前回は近くの座礁地帯でカイラル結晶を回収して、K2西配送センターに納品する現地調達のお仕事をしたブリッジズ第二次遠征隊のサム。その依頼を完了させたことで、また新しい依頼が2件、配送端末のシステムに追加されました。今回はその配達依頼でいよいよ新しいブリッジズの拠点へと移動していきます。

前回、プレイ日記を残すための画像や映像を撮影しているときに、うっかり先にママーによる新しい建設装置の機能「橋」の説明を聞いてしまったので、上の動画は受注画面に編集でママーの説明をつなぎ合わせています。本来なら今回やっていく配達依頼にあわせて説明が入る予定でした。

次にサムが目指すのは K2西配送センターの西にある「風力発電所」です。名前のとおり、ここは配送拠点というより、ブリッジズの各拠点へ供給する電力の発電を目的とした施設になっています。そのため、運ぶ荷物も「電力供給ユニット」とそれらしい機材です。

配達依頼内容

新しい依頼のうち、No. 9の「風力発電所へ電力供給ユニットを配送」が風力発電所への配達依頼で、No. 10の「『橋』を建設せよ」が、その風力発電所へ向かう途中にある川に橋をかけて、配送ルートを確保する依頼です。どちらも同じ方向なので、両方受注して一気にやってしまおうと思います。

重たい荷物

今回は配達する荷物のほかに、橋を建設するための素材も担ぐ必要があるため、荷物を背負うシーンでサムがかなりよろめいています。しかし、橋の建設現場はこの施設のすぐ目の前なので、根性で歩いてもらいます。あとから思った話、どうせ使わないんだから、ハシゴとかのサビサビの道具は置いていってもよかったですね。

橋の建設

指定された建設予定地に橋を建設する。架けた橋は、サム以外の配達人も使える。とても有用な依頼でもあるので、完遂してほしい。

サム指名依頼 No. 10「『橋』を建設せよ」の依頼の詳細より

橋はすでに建設装置で川岸に土台が造られており、途中まで素材が投入されているので、サムがやるべきことはただ、支給された素材の「金属」40kg をそのまま土台のシステムに投入するだけです。

建設装置は今後大型のものがどんどん追加されていきます。規模が大きなものは、今回の橋みたいに、土台だけ建設装置で作って、あとは必要な素材がそろうと完成するみたいなタイプが多くなっています。なので、建設途中でほかのプレイヤーに資材投下の協力を呼びかけている建設物も今後よく目にすることになります。

サム指名依頼 No. 9「風力発電所へ電力供給ユニットを配送」

風力発電所へ電力供給ユニットを運び、カイラル通信を接続する。成功すればロス率ゼロの送電が実現し、広いエリアへの電力供給が可能になる。

サム指名依頼 No. 9「風力発電所へ電力供給ユニットを配送」の依頼の詳細より

配送依頼 No. 10を片付けたので、残りは風力発電所に荷物を運ぶ No. 9のみになりました。橋を渡った先の坂をまっすぐ上って、その先の森林地帯にある発電所を目指します。この途中の森林地帯は急な崖という足場の悪さに加えて、座礁地帯が広がる序盤の難所になっています。私は怠惰な性格が出て、今回はゲイザーに見つかってはハンターを振り切って無理やり進む配達スタイルをしていました。おかげでサムが真っ黒です。

地面の黒いシミ

風力発電所前の森林地帯もそうですけど、K2西配送センターから西は、一層ビーチに近くなっているみたいで、地面にタールらしき黒いシミがところどころ広がっていたりします。グラウンド・ゼロ湖が近いからでしょうか? あるいは、ここらへんに廃棄された自動車が山のようにあるので、もともと人口が多かった都市部から座礁地帯が隣接する地域になったことも関連しているのかもしれません。

風力発電所の担当者はジェイク・ウインドさんといいます。相変わらず、そのまんまなネーミングですね。配達物の確認をしたあと、おなじみのカイラル通信接続のシーンが入って、サムの任務がまたひとつ完了します。そう言えば、今回の配達依頼の詳細では、カイラル通信をつなぐことは触れられてもなかったですね。もう言わなくてもわかんだろ、みたいな。

カイラル通信で電力供給

ここにサムが運んできた「電力供給ユニット」は、カイラル通信を通じて、カイラルネットワーク内のブリッジズの配送拠点に電力供給するための装置らしいです。これにより、カイラル通信はデータだけでなく、電力までやりとりできることがわかります。しかもロス率ゼロですよ。どんなシステムやって話ですよ。

通信量制限と親密度

また、カイラルネットワークのエリアがさらに拡大したことと、橋のような大規模な建設物が出てきたことで、建設物がカイラル通信の通信量を消費し、上限に達すると同じエリアでそれ以上建設物が建てられなくなる説明が入ります。なんでも無制限に建設できるわけではないということです。この通信量の上限を上げるには、ジェイク・ウインドさんのような各エリアの配送拠点で窓口をしているブリッジズの担当者と仲良くなって、サムが使える通信量の割り当てを増やしてもらうしかありません。

アメリにはあったことがないジェイク・ウインドさん

ジェイク・ウインドさんも、第一次遠征隊の後発隊であったと語ります。また、先発隊であったアメリとは、彼も直接会ったことがないそうです。逆に姿を見せないカリスマ性だけで北米大陸横断計画をやりきったアメリって、軽くアイドルになれるくらいのセルフプロデュース力があると思うんですよね。ここまで周りの状況がわからないまま発電所を死守してきた彼らは、アメリが現在置かれている状況も知らない様子で「きっとアメリは今頃、エッジ・ノットシティに着いた頃だろう?」なんて呑気なことを言っています。ここはいっそテロリストに捕まったみたいな情報は流さないほうが混乱を避けられてよさそうですよね。

ジェイクさんとの会話が終わると、今度はデッドマンのホログラムに切り替わって、「あんたの血液サンプルを BT の座礁地帯に散布してみたら、奴ら(BT)の活動が弱まったんだ」と、サムの血液に関する実験結果を教えてくれます。この成果をふまえて、ママーが新しい武器の試作品を開発してくれる予定だそうです。

能力者(DOOMS)、とくに帰還者の体液が BT に有効な理由はまだよくわかりませんね。肉体の一部として考えれば、生者特有のハーがなにかからんでいるのかもしれませんけど、いまいちそれらしい仮説に結びつけられずにいます。

デッドマンの次はダイハードマンのホログラムも出てきて、「キャピタル・ノットシティ[K2]へ戻り、ポート・ノットシティ[K3]への支援物資を調達してくれ」と指示を出してきます。今回、風力発電所をカイラル通信でつないだことで、東部エリアに5か所あるブリッジズの施設のうち、4か所までカイラル通信につなぐことに成功しました。残るは出発当初から目下の目的地としてきたポート・ノットシティだけです。便利な配達人のサムを手ぶらで向かわすわけにはいかないので、せっかくだからキャピタル・ノットシティまで戻らせて、そこから配達がてらポート・ノットシティをカイラル通信につながせようということらしいです。少し戻ることになりますが、そのあいだにママーの試作品が完成するだろうから、ちょうどいいとダイハードマンは言います。

ダイハードマンは同時に、僻地の風力発電所にはなかなか配達人が立ち寄る機会がないので、配達依頼があるならやってやれとも言います。ここで受注できるのが、第二次遠征隊のサムでなくてもいい、普通の配達依頼です。ストーリーの展開に関わる第二次遠征隊の配達依頼とは区別するため「指名なし依頼」と呼ばれます。

指名なし依頼

たとえば、この時点の風力発電所だと上の画像の3件が配送端末から受注できます。足りない物資を運ぶとか、そんなものが多いですね。以前のサムのようなフリーランスのポーターでもできる依頼と考えることもできますが、実際はほかのゲームで言うサブクエストのような位置づけで、これをこなすことで物語の理解が深まる資料が閲覧できるようになったり、サムの装備品が充実したりします。これを全部こなしているとプレイ日記がいつまで経っても終わらないので、今のところ、Twitch の配信でダラダラとやっていって、物語の考察に役立ちそうなものがあればブログの記事にそこだけまとめようかなと考えています。ただ、PlayStation 4で使っているヘッドセットがあんまりいいやつじゃないので、私の声がプツプツ切れるみたいなので、あんまり耳障りならまた違う方法を考えないといけないですね。

オキシトシン

さて、カイラルネットワークが広がったことで、また古いメール文書が閲覧できるようになりました。前回、K2西中継ステーションのバトンさんのところに寄り道したことで閲覧できるようになったダイハードマンのメールと合わせて紹介します。

1通目が、ダイハードマンが「いいね!」と「オキシトシン」の関係について語ったものです。デス・ストランディング(DS)以前、ソーシャル・ネットワークでつながっていた人々は、気の利いたことをつぶやく人に「いいね!」をして、その「いいね!」をもらった人は「オキシトシン」を分泌させていたと語り、それがエスカレートした結果、ミュールの「配達依存症」が生まれたと結論づけています。「ソーシャル・ネットワーク疲れ」なんて言葉が現実にもありますけど、気の利いたことをつぶやかないといけないというプレッシャーや、「いいね!」ほしさに他人の著作物まで不正利用するあたりが、この世界の配達依存症と同じ「オキシトシン依存症」と結びつけられるんでしょうね。

配達の問題

次もダイハードマンの古いメールです。飢餓や物資の枯渇といった問題は、求められている物がないわけではなく、むしろ必要とされているところに届かない配送の問題だと指摘しています。サムのような配達人が必要とされている理由のひとつでもあります。また、このゲームは新型コロナウイルスが取り沙汰される前に発売されたゲームなんですけど、「分裂され、孤立したせいで、自分たちのことにしか関心がなくなってしまった」の一文あたりは、コロナ禍で売り場から忽然と消えたトイレットペーパーの問題を彷彿とさせます。配送という物理的なインフラストラクチャーの問題のほかに、人々の心理的な問題も大きく影響していることがわかります。

カイラル汚染とは

次は第一次遠征隊の出発時期にハートマンがカイラル汚染について説明したメールです。

カイラル汚染と呼ばれている症状の原因は、カイラリウムから発生するカイラル線にある。カイラリウムは、ビーチとともに発見された物質だ。それが発するカイラル線が、精神や肉体に影響を与える。
これは、キラーストレスと呼ばれる、人を死に至らしめるストレスの作用に似ている。ストレスが高くなると心不全や脳卒中になることもあるし、免疫力が低下して癌になることだってある。
カイラル汚染された人間は、悪夢などで睡眠障害に悩まされ、放置していると自律神経やホルモン分泌に異常が生じる。免疫力が低下していき、生命力を奪って、最悪な場合、死に至る。
それが精神に作用した場合、破壊衝動や自殺衝動を誘発する。これがひどくなるとホモ・ディメンスつまり『逸脱する人』になる。あるいは、記憶障害や判断力の極端な低下を起こす。そうなった集団をホモ・ゲシュタルト(集団人)と呼ぶ。ミュールたちがそうだ。普通の人間はカイラル線を避けて生きることが必要だが、耐性を持っている人間もいる。それが DOOMS と呼ばれる人間なんだ。

ハートマン

ハートマンのメールによると、カイラリウムはカイラル線というなにかを発しているらしいです。仮に放射能の放射線みたいなものであれば、粒子放射線とか電磁放射線とか、高エネルギーななにかを常時発していると考えていいんでしょうか? 本当に放射性物質のようなものだったとしたら、ビーチから北米大陸に来た影響で、崩壊しながら別の物質に変化して、北米大陸に定着しようとしている物質みたいな可能性も考えられそうですね。

カイラル汚染は以前に、同じハートマンの言葉で、能力者(DOOMS)が誕生する原因でもあると語られたことがあるんですが、今回のメールによると、分離破壊主義のテロリストを指すホモ・ディメンス(逸脱する人)と、ミュールを指すホモ・ゲシュタルト(集団人)も精神にカイラル汚染の影響が出た結果だそうです。前者は汚染で破壊衝動や自殺衝動が誘発された人々で、後者は記憶障害や判断力の極端な低下を起こした人々です。

前々回ぐらいから DS 現象の爆発は、肉体を持たないビーチの存在である絶滅体が、新しいなにかを生み出そうとしている繁殖行為じゃないかという私の勝手な説を書いてきたんですが、肉体を持たないだけに無機質だなと感じていました。ビーチから来るカイラリウムも放射能のように、自己崩壊の末に安定した物質への変化を目指しているなら、ある意味、これも無機質なりの進化と言えそうです。その過程で出るカイラル線に当たることは、カイラリウムが北米大陸に順応するために脱ぎ捨てたビーチのエッセンスに浸っているも同然です。ということは、能力者もテロリストもミュールも、みんな普通よりビーチに近い人々という解釈であっているのかな?

なんかあんまりうまくまとめられそうにないので、次にいきます。

ビーチと死の概念

ビーチが発見されて、死の概念が変わったんだ。
それは間違いないことだ。
ビーチとは概念であり、存在でもある。ビーチは個人の精神のあり方に影響され、個人に紐づいている。だから、DS やビーチのことを解明するために、心理学や精神分析、脳科学などのアプローチが盛んにおこなわれた。カウンセリングでビーチと死の正体に迫ることは、かつて一種のブームになったぐらいだ。特に DOOMS は格好の研究材料だったんだ。
ではここで質問だ。
ビーチが個人の精神に属しているのならば、人間のような意識を持たない動物にビーチはあるのか? 人間の死体だけがネクローシスして体が BT になる。だからビーチは人間にしか存在しない。私はそう考える。
では、人間のような意識を持てば AI にもビーチは存在するのか、あるいは、人造人間の場合はどうなのか。私は、それらにビーチは存在しないと思う。なぜなら、ビーチは死とつながっているだけではないからだ。ビーチは生者の世界にもつながっている。生と死を結ぶのがビーチだ。だから人間のような誕生をしなかったら、ビーチは存在しないはずなんだ。

ハートマン

「カウンセリングでビーチと死の正体に迫ることは、かつて一種のブームになったぐらいだ」の件は、サムがカウンセラーだった妻のルーシーと出会うきっかけにもなっているので説得力があります。サムとルーシーを引き合わせたのは、養母のブリジット・ストランド前大統領だったけど、同じ能力者(DOOMS)のハートマン視点で「特に DOOMS は格好の研究材料だったんだ」と語られているところを見ると、彼女が本当にサムのことを心配してのカウンセリングだったのか、DS 現象を解明したい一心でのカウンセリングだったのか、ちょっとあやしくなってきますね。ルーシー自身は親心があったという印象を書き残していますが、ブリジットもアメリも、裏がなかなか見えないキャラクターなんですよね。

メールの後半では、人間しかネクローシスを起こさないこと、したがってビーチも人間にしかないであろうことが明らかにされています。「人間のような誕生をしなかった」例のひとつが、多能性幹細胞から人為的に造られたデッドマンになるんでしょうね。

このメールの最後の文章は、どう解釈していいのかよくわかっていません。ビーチは死者と生者の世界をつなぐ場所です。まず人として生まれなければ、人が死んでから向かう場所に行くこともできないということなんだろうけど、なぜ人以外の動物や人造人間にそれぞれのビーチがないのか、というか、なぜそもそも人間だけなのかの説明にはなっていない気がします。絶滅体のアメリが上位の存在として牛耳っているビーチという場所が、人間専用であることはハッキリしているようです。むしろアメリが人間好きだからの一言で解決してしまうのでは? アメリが関心を寄せていない人間以外のものは死者の国直行便で、アメリが大好きな人間は一度ビーチみたいな中間地点のフィルターでこし取られると考えたほうが私はしっくりくるんですけど、どうでしょう……?

今回は、いまいちピンとくる結論を出せないまま、文字数だけが増えてしまったので、ここらへんで切り上げます。次回は風力発電所から、いったん K2西配送センターに戻ります。

指さし ビーチとエネルギーの話に続く
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