新型コロナウイルスの影響で、自宅の作業スペースの見直しを迫られていると以前から書いてきたんですが、今回の作業場見直しの目玉になっていたのはデュアルディスプレイ化でした。――え? トリプルディスプレイの間違いじゃないのかって? いいえ、やっとデュアルディスプレイにしたんです。

お互い今でもたまに話をしたり聞いてもらったりしている昔の会社の同期からは、もうけっこう前にトリプルディスプレイにしたら作業効率が上がりすぎてビックリしたという話を聞いていたんですが、私もやっとそのビフォーのほうのスタートラインに並ぶことができそうです。でも今のところ3枚目を追加する予定はありません。めっちゃ勧められますけど、宝の持ち腐れになる気がするんですよね。

もちろん勤務先はとっくにデュアルディスプレイが基本になっていました。家ではそんなに必死に働かなくてもいいかという甘えがあって、いまいちもう1台買う気になれなかったんですよね。必要なときはラップトップもスマートフォンもタブレットもあったし、とくに需要を感じたことがなかったんですよ。でも、コロナ禍に乗じて職場からは半ば追い出されるような形で家で働くことになってしまって、せめて以前の作業効率を落とさないように職場と同じデュアルディスプレイにはしたほうがいいのかなと考え直しました。で、モニターはやたらと場所をとるので、デスクの配置から見直しが必要になったというわけです。まあ、ちょうど家族の生活スタイルも変わってきて、家全体の動線の見直しも必要だったんですけどね。

2台目を買うと決まったところで悩むのが、どれにするか問題です。テレビと同じ4K だの、フルハイビジョンだの、画質のキレイさを求め出したらキリがありません。どうせならゲームにも向いているスペックがいいものにするかと思って調べていたら、さらに ms や Hz といったモニターでは聞き慣れない単位まで記載されています。なにがなんだかわからないし、「そもそもそんなにお金をかける必要があるのか?」という根本的な疑問まで湧いてきて、しばらく作業を先送りにしていたぐらいでした。

停滞していた作業を動かしてくれたのは、Google 先生が勧めてくれた IGN さんのゲーミングモニターの選びかたに関する記事でした。「ぶっちゃけフルHDで事足りる」や「人類にはまだ早い」の文言で、すっきり「ですよね~」となりました。気が付いたらこの記事に書いてあるとおりに商品を選んでいました。

ASUS VG278QR ゲーミングモニター

というわけで、セールで安くなっていた ASUS のゲーミングモニター VG278QR を買いました。4K の上位モデルもセールで値下げする予定だったんですけど、そっちを待たずに「今の人類にはこれで十分」と言われていたフル HD にしました。

ところで、いまだに ASUS の正しい発音がわからなくなります。昔に「エイサス」と英語読みしていた時代があったんですが、アジア企業だから変にアメリカンしていないローマ字読みの「アスース」が正しいとだれかに指摘されて修正して、使い慣れてきたころに「エイスース」が公式読みだという発表があって、二転三転した読みかたに、横文字に弱い老人の脳みそはもう爆発してしまいました。毎回調べて納得しては忘れている気がします。

ASUS を選んだのは、以前にパソコン工房さんのキットで組んだ自作のゲーミング PC のマザーボードが ASUS だったからです。あと個人的に前から好きだと書いているゲーム実況者集団の M. S. S. Project のみなさんも、スタジオ収録で使っているモニターは ASUS みたいなんで、影響を受けたことが決定打だったというふうに装うことにします。

いや、好きなものがあるとね、その好きなもので経済が動いている気風を作り出すのって大事だと思うんですよね。そうやって経済がまわると、好きなものがどんどん作られていって、充実するんですよ。世知辛い世の中だし、お金がないと好きなものは残せない時代になっていると思います。口だけじゃなくて、好きなもの、必要なもの、残したいものにお金を投じるって大事です。

要領がよくないので、2台のモニターをうまく同時に活用することには前々から不安があったんですが、ひとつの作業画面をとっちらかすのは得意なので、今回追加する新しいモニターはできるだけ大きいものを選ぼうと考えていました。サブにする予定の既存のモニターは最初から、作業エリアじゃなくて、縦置きにして資料表示専用にするつもりでした。なのでメインは30インチ超えでもいいかなと思っていましたが、今回は参考記事のとおりに PC デスクには最適らしい27インチに抑えました。たしかに、全画面でゲームすると端のほうとか視界から外れて認識が遅れてしまいそうです。なんだかんだ海外ドラマとか、長文のニュース記事とかでも、スマートフォンで観たり読んだりするほうが集中できて快適なときがあるんですよね。

画面の大きさを抑えた代わりに、ゲームには大事らしいリフレッシュレートという映像表示の更新スピードが速いものを選びました。ええ、今のところ The Sims 4 ぐらいしか PC でプレイしていない身ですが、ヌルヌル動くゲームにいつか感動したくてこのスペックを選びました。最初は反射神経が鈍りすぎた私には過ぎたスペックだと思っていて、削ってもいいスペック No.1 候補だったんですが、上の参考記事だと大事だと言及されていたので、急に私のなかで重要視されるようになりました。今でもこれを選んでよかったのかは疑問ですが、大画面の4K にしなかったのは正解だったかもしれないと早くも感じ始めているので、これでよかったのかもしれません。求めだしたらキリないですからね。

こういうのって、市場のメーカー側の思惑なんかもあるんでしょうけど、必要以上のスペックを買ってしまいがちだと思うので、絶対正解とは言えなくても、ひとつ指標のようなものに出会えたのはよかったなと思いました。悩んでいた画面の大きさ、画質、リフレッシュレートなど、スペック違いのモデルで一通りゲームをしてみて、格付けチェックのようなことをやったら、私の場合、けっきょく見た目に明らかな大きさ以外どれもわからないオチはあるあるだと思います。だいたい今回サブモニターに降格した10年選手のディスプレイだって、私は今までとくに不満なんてなかったんです。勤務先の機材だって、贅沢言って導入してもらったものじゃなくて、余り物で構成した環境でしたからね。今回のモニターは私には過ぎた買い物だったので、文句は今のところ見当たりません。

けっきょく買ったモニターで作業している今、あらためて自分がモニターになにを求めていたのかを振り返って考えてみたら、映像のキレイさとか迫力とか没入感とかじゃなくて、たぶん「目に優しいこと」だったんじゃないかなと気付きました。やっぱ人間、健康が一番やで。

あと、仕事で作業してるときはいいんだけど、やっぱり趣味でパソコン使ってるときはデュアルディスプレイまではいらないなと思いました。電気代がもったいなくてモニターの電源切っちゃいますもん。デイトレーダーみたいに頭よくないし、そんなに情報表示しても、脳みその処理が追いつかないんだよねって、人間って、こんなもんじゃないかなぁ。