボディが1体しかないので、選べる脳はひとつだけです。本当なら主任だったディアス博士が適任ですが、例によってこの終末世界にありがちなサイコパスっぽいので、ここは平凡なグレッグさんの脳を持ち出して調理することにしました。いや、だって、生前に率先して人を惨殺する兵器を作ってた人に、対策を教えてくださいって言っても、ろくなことしないと思うんですよね。平凡ってステキだよ。なにごともほどほどがいいんだよ。

ロボブレインとして蘇ったグレッグさん

脳をうまくセットできるとグレッグさんがロボブレインとして蘇ります。残業がどうとか、キミの顔は見覚えがないから研究チームじゃないとか呑気なことを言っていますが、76のワイは適当にその言葉をかわして、早口で世界がすでに滅んでいることと、ここで開発されたタレットの対応策がほしいことを伝えます。グレッグさんはそれなりに衝撃を受けているようでしたが、事態を理解するとわりとすんなり対策ツールを作ってくれます。

ツールを作るグレッグさん

研究家タイプの人って、頭が回るぶん、一般的な感覚からちょっとズレた人が多いんですが、「平凡」と称されたグレッグさんも例に漏れないタイプみたいですね。世界が滅んだことにいちおう衝撃は受けたものの、いろいろ思考が駆け巡ったみたいで、鬼のような早さで立ち直って、ディアス博士のこだわりがいかに強かったかとか、大戦の核爆弾より彼女が怖かったとか、ブツブツ生前の仕事に文句を言いながら、ものすごいスピードでツールを組み立てていきます。

組み立てている最中、ロボットがまた定期的に湧くので防衛クエストになりますが、グレッグさんは攻撃を受けても我関せずでツールを組み立て続けます。

できあがった軍用規格ツール

約束どおり、“RobCo”印の「軍用規格ツール」なるものができあがりました。たぶん、タレットを無効化するためのハッキング・ツールとかなのかな? グレッグ、お前すげえな。上司に怯えながら人命を奪う劣悪な仕事に従事して、実験の一環として脳を保存された挙げ句、勝手に世界が滅んだあとにロボットとしてたたき起こされて、浦島太郎状態になったってだけで、一気に鬱になってなにも手につかなくなっても不思議じゃないのに、ものすごい勢いで言われたとおりに対策ツールまで作ってくれました。

今回選んだのはグレッグさんだったので、ほかの脳みそ、とくに開発主任だったディアス博士のツールと差があるのかどうかはわかりません。グレッグさんはこんな会社の社員でも、トラウマを持たない平凡な脳みそだったみたいなので、衝撃的な環境で目覚めても任務をやり遂げられた可能性もあります。案外できあがるツールの性質は一緒で、説得の手間も含めた製作過程が微妙に違うのかな?

一仕事終えたグレッグさんは、ディアス博士の脳みそを破壊することを思い付きますが、やっぱり実験に使ったほうがいいだろうと考えを変えます。なんかすでにヤバいマッドサイエンティスト化の気配が漂っています。同行したラドクリフ軍曹は、ツールを持ってさっさとずらかろうと提案します。けっきょくグレッグさんはその場に置き去りにすることになるんですが、放置するとなんかまたヤバいことしでかしませんかね……?

ミッション完了

ファウンデーションに戻ってペイジさんと話すと、これでクエスト完了みたいです。なんかやたらと褒められましたが、「期待以上」とか、持ち上げて今後落とすための布石としか思えません。今回の76のワイの天才的な働きで、フィールズ大尉のチームは正式にファウンデーションに留まって、彼らの一員となることに決めたようです。

フィールズ大尉からお褒めの言葉

フィールズ大尉は素直に76のワイを褒めてくれました。このワイのおかげで、ファウンデーションは外部から、天才的な頭脳を持つ資産家のペネロペ・ホーンライト博士と、中国共産党のエリート工作員のモチョウさんを引き入れ、その過程で敵対国の血を引くメンバー、ジェンさんとのつながりも強めることに成功しました。ワイ、すごくない?

前回のジェントルマン・ジョニーの話で少し触れたんですが、クレーター組が社会の爪弾き者やならず者をかき集めたチームなら、ファウンデーション側は協力することを拒んでいた既得特権層の団結を描いていると思うんですよね。ファウンデーション側には今や、アメリカ市民だけでなく、かつての敵国だった中国共産党員やその血を引く不法移民もいるし、まさに彼らと戦っていたアメリカ陸軍の生き残りまで合流して共存しています。

こうやって風変わりなメンツが団結したファウンデーションですが、76のワイは以前から書いてきたとおり、Vault 79にはクレーターのメグ母ちゃん率いるメンツと一緒に突撃するので、彼らのその後の戦いはわかりません。モチョウ・ママのセクシースーツやグレッグさんが作ってくれたツールは果たして本当に役立つんでしょうか?――私は知りません!

キツネ

ところで、前回、未確認生物モニターなる物を回収して渡してあげたレイダー・パンクくんですが、その後、ランダムっぽいクエストをくれるようになりました。たぶん最初の機材を回収するクエストは特別で、その後は収集者のおじいちゃんみたいにランダム内容の繰り返しクエスト生成機と化すのかな? いちおう彼のクエストでレジェンダリー武器(証書)を何個か手に入れることができました。頻度は日に一度ぐらいですが、リセットされる時間帯が決まっているようなので、クエストを受注できるタイミングは、場合によってはシビアかもしれません。

そんな彼のお使いクエストで久々にキツネを見たのでパシャリ。以前はカットスローツのデビッドがお気に入りだったらしい「ビッグフレッドのバーベキュー小屋」に行けばもれなく見つかるわかりやすい動物だったんですけど、WASTELANDERS になってから「ここ!」という生息場所がなくなった気がします。あと、植物も採れる場所が変わっていたり、一年の経過でアパラチアの生態系が変わっているような印象を受けます。ゲーム難易度の調整っちゃあそれまでですけど、核の炎の影響が色濃く残る世界観の作り込みとして考えると細かいですね。

指さし ロシアよりレブをこめてに続く
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